漬物の塩分について。
一昨日は、日頃熟成ぬか床を納品させていただいているお得意様のインスタライブに登場させていただきました。
今回が3回目になるのですが、2回目の終了時に視聴者の方からの要望があった「塩」についてでした。
以前、こちらでも塩については書かせていただきました。
おさらいをすると、塩でも食べる目的の塩は「食塩」と表記する必要があります。
また、その材料やその産地、作り方によって様々な種類の食塩が存在するということです。(例えば、岩塩、天日塩、国内海水塩など)
それらの何が違うかというと高血圧や心臓病の元とされている成分「塩化ナトリウム(Nacl)」の含有量(92〜99.5%)が変わってきます。
様々な種類があるので、その特徴を知り、使用目的に合わせられるとより効果的です。
ちなみに、私たちの工場では、
・漬け込み時:天日塩
・製品製造時:赤穂の並塩
その理由は、塩としての加工度が低い粗塩であるため、野菜に浸透しやすく、水分を抜きやすいことと、ミネラル分を多く含み、旨味があるからです。
前置きが長くなりましたが、創業時(昭和26年ころ)は今と違い、高度な衛生管理や冷蔵流通、殺菌技術などがありませんでした。長期保存するためには塩蔵という方法しかありませんでした。
「塩蔵」とは。
つまり、塩のみで保存させるため、塩分濃度15%以上もあるものも珍しくありませんでした。
当時、「漬物だけで飯が3杯食べられる」と言われたのはそのためです。
その後、徐々に製造技術や衛生管理方法、流通などが発達するとともに必要以上の塩分濃度にする必要はなくなり、今ではたくあん漬けも3~5%程度になっています。
(食品経済新聞令和3年1月25日より)
文部科学省による「日本食品標準成分表(2020年)八訂」の中から
主なものとして、100gあたり
・梅干し 22.1%→18.2%(▲3.9%)
・たかな漬け 5.8%→4.0%(▲1.8%)
・たくあん漬け 4.3%→3.3%(▲1.0%)
と業界全体で塩分濃度が下がる傾向にあることがわかります。
数字的に見ても以前に比べ、低塩になっています。各企業の研究の積み重ねと努力による結果だと思います。
ぜひ、安心して、食べ過ぎだけ注意されて、楽しい食事の一品としていただければと思います。
さらに、宮崎県産天日干したくあんにはGABAという成分が豊富に含まれており、ヒト試験で血圧降下作用が確認されています。
これまで漬物は高塩分と思われてきましたが、現在はかなりの低塩になっています。
塩のとりすぎは良くないですが、とらなさすぎもまた生きるためには良くないです。
また、どんな塩なのか、そちらも気にしていきましょう。
「減塩」ではなく、「適塩」を推進しています!
では、また。