自作ドイツ語ソネット Vögel 鳥 付日本語訳、最終連の短歌 夕暮れに雛を守り上げ鳥帰る明日の者吾を揺り起し満つ

20220615

1年3か月ぶりに修正したらぐっと良くなりました。外国語作文は毎日コツコツ日進月歩で、好きなジャンルだと特に、毎日充実感を味わいます。


夕暮れに雛を守り上げ鳥帰る明日の者吾を揺り起し満つ


口語訳
夕暮れに鳥が雛を育て上げ、帰巣する。来るべき者が私を揺り起こし、満ちる。


Vögel

Am Frühlingsmorgen, froh in Fried,
So zwitschern Vögel: "Ruh schon fest!"
Aus ganzem Walde sprießt das Lied,
Baut in mir angenemes Nest.

Ich schlafe nun am hellen Tage;
Wie spricht die weise Welt mit ihnen?
Der Auftrag ist wie sanfte Liebe.

Solang ich, ganz unwissend, schlaf',
So kommen sie in mich, ein Schaf,
Und füttern ihre leeren Jungen
Und spielen lustig ungezwungen?

Sie, Diplomaten ohne Klage,
Die uns sehr nett und ernsthaft dienen,
Verhandeln Herzen uns zuliebe.

Tanka
Aus'm Abendrote,
Wo Junge ausgepflegt sind,
Heimkehren Vögel;
Das kommende wiegt mich sanft,
Weckt auf - nun reif geworden.


春の朝、安らぎに朗らかな鳥が、
もう寝なさい、とさえずる。
その歌はあまねく森から萌え、
僕の内に快い巣を作る。

僕はもう明るい昼間に眠るが、
賢い世界はどのように彼らと話すのだろう?
この委託は柔らかい愛のようだ。

僕の知らぬ間に、
僕、羊の内に入り、
空っぽの雛に餌をやり、
楽しく自由に睦むのだろうか?

彼ら、不平も漏らさず、
とても親切に真面目に僕達に尽くす外交官は、
僕達のために心の交渉をする。

夕暮れに雛を守り上げ鳥帰る明日の者吾を揺り起し満つ
ゆふぐれにひなをもりあげとりかへるあすのものあをゆりおこしみつ



初稿は8年前です。詩誌に載せました。その間、かなり作者と作品が変わりました。
ソネットはルネサンスのイタリア発祥で、ヨーロッパの代表的な詩型です。4行の連×2+3行の連×2の14行詩です。今回はそれに5行の連を加え、短歌にしました。
弱強アクセントのJambusが4個。
脚韻はソネットababcdeffggcde+Tanka?????。
主張は、ihre leeren Jungen (空っぽの雛)→Ich erfüllt (僕は満足です)という、子供や詩人の空虚から満足への成長。
リルケのDuineser Elegienの一文ずつの暗唱を終えた勢いで、36時間起きて書き上げました。こんなに長時間、元気に起きていたのは初めてです。好きなことだと平気なんですね。プロの学者の仕事もきっとそうなのでしょう。
ドイツ語作文の勉強の意欲が飛躍的に高まりました。これからも頑張ります。

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