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#ファンタジー小説

ポジティブネガティブ

ポジティブネガティブ

ポジティブネガティブ
韻を踏みやがって
このやろう
ティブティブティブティブ
うるせーよ
ポジ子は明るく元気な子
ネガ夫はニヒルなクールガイ
ダブル不倫で駆け落ち消えて
それ以来
ティブ(元ポジ)とティブ(元ネガ)は大喧嘩
星座になるほどうるさくやって
なんか銀河のどえらい人に
仲裁されて両成敗
ティブ(元ポジ)とティブ(元ネガ)は
銀河を恨み
共通の敵は二人を少し近づけた
両成敗の刑罰は
名前を

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バッテリー上がり

バッテリー上がり

暑い暑い
暑すぎて
力が出ない
いや
そうじゃなくて
君のせいでしょ
君は朝から上の空
職場に着いても
しばらくぼんやりしてたでしょ
ミラーでどうにか髪整えて
鍵刺したまま行っちゃったでしょ
おかげでカンカン照りの中
こらえて段々冥途ゆき
もうちょっと早く気づいたら
もうちょっと君に力があったら
へたばんなくて済んだのに
僕は路傍のバイクになった
君はまた
鍵刺したまま行っちゃった

そのうちに、

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缶詰姫

缶詰姫

あなたがいない
お夕餉は
なんでも好きなものを
召し上がれ

と言う訳で
スイートコーン缶
晩ごはん
すると
缶詰姫が現れて
スイートコーンの缶詰
パッカーン
ねぇお姫さん
最初はそうっと蓋開けて
水切りしてから
パッカンよ?
ならんならん
わらわは姫じゃ
なぜそのような物言いを
わらわのやること
抜かりはありゃせん
ほれこのザル使って見りゃれ
グイグイと
押し付けられたザルで水切りし
いつもは缶

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トンカツストーカー

トンカツストーカー

最近トンカツにストーカーされている
肉料理を注文するとトンカツが出される
洋風な店ではカツレツだ
堂々と提供されると
そのまま食べないと悪いような気がして
そのまま平らげていた
連れがいる時に聞いても
トンカツなりカツレツなりを
私が注文していたと言う
ある日またしても
この日はカツレツだったが
そんな状況で食べようとすると
お誕生日おめでとうございます
とカツレツが言ってくる
ありがとう
と誕生

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キトサン

キトサン

一斗缶でキトサンを買った
脂肪酸に頼まれて
そうしたら
頭がおかしいからと
心身診療科に連れて行かれてしまった
もちろん脱走して
疾走して失踪する
逃亡生活では日光山に
放浪生活では人形館に
もぐりこみ
似合わないリボンをつけて
リボンちゃん
時報GUNを抱えて
ヒットマン
紐は無き
焼き塩缶の竹馬に
つま先入れてハイヒール
カッツンカッツン
ギクシャクと
歩く姿は糸つり人形
あああの
一斗缶が欲

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邂逅

邂逅


嫌なことをしてきた人に似ていたから
勝手に運命を感じていたのかもしれません

あなたが歳をとって
少女だった私の目の前に現れる
私は叫んだけれども怖くはなく
むしろ惹かれていました

歳をとった私の目の前に
あなたは青年として現れる
はじめは怖かったけれど
だんだんと好きになってしまいました

あなたとのお別れを間近にして
これが本当なら良いのにと切に思うのです