JW547 昴の神様の子供
【伊勢遷宮編】エピソード6 昴の神様の子供
第十一代天皇、垂仁天皇の御世。
紀元前4年、皇紀657年(垂仁天皇26)。
天照大神(以下、アマ)の鎮座地を求め、一行は、外城田川を遡る。
そして、何者かに遭遇したのであった。
インカ「ん? あれは? 何者かが、立っておりますぞ。」
ワッコ「え?」
何者「わしか? わしは神の子やで。名前は、速河彦やで。地元の皆は『はいこさん』と呼んでるんやで。」
カット「神の名は、何と申すのですか?」
はいこ「天須婆留女命御魂やで。」
ねな「聞いたことない神様なんだけど・・・。」
はいこ「昴という星が由来なんやで。」
オーカ「なるほど・・・。プレアデス星団にあらしゃいますなぁ。」
ちね「そう言われても、よう分からんのやけど・・・(;^_^A」
はいこ「とにかく、星を使って、農耕の吉凶を占っていたのではないかと考えられているんやで。」
おしん「うんうん・・・。ロマンってヤツだな。」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
ワッコ「し・・・して、汝が国の名は何ぞ?」
はいこ「畔広の狭田の国やで。そして、佐佐上の神田を献上するんやで。」
市主「佐佐上とは、如何なる意じゃ?」
はいこ「それは、聞いたらダメなヤツやで。」
くにお「ロマンというヤツか・・・。」
おしん「そういうことで、速河狭田の社を建てたんだべ。」
カーケ「二千年後も鎮座しているのかね?」
乙若「はい。それが、狭田国生神社にござりまする。」
武日「祭神は、すばるなんとか・・・になるんか?」
はいこ「そうではなく、わしが祀られてるんやで。」
ワッコ「汝を祀るために建てた・・・ということか?」
はいこ「その通りやで。」
インカ「献上した者を祀ったのは、これが、初めてではありませぬか?」
ワッコ「そうかもしれぬな・・・。」
はいこ「それだけでなく、わしの姉妹の速川比女と、この地の守り神である、山末御魂も祀られてるんやで。」
くにお「では、三柱の神が祀られておるということか?」
はいこ「その通りやで。」
オーカ「ところで、二千年後の地名で言うと、何処に鎮座しておりますのや?」
はいこ「三重県玉城町の田丸やで。」
こうして、一行は、社を建てると、更に進んでいった。
すると・・・。
インカ「ん? また、何者かが!」
何者「私か? 私は、高水上神じゃ。『かみかみ』と呼びなさい。」
ワッコ「高水上神? どこかで聞いたことが・・・。」
カット「エピソード508にござりまする。」
ねな「尾張国(今の愛知県西部)の中嶋宮の候補地に、坂手神社があったわよね?」
ワッコ「あっ! その社に坐しませる神であったな?」
かみかみ「その通りじゃ。」
音主「ちなみに、坂手神社の鎮座地は、愛知県一宮市の佐千原宮東にござりまする。」
ワッコ「して、汝が国の名は何ぞ?」
かみかみ「岳、高田深、逆手の国じゃ。」
カーケ「どういう意味なのかね?」
かみかみ「それは、聞かぬことになっていたはず・・・。」
ちね「なるほど・・・。これがロマンやね。」
かみかみ「そして、皇女に田上の御田を献上致しますぞ。」
おしん「田上って、どういう意味だ?」
かみかみ「これを機に、皇女が、私の社を建ててくれるのじゃが、その社の周辺が、田上という地なのじゃ。」
ワッコ「で・・・では、社を建てまする。」
こうして「かみかみ」の社が建てられることになった。
つづく
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