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鎌倉の雰囲気が好き 小説『ツバキ文具店』
本屋大賞は大賞作品だけでなく、候補作もとても面白いです。
読みやすい本が多く、映像化されていることも多いです。
本作は2017年本屋大賞4位になった作品です。
派手なストーリーがあるわけではないですが、ゆっくり穏やかな気持ちになれる作品です。鎌倉の街並みがイメージできる素敵な作品です。
あらすじ
鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。
道具や筆跡にこだわる描写が好き
主人公・鳩子は手紙の代筆業を営んでいます。
そこへ手紙の依頼がくると、依頼者からどんな内容を書くかヒアリングして、手紙をしたためます。
手紙の文面が決まると、どんな筆を使うか、どんな紙を使うか、どんな文字フォントにするか考えます。依頼内容によって、道具を使い分けるシーンがあります。
手紙という「手作り」のよさがつまったシーンです。
紙の触り心地や切手まで、こだわりをみせて、自分の知らない知識に出合いました。
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文面だけでなく、文字のフォントや書きっぷりにも情報がつまっているようです。怒った文面以外にも、怒っていたことや強い決意を表現できるようです。
また、言葉遣いも注目です。
手紙で使う言葉はあまりたくさん知らなかったのですが、
本書で言葉の使い方も、用語も知ることができました。
新しいことを知るのは楽しいですね。
鎌倉の情景が好き
本書の舞台は鎌倉です。
鎌倉の雰囲気が作品全体の雰囲気とあっていていました。
落ち着いた街の雰囲気が穏やかな人間関係をつくっているようです。
主人公の思い出となんとなくの散歩が重なって、主人公の師匠との関係も見所です。手紙は残ること、見返すことができることも魅力です。
手作り感がつくる「思い」が光った作品でした。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。