「地球はすでに限界を超えている」と叫ばれる中、私たち日本人の意識や社会は驚くほど変わっていない。なぜ意識が変わらないのか、社会はどんな姿を目指すべきなのかについて、環境・経済・哲…
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#バイアス
No.0|『持続不可能な社会をどう生きるか』を書いたワケ
Prologue1972年にローマクラブが『成長の限界』を発表しました。「地球の資源は有限であり、経済は無限に成長することはできない」、そう発表された50年経った後も、私達、特に日本人の意識は恐ろしいほどに楽観的で、関心を持とうとしません。
現在生態系はすさまじい速度で破壊されています。気候変動——最近は気候危機と呼ばれますが、将来の危機は過少化され、事なかれ主義のモラルハザードが起こっています
No.4|なぜ環境破壊に対する感じ方がこれほど冷淡になったのか?
前章で、"世界は自然の恩恵で回っているにも関わらず、それが危機に瀕している"ことを紹介した。しかし、自然保護の大切さをいくら力説されたとしても、どうしても違和感が拭えない方もいるだろう。自然破壊と言っても、まるで遠い月の国のお話のようで、頭では理解できたとしても腹落ちしない。その背景には何があるのだろうか?
①自然からの断絶一つ目の理由は、私たちの生活の大部分が自然から断絶されてしまったことによ
No.3|なぜ学び続けるべきなのか~その本質的な理由 - 後編
学び続けることにもう一つ重要な意味を付け足すならば、バイアスに囚われずに思考するためだ。偏った見方をしていては、正しく事実を捉え、生産的な議論をすることができない。
人はそれぞれ、独自に培った色メガネを使って世界を認識している。世界は情報で溢れかえっており、全てを処理することは土台不可能で、普段私たちは欲しいと思う情報だけを抜き取ることで効率的に生きることができる。逆に考えると、見たいと思わない