リルケ、フランス語の詩、雪の記憶は
雪の記憶は
日々消え行く。
ブロンドとベージュの地は
雪の代わりに再び現れる。
活発な鋤は
もう(聞け!)仕事をしている。
人は思い出す、緑は
好きな色。
人はやがて柔らかい格子細工を
小丘の上に一列に並べる。
葡萄の木に手を差し出せ、
木はお前達を知り、身を捧げる。
noteを始めて5年。外国語も母語も育ちました。久しぶりにリルケの仏詩を読んだら感動しました。
言語学等も楽しいですが、やはり文学で育ってしまったようで、こちらの感動の方が激しい。
冬から春の詩。もうすぐですね。雪の白から地の緑という色。ブロンドとベージュの地の色と、農業の活発な鋤の音を目を閉じてイメージしました。葡萄畑と人の関り。感覚を刺激する良い自然の詩です。
出典:Rainer Maria Rilke, Werke, Kommentierte Ausgabe in vier Bänden, Supplementband, Insel Verlag, 2003, S.182f., 617.
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