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Gardenerさんの心配ごと

Gardenerさんはもともと心配性なのですが
最近ますます心配性です

会うといつも最初に
「わたし 何かがおかしいみたい」と言います

わたしが
「何がおかしいの?」と聞くと

Gardenerさんは
「なんかあたまがおかしいみたい」
と答えます

わたしが
「そうなんだね」というと

Gardenerさんは
「でも だいじょうぶ」
と言ってちょっと元気がなくなります


昨年は
わたしが
「そうなんだ じゃあ、お医者さんに詳しく診てもらおうよ」と言って
大きな病院を何度か予約しました

でも予約日の2日前くらいになると
なんだか急に心配になってくるようで
「どうやら具合が悪いみたいだから 
予約のキャンセルお願いします」
と電話がかかってきたものでした

そんなわけで
Gardenerさんは
あたまのことが心配だけれど
あたまのことを診てもらうのも心配なのです

昨年はわたしも
キャンセルの電話を入れるたびに
ワーカーさんにいろいろ相談にのってもらっていました

病院にはワーカーさんがいて
わたしの話すGardenerさんの話しを親身になって聴いてくれるのでした

なんて恵まれたことだろうと
キャンセルのたびに思いました

だって、わたしが子どもの頃に観た
もの忘れ系(現在の認知症)のドラマは、
本人も介護者もとても孤独そうで
なんだか見ていられなかったし
親身になって関わってくれるようなワーカーさんのような人なんて
ただ1人としていない印象でしたから

時代は変わったんだな
と思いました

そして
それと同時に
あの時観たドラマやドキュメンタリーの影響を
実はわたしはとても受けていたことに気が付きました

そんな昨年を経て
今年に入り
わたしは急に
自分の中の何かが手放せたように感じたのでした

わたしが手放せたもの

それは
わたしの中にあった
暗くてどんより先の見えない
孤独いっぱいの認知症介護に対する
刻印されたイメージと
そこからくる不安や心配ではないかと感じています



Gardenerさんがぬぐえない心配は
もしかしたら
わたしが手放したものと同じものであるのかもしれないと気づいた時

Gardenerさんのもの忘れは
Gardenerのもの忘れであって
刻印されたイメージが
そのままそっくりGardenerさんに当てはまるわけではないのだから
ありのままのGardenerさんを感じながら
わたしはこれから寄り添っていければいいのではないか
と、思えたのでした


というわけで
Gardenerさんには
まだ診断名はありません

でも今は
それでいいよね

Gardenerさん


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