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JW173 鎮定に赴く者

【孝霊天皇編】エピソード28 鎮定に赴く者


第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。

すなわち、紀元前246年、皇紀415年(孝霊天皇45)。

ここは黒田廬戸宮(くろだの・いおど・のみや)。

地図(黒田廬戸宮)

孝霊天皇こと、大日本根子彦太瓊尊(おおやまとねこひこふとに・のみこと)(以下、笹福(ささふく))は、腕組みをして、悩み込んでいた。

目の前には、出雲(いずも)の家来、明速祇(あけはやづみ)(以下、あっくん)がいる。

伯伎国(ほうき・のくに:今の鳥取県西部)に蔓延(はびこ)る賊の鎮定(ちんてい)をヤマトに依頼しに来たのである。

地図(出雲と伯伎の位置関係)

あっくん「前回紹介した月支国(げっしこく)の王が、攻め込んでくるやもしれぬのです。」

地図(月支国)

笹福「出雲が苦しい立場に有ることは分かりもうした。されど・・・。」

あっくん「されど?」

笹福「伯伎の賊鎮定伝承は、出雲の要請を受けたものにあらず。民(おおみたから)が苦しんでいるのを見過ごすことができず、出兵したと書かれておる。」

あっくん「月支国との伝承にからめるのは、無理があるのではないか・・・ということにござりまするな? 作者の構成に異議有りと申されまするか?」

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