介護の労働実態と離職の原因
ごあいさつ
(株)クルージズ・テクノロジーズ 代表取締役の牟田健登(むたけんと)と申します。弊社は人や企業の「ありたい姿」を実現する会社です。
(株)クルージズ・テクノロジーズの社名の由来
クルージズとは「航海」という意味の"CRUISE"に複数形の"S"をつけけて、"CruiseS"(クルージズ)です。何の航海かというと、人の夢やありたい姿(自己実現)というゴールまでの航海のことです。それを、テクノロジーの力を使って再現性あり、簡便な方法で支援する、ということです。この社名がクルージズ・テクノロジーズ社のミッションや事業全てを表していると考えています。
クルージズの事業
自己実現とは、ありたい姿、つまり「ビジョン」です。当社が提供する「クルージズ」は、そのビジョンの実現のための仕組みを直接のコンサルティングと、テクノロジーの力(クラウドサービス)を通じて支援しております。
弊社は千葉県館山市に本社があり、代表もそこに居住しておりますが、クライアント様は全国で、特に、30名規模くらいの企業様が多いです。
さて、自己紹介はここまでにしておき、本題に入ります。
医療介護業界の現場
最近、医療介護業界の方にインタビューさせてもらっています。
スタッフのやりがいづくり、成長、離職防止、そしてその法人のビジョンや理念の実現のためには・・・?と。
そこで、当然と言えば当然なのですが、医療介護業界の方、(あと飲食などのサービス業も同様かな)目の前のお仕事でバタバタというのが日常、という事実を改めて実感いたしました。
実際に介護の現場の皆様と働いたことなんかもございますし、以前に入院したときに病院内で暇そうにしている人なんて当然いませんでした。
令和2年度 介護労働実態調査結果
ですが、れを言い訳に、スタッフ1人ひとりとの面談や指導、アドバイスなどの時間を取っていない組織は離職率が高くなります。
ここで、令和2年度の介護労働実態調査結果からいくつか具体的な結果をお伝えいたます。
前職をやめた理由
まずは、「退職理由」。まずはそのまま引用します。
「結婚・妊娠・出産・育児」はライフイベントで、大切にしないといけないものなので、一旦省くとして、次の2つが問題です。
「職場の人間関係に問題があったため」と「自分の将来の見込みが立たなかった ため」が退職理由の大きな2つとなっています。
人間関係と将来への見込み。。。よくわかります。
同じ介護職同士だけでなく、医療職や外部の業者スタッフ、利用者さんとそのご家族など、さまざまな人との関係が大切です。
もっとも重要なのは、「上司」そして「チーム」の皆さんとの人間関係でしょう。
そこでこんな調査結果もあります。
指導担当者の有無
指導担当者の有無、上司や指導担当者等のアドバイスの状況という調査です。下記の通り、指導担当者が「いなかった」という回答が44.8%と、半数近く回答しています。入社しても半分近い割合で、上司や指導担当者が居なかった、ということです。これでは不安ですよね。
ちなみに、法人格別でいうと、民間企業や社福、地方自治体がトップ3でいない、という回答が多かったようです。
また、職種別ですと、看護やケアマネージャー職が最も指導担当者がいない、ようです。
皆様においては、入社後のサポート体制は整っていますでしょうか?さらに、こんなデータもあります。
さらに、それぞれの表の右側には、指導状況についてのデータも掲載されています。「指導をあまりしてくれなかった」という回答が全体の13.8%。「全くしてくれなかった」という回答が全体の5%。合わせると18.8%が「指導してくれていない」となります。5~6人に1人くらいの割合で「しっかり指導してもらえていない」と感じているようです。
この数字、非常に大きいと感じませんか?
このままでは離職は中々なくなりません。。。
改善のために…
こういった離職の原因は解決していかなくてはなりません。その解決策はやはり「人間関係」というところから、でしょう。まずは「職員1人ひとりと管理職もしくは経営者層とのコミュニケーションの時間の確保」です。
この時間、つまり上記のような「上司や指導担当者等」の存在をしっかり作る事。そして、1人ひとりとへのアドバイス、いや、シンプルなコミュニケーションの時間をつくることからだと考えます。
この記事の最初のほうでもお伝えしましたが、確かに、目の前の業務で非常にご多忙な毎日だと思います。スタッフ1人ひとりとのコミュニケーションの時間・面談の時間をとることって非常に大変だと思います。
ただ、スタッフが「離職」、となると、それ以上に、余計な面談や業務に時間が取られてしまいます。まずは1~3か月に1人30分からでも始めてみるということの優先度を上げるだけで将来発生してしまう無駄な時間をなくすことが出来るだけでなく、さらに1人ひとりの成長や安心、将来への希望にも繋がることとなり、その30分が実は非常に生産性が高くなるのではないでしょうか。
弊社クライアント様からの言葉
弊社のクライアント様である千葉県の介護事業所の人事部長の方からはこのように仰っていただけました。
こちらの事業所でももちろん、最初はこのような時間を確保することには非常にご苦労されたようです。
ですが、職員様との面談を始めて、確実にメリットを感じていらっしゃるようです。
さらに、最後にこちらの方から、こんな言葉もいただけました。
「昔の、私もそうでした」という言葉がとても背中を押してくれる言葉だと思います。
最後に
スタッフを大切になさること、そうすることで、利用者様・患者様そしてそのご家族様の幸せや満足度にも繋がると私は考えます。もちろん、そのスタッフ様のご家族なんかの幸せにも繋がるはずです。
ぜひ、「出来ていなかったなあ」と感じられたり、「まだまだ足りないなあ」などと感じていらしたりされる方は、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。