#読書感想文 「番外編」
今回は、「私の好きな漫画」を紹介するということで、「番外編」です。
子どもから大人まで、ハマれば世代関係なく楽しく読めると思いますし、結構いろいろ考えさせられる良書です。
作者は「鋼の錬金術師」でも有名な「荒川弘」さん。すでに完結しており全15巻となっております。
個人的には、これから社会に進出される方や、「ヒトの絆」といったモノが好きな方は必見だと思います。
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この本の内容を、ものすごーく簡単に説明すると、「農業高校の話」です(笑)。
現実社会では、農業分野は目覚ましい進歩を続けています。国の支援だけでなく、企業や学術研究、IoTなども導入されており、いわゆる「3K」の仕事から、少しづつ「スマートな農業」へとシフトしています。
私たちの「食」を支えるという大変な仕事ですから、農業関係者の方々の努力には、平身低頭です。
余談ですが、私は農業従事者の方とご縁があり、幼少期から田植えや収穫のお手伝いをさせていただいたことがあるのですが、当時はガチの肉体労働しかなく、作業をされていた方々に畏敬の念を抱いたものです。
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この本では、農業とは全く無縁の主人公が、新たな環境で得た仲間との日々で成長していくのですが、家畜などの生き物を扱う「酪農科」という学科に属しているので、「家畜という生き物の不条理な末路」に触れ、苦悩します。
進学校という「勝ち負けの世界」に身を置いていた主人公は、「生産性」という数値が低いだけで「処分」されていく生き物たちに、自分を投影します。(主人公は競争社会から逃げてきた過去がある。)
「一度の失敗で、その後の将来が否定されるなら、俺は生産動物以下なのか!」(といった要所要所のセリフがカッコいいんです。)
ある時、家が離農し、借金返済のために、一人のクラスメイトが退学という選択をします。彼は大きな夢を抱いていました。
そういった「努力は報われない」という事実に、主人公は立ち向かいます。(とは言っても、主人公も高校生なので、借金返済に奔走する話にはなりません。)
「人の努力を否定しない。俺は、そんな人間になる。」
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基本的には、コメディ要素が多いので、楽しく読めるのですが、たまに上記のように、「社会の厳しさ」が立ち塞がります。
そのたびに、主人公は、友人たちと悩み苦しみながらも、懸命に答えを求めて前に進みます。その過程が、私は堪らなく好きですね。
皆さんも経験があるかもしれませんが、努力というのは、必ずしも報われるものではありません。
ですが、その過程で得たモノは、貴重な財産になるはずです。
この本は、過程を肯定して、背中を押してくれる漫画だと思います。
進む道を決めかねている方、壁にぶつかっている方、挫折を味わった方など、ちょっと一人で立ち上がれない時に読んでみてはいかがでしょうか?
ということで、今回の投稿は以上です。
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