描いて描いて生き延びろ――「ルックバック」感想
先日、劇場アニメ「ルックバック」を見た。
■2度の放心
去年、知人から藤本タツキ「ルックバック」の単行本をもらい、読んだ。
ご多分に漏れずその内容に圧倒され、読了後はしばらく放心した。
作者の藤本タツキ氏は天才だと確信し、他の作品も読んでみようと思ったが、自宅には「読んでくれ、次は俺は読んでくれ……」と怨嗟の声を上げる積ん読たちが鬼のように溜まっている。そいつらにかまけている内に、当初の「読むぞ!」という気持が日々薄れていき、いつしか忘れてしまった。
そして今年