Mikic

短編小説を中心に書いてます。仕事終わりや週末を使って書いておりますので、月1本の更新ですが、よろしくお願いします。 サンフレッチェ広島のサポーターです。

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マガジン

  • とらねこ村<トランスミッション>

    • 157,464本

    あなたと作る共同マガジン。総勢4000名が関わる大規模マガジンに成長中。グループ合計で参加者1,500名、フォロワ数2,500名、約18万記事が収録中。🥕コンテンツを広めたい方の参加をお待ちしています。🥕マナー:①連続投稿はしない②社会一般的に不適切な記事は投稿しない③トップ画面は変えない。参加希望の方は,マガジンの固定記事からコメントしてね。

  • 創作小説 #眠れない夜に

    自作の創作小説をまとめています。 ・(22) カップそうめん ・(21) ミントガムとコーヒー ・(20) 夏、眠るまでの特別な時間 ・(19) ハバネロババヘラ ・(18) 朝焼けの爆食い女 ・(17) 血液型占い ・(16) 戦闘服はポロシャツで ・(15) 蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳! ・(14) 爪と種無しぶどう ・(13)「私の正義が悪を討つ」 ・(12) 魚人と半魚人と人魚 ・(11)「変わらないね」 ・(10) 金銀財宝日(きんぎんざいほうび)に婚約指輪を ・(9)「ハンバーガーと侵撃」 ・(8) 妖怪の名は「歯茎歯抜き婆」 ・(7) 朝日が目にしぱしぱと映る ・(6) 山神さまの一家 ・(5) 月夜が水面をさよさよと照らす ・(4) 割り勘で ・(3) 女雛女豹(めびなめひょう) ・(2)「やむを得ない」 ・(1) 夜、眠るまでの特別な時間

  • 創作小説【七川 四葉】

    七川四葉が主人公の創作小説です。 ・(21) ミントガムとコーヒー ・(14) 爪と種無しぶどう ・(7) 朝日が目にしぱしぱと映る

  • 創作小説【鈴木 一美】

    鈴木一美が主人公の創作小説です。 ・(20) 夏、眠るまでの特別な時間 ・(13)「私の正義が悪を討つ」 ・(10)金銀財宝日(きんぎんざいほうび)に婚約指輪を ・(6) 山神さまの一家 ・(4) 割り勘で ・(1) 夜、眠るまでの特別な時間

  • 創作小説【英彦・宏美夫婦】

    英彦・宏美夫婦が主人公の創作小説です。 ・(19) ハバネロババヘラ ・(17) 血液型占い ・(15) 蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳! ・(12) 魚人と半魚人と人魚 ・(11)「変わらないね」 ・(9)「ハンバーガーと侵撃」 ・(8) 妖怪の名は「歯茎歯抜き婆」

最近の記事

創作小説(22) カップそうめん #秋ピリカ応募

瀬戸と小倉は悩んでいた。 小規模なそうめん会社に就職したものの、業績は夏以外の時期は売上げが伸びない。乾燥そうめん以外は生産していないという夏特化型の経営方針が原因である。 そこで会社は「カップそうめん」なるものを開発、その販促を任されていた。 販促のストーリーはヒーロー物で瀬戸が悪役となり最初に登場し子どもたちを怖がらせ、正義のヒーロー役の小倉が登場して解決という流れだった。 この点、学生時代、2人ともにレスリング部だったこともあり、ヒーローショーをやることに問題はない

    • 創作小説(21) ミントガムとコーヒー

      人を下(げ)に見る者、死に方汚し(きたなし) 意味:他人を馬鹿にする者は、円満な人生を歩めないという教え。 文例:「子どもの貯金崩して、その金で博打を打つなんて『人を下に見る者、死に方汚し』だよ。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「そういえばミント味のガム、好きだったね。」 久保大和が場を取り繕うためにガムを噛み始めると七川四葉が言った。 四葉から突然、喫茶店に大和が呼び出された。 四葉はもじもじとして何かを言い出したいが言い出せない、そんな雰囲気に見えた。 お

      • お知らせ 〜作品を朗読していただきました〜

        この度、いぬいゆうた様に作品を朗読していただきました。 自分の作品が朗読されるというのも、なかなかない機会なので嬉しいです。 元の作品はこちらです。 いぬいゆうた様、ありがとうございました!

        • お知らせ 〜作品が朗読されます〜

          先週、「創作小説(20) 夏、眠るまでの特別な時間」という小説を書きました。そして、この度、いぬいゆうた様の夏企画に応募したところ、朗読していただけることとなりました。 いぬいゆうた様には感謝しかありません。公開されるのが楽しみです。 本当にありがとうございます。

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        • とらねこ村<トランスミッション>
          157,464本
        • 創作小説 #眠れない夜に
          22本
        • 創作小説【七川 四葉】
          3本
        • 創作小説【鈴木 一美】
          6本
        • 創作小説【英彦・宏美夫婦】
          7本
        • 3本

        記事

          創作小説(20) 夏、眠るまでの特別な時間

          夏。 日光で熱せられたアスファルトが熱を帯びる。 鈴木一美(すずき かずみ)には特筆する趣味や特技はない。
休日は彼氏の小野とデートをすることもあるが、それ以外は読書をしたり、ジムで体を動かしたりして過ごす。 唯一、好きなのは夜、眠るまでの時間である。 特にこの夏は「夜、眠りに落ちるまでの特別な時間」を大切にしつつ、毎日を過ごした。 今年の夏は、小野との仕事の都合が全く合わず、一人で過ごした。 一人で過ごす夏、特に長期休暇はなかなか精神的に堪えるものがあった。 寂しさを感

          創作小説(20) 夏、眠るまでの特別な時間

          創作小説(19) ハバネロババヘラ

          単身赴任の旦那の英彦が夏季休暇のため帰ってきた。 娘の桜も夏休みだ。 ということで一家三人、久々に川の字で寝ている。 娘の桜は明日、ショッピングモールに連れてってもらうので大はしゃぎだ。 一向に寝る気配がない。 すると、英彦が「そんなに寝ないのなら、いっそのこと怖い話でもするか」と言い出した...。 ババヘラというアイスをご存じだろうか。 秋田県の道端でお婆さんがヘラでアイスをすくって、花の花弁のように盛り付けるアイスだ。 色はピンクと黄色。 お婆さんの軽快な会話と相まっ

          創作小説(19) ハバネロババヘラ

          詩(3) 夏は滑走路のごとく

          夏。 まるで日光で熱せられたアスファルトのごとく、熱を帯びる。 それは、 かき氷をガリガリ。 冷麦をスルスル。 すいかをシャリシャリ。 それは、 夏草の香り。 汗の匂い。 汗と整髪料が混ざった香り。 それは、 アブラゼミ。 冷房の機械音。 アブラゼミの最期の一音をかき消す音。 それは、 浴衣。 生足にサンダル。 浴衣が擦れる感触。 それは、 花火。 一瞬見える鎖骨を汗がなぞっていく。 屋台で買った水風船が爆ぜる。 まだまだ夏は停滞している。 飛行機が滑走路を飛び立

          詩(3) 夏は滑走路のごとく

          創作小説(18) 朝焼けの爆食い女

          「夕焼け」という言葉はよく聞くが、「朝焼け」という言葉はあまり聞かない。 でも、ちゃんと辞書に載っている言葉だし、実際に使われてもいる。 今、三山桜は朝焼けの中にいる。 コンビニでアイスとビールを買い、川沿いのベンチに座って一心不乱に食べている。 もう少しで6缶目のビールを飲み終わる。 市役所から民間企業に転職して3ヶ月。 未だ職場の空気になじめないでいる。 「聡美は明美と彼氏を奪い合ったから基本ダメ。」 「でも明美は聡美のことを許してるから明美からはOK。」 「久美

          創作小説(18) 朝焼けの爆食い女

          創作小説(17) 血液型占い

          宏美は雑誌を読んでいた。 すると桜が寄ってきて「血液型占いが見たい!」と言い出した。 宏美は、今度の桜の興味は血液型か、子どもの好奇心は無限に広がっているな、とこの時はぼんやりと考えていた。 加えて、ははーん、さてはまた何かオリジナルの血液型でも作って、騙そうという魂胆だな?とも。 「お母さん、AB型のRhマイナスは?どこに書いてあるの?」 「え?」 宏美はドキリとした。何を言い出したの? 「日本人では200人に1人、AB型は10人に1人だから、AB型でRhマイナス

          創作小説(17) 血液型占い

          ショートショート#10 塩氷りんご(しおごおりんご)

          アイスを食べていたら、いつの間にか塩氷りんごを食べていた。 カレーを食べていたら、いつの間にか塩氷りんごを食べていた。 ポテチを食べていたら、いつの間にか塩氷りんごを食べていた。 塩氷りんごにはいつの間にか手を伸ばしてしまう中毒性がある。 まるでお伽噺の毒りんごだ。 見た目は普通のりんご。 塩漬けしてある、塩味のりんご。 それを凍らせてできあがり、塩氷りんご。 もう一つ、塩氷りんごの不思議なところは、中身がまるで万華鏡のように光り輝くことだ。 食べるとピカピカと光るので

          ショートショート#10 塩氷りんご(しおごおりんご)

          ショートショート#9 苺

          季節は春。 苺はどんどん実っていく。 甘酸っぱい香りと共に。


 ねぇ、と声掛けられて鮮やかな苺狩り。

 季節は春。 二人はこれから結婚するという、間柄になったばかり。 仲睦まじく寄り添う様子が苺に似ている。


 ねぇ、と声掛けられて鮮やかな苺狩り。

 季節はもう初夏になる。 それでも苺は実る。 妻のお腹にも新しい命が実る。 苺のように小さな命が。


 ねぇねぇ、と気付かされて鮮やかな苺狩り。

 季節は再び初夏。 苺が実った。 元気いっぱいの鮮やかな子どもに

          ショートショート#9 苺

          ショートショート#8 深夜バスでスカイツリーへ

          「スカイツリーに行きたい」と思っていたのに、現在地はなぜか通天閣だ。 別に大阪に行きたかった訳ではない。 住まいは名古屋だ。 わざわざ深夜バスに乗ってやってきたのだ。 4月に就職して以来、何もかもがうまくいかない。 職場の対人関係も、上下関係も。 友人関係も、交際関係も。 夜、ミミズクが鳴く
 
対人関係は恭しく
 上司との関係は疎ましく
 週末が楽しみで仕方なく
 夜、ミミズクがせわしなく鳴くように私は働く 楽しみで仕方なかった週末に行きたくもないところにいる

          ショートショート#8 深夜バスでスカイツリーへ

          創作小説(16) 戦闘服はポロシャツで

          「もう少し、お薬を続けてみましょうかね。」 心療内科の医師が山田に言った。 係長に昇進して2年。 仕事はさっぱりで、誰が何の担当業務なのかがよくわからない。誰が事務職で誰が専門職なのかもわからない。 ショートの作業依頼が多く、多忙な毎日を送っている。 寝つきが悪かったり、たとえ薬の効果で眠れても2時間程度で目が覚めてしまうことがほとんどだ。 そんな山田の口癖は「やむを得ない。」だ。 山田は思っていた。 勤務先の市役所は山田と同じ事務職採用者だけではない。 様々な職種

          創作小説(16) 戦闘服はポロシャツで

          創作小説(15) 蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳!

          「6月17日土曜日っと。」 娘の桜が日記を書いている。 「ちなみに今年の干支は何か知ってる?」 母親の宏美が尋ねる。 「今年は、寅年!」 桜が元気よく答える。 「残念でした、今年は卯年。」 意地悪そうな、それでいて優しい目をして宏美が答える。 「え、そうかな?蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳!でしょ、午!羊!…。」 え...? 「え、何か変なの混ざらなかった? もう一回言ってみてよ。」 「蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳!…。」 娘の干支にはネズミの前に蚊がきている…。 ど

          創作小説(15) 蚊!子!丑!寅!卯!辰!巳!

          創作小説(14) 爪と種無しぶどう

          人を下(げ)に見る者、死に方汚し(きたなし) 意味:他人を馬鹿にする者は、円満な人生を歩めないという教え。 文例:「盗人ばっかして、その金を博打に注ぎ込むなんて『人を下に見る者、死に方汚し』だよ。」 「このブドウ、皮ごと食べられる?種無し?」 七川四葉は突然の質問に戸惑っていた。 ネイルアーティストとして働いていたが、仕事を抱え込み過ぎ、疲れてしまった四葉は一旦はネイルアーティストの夢をあきらめることにした。一旦は。 しかし、何もしないというのも手持ち無沙汰なので、近所

          創作小説(14) 爪と種無しぶどう

          ショートショート#7 女王蜂の蜂集め

          女王蜂が君臨する、とある蜂の巣。 働き蜂たちがせっせと蜂の子にエサを与えている。 「ありゃあ、大きな蜂の巣になった。駆除しないと。」 ...ちょっと待ってくれ、我々が何かしただろうか。 人間に危害は及ぼしていない。被害者ゼロだ。 純粋に子作りと子育てに勤しんでいるだけじゃないか。 まさしく人間のように。 先日、カラスが商店街の天井からライトをつついて落とす、いたずらをしていた。 通行人に怪我人はいなかったけども、危なかった。 我々、蜂はあくまで、敵意を持って攻撃して

          ショートショート#7 女王蜂の蜂集め