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ときめきnote

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これめっちゃスキ!と、ときめいたnoteを束ねています。エッセイ、小説、漫画など、創作系の記事が中心です。
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記事一覧

人生は変わるが、春巻きは変わらない

「信じられへん! 春巻きやのに、皮の中にキクラゲとかたけのこ入ってて、 中身があんかけ麺み…

ゆうべ久しぶりに父を夢に見たので、思い出話でも書こうかと思う。 いつもふざけている人だっ…

猫野ソラ
3年前
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夕闇に沈むモレの橋

「この絵の場所を知りませんか」 フォンテーヌ・アヴォンの閑散とした駅舎で、ぼくは息を切ら…

kaoru
4年前
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not too late

ドラッグストアに入ると、初老の男が店員に向かって怒鳴っている。大きな声なので聞き耳を立て…

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料理コンプレックスの呪いから解放されたい

ただの塩鮭を「サーモンソテー」と呼び 野菜を焼いただけのものを「夏野菜のグリル」と言い張…

SUISUI
4年前
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特別養子縁組で赤ちゃんを迎え、父になるまでの長い長い道のりのお話

僕たち夫婦は、2019年1月に、特別養子縁組で生後5日の男の子を授かりました。僕が46歳、奥さん…

積み重ねた日々、不器用な乾杯

幼い頃から、人生は「本当」を探す旅だった。 ずいぶん大人になってからも、本当の目標とか本当の人生とか、そんなものを見つけたくて必死だったように思う。 そんな調子がつづき、迷子のピークを迎えた29歳のときに決めたのが海外へ行くことだった。 すべての段取りが整ってから家族に報告した。父は驚きと呆れが入り混ったような声色で言った。 「何?アメリカ行くやと? おまえもう30になろうもん なんば言い出しよっとか」 お父さん、話があります。 私がそう切り出したから、てっきり結婚宣

『Tiny Muse』

* 広沢タダシさんの曲『彗星の尾っぽにつかまって』からインスピレーションを受けて描きま…

猫野ソラ
4年前
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AI時代に将棋ファンがなぜ藤井聡太にこれほど熱狂するのか、将棋ファン自身がわかりや…

 上記は藤井聡太(現)二冠が初めて棋聖位を獲得したとき、記者会見で報知新聞の北野記者から…

世界線の彼方で 【エッセイ】

長い階段の坂を登っていた。 まだ朝なのに陽が昇ってくると暑い。湿度も高い。カラダから汗が…

One more time one more パイン飴

  十人十色の人間がいるように、この世には十人十色の飴が存在する。あんず飴やトローチ、リ…

すべるこども

 雪まつりの賑わいも、どこか他人事ながらとりあえず今年も通り過ぎておくことにする。そんな…

千青
4年前
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アイスキャンディーを食べながらふたりで走れる今が

好奇心のままに歩き回り、しゃがみ込み、立ち止まり、小走りになり。 1歳と少しだろうか。小…

思春期なんかに出会わなければ

朝4時から支度をして、ろくにものを食べることも叶わず、祖父母や従姉妹の家に挨拶に行き、水気の多い雪でぬかるんだアスファルトに下駄を置いて母に傘を差してもらいながら、髪飾りと付け毛で重くなった頭をぐらぐら揺らしてたどり着いた成人式会場にはすでに見知った顔たちの晴れ姿がひしめいていて、それぞれに、これと選んだ振袖の柄が舞い歓声が響き渡り、すでに疲労の限界に差し掛かりつつあった私の感覚もその空気に飲まれて精度が取り戻されていくのを感じた。私は随分と大振りの髪飾りを頭のてっぺんと頸の