初夢
発句「初夢」
〽
一富士と二鷹三ナス飛んでゆく
空飛ぶナスは油で揚げろ
旗揚げろ俺たち海の海賊だ
海賊王に俺はなるのさ
海見れば船乗りばかりたむろして
月の出るのを待って恋する
恋する乙女春やきぬらん
春が来る春雨巻いて外見れば
春の雨降り草生い茂る
生い茂る草むらの中虫取りや
虫は鳴き出す外に出してよ
外に出る月を見上げる独り身の
孤独染み入る冬空の青
青々しピーマンや
ピーマンや君のくぼみをなぞる僕
僕なぞる君の光はレモンの香(か)
レモンの光黄色さざめく
さざめく波や海白し
魚見てどこから来たか不思議だな
不思議だな宇宙人たちみなピュアだ
ピュアな人、人惹き寄せる天才や
天才は遅れて来るそのゆえに
牛と呼ばれて幾千里来た
千里来た伊勢はどこかと街の人
聞いて回って辿り着く先
お伊勢さんありがたし
ありがたし年の初めに金もらう
お年玉貰える年はすでに過ぎ
振り返り見る年の数量
数と量すべて測るることはなく
無い袖を振りながらゆく旅の道
情けの人は魚をくれた
うなぎ飯食べた後には茶をすする
お腹満たした旅の浅草
浅草は聞きはしたけど訪れず
旅をするよりゲーム三昧
三昧の仏の慈悲はありがたく
罪の焚き木を燃やし尽くす火
火を熾す心の焔消させまい
命を燃やせ悪鬼滅殺
鬼退治ももたろさんはきびだんご
お腰につけて旅をするとき
旅に出る足袋が破れて一休み
憩いの場森の中にて深呼吸
深呼吸吸って吐いたら気持ちよい
朝の静けさ夕べの騒ぎ
騒ぎ出す祭りがあると面白い
男たちみな血気盛んだ
賑わいの街を歩けば棒当たる
犬が歩いたその先は何
見上げるとデカい黒人ばり笑顔
犬を撫でると笑顔で去った
去る人は追わないけれど来る人も
追わないことで距離保つ世や
世の中は機械だらけでなんだかな
マシン油に服を汚して
車屋は車の医者だメンテする
歯のメンテ入れ歯を取ると若返る
若返る和歌に帰ればその通り
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