健太(梨農家)

梨とか作ってます

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最近の記事

日本の知見は売られるのか/種苗法改正

チャンネル桜 「種苗法改正と日本の農業の未来」 を視聴しました。 感想として思うことは多々ありましたが、多くは今までの記事(1 種苗法改正反対派の方の意見を読んで  2 種苗法改正/問題の本質 )にて書きましたので、今回は主要作物種子法(以下、種子法)廃止、種子条例について取り上げます。 多くの反対派の方と同じく、この番組においても種子法廃止、農業競争力強化支援法、種苗法改正の流れで「多国籍アグロバイオ企業」に都道府県などの公的知見が流出してしまうのでは、との懸念を示され

    • 立憲民主党 亀井議員の「種苗法の概要」の問題点

      まず初めに申し上げます。これは亀井議員、並びに立憲民主党への批判です。決して反対派全体への批判ではありません。多くの反対派の方も、方法は違えど日本の農業を護りたい気持ちは同じです。ただ単に『種はだれのものか』という根源的な問題に相違があるだけです。 先日、立憲民主党所属の亀井議員が種苗法の概要につき、動画を発表されました。固定種、F1種の理解など最初から疑問に思う点ばかりでしたが、私には決して見逃せない点が2つありました。 ※追記 現在、亀井議員のyoutube動画は編集

      • 種苗法改正/問題の本質

        種苗法改正法案の提出は見送られたようですが、以前の記事にいくつか追加訂正すべき個所が見つかったのでまた記事を書きました。今回も文章だけで読みにくいかもしれませんが、最後までお読みいただければ幸いです。 まず訂正です。 前の記事で「個人育成者や中小企業育成者の海外での種苗登録へのアクセスを容易にする施策を求める」と書きましたが、今でも制度はあるようです。 https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_001040.html 次に前の記事でもさ

        • 種苗法改正反対派の方の意見を読んで

          反対される方の論点のまとめを拝見しました。https://shift-pn.com/2020/05/17/種苗法改正・賛成派の意見を考察し、見解を述べ/ 図解など使ってわかりやすく説明されていましたが、私にはそのような技術がないので、文章のみです。私が梨農家である為、例が果樹、特に梨となることお許しください。 まず前提に「一般品種と登録品種の境界が曖昧である」との問題があるようです。 しかしそもそも一般品種を簡単に登録できるのであれば、種苗登録と言う制度自体が成り立たな

          梨農家にとっての種苗法改正

          今日、倉庫を片付けているとこんなものを見つけました。 昨年購入した梨の苗木についていたタグです。農研機構は国の機関で、そこが育成者権を持つ甘太(かんた)という品種です。左のPVPのマークはPlant Variety Protectionの略で、登録品種ですよ、という目印だそうです。今は業界団体独自のものだそうですが、種苗法が改正されたら登録品種には何らかの形でこのような表示がされるのでしょう。ちなみに苗木の価格は私が頼んだ苗木屋さんでは一本3000円。一般品種の幸水が130

          梨農家にとっての種苗法改正

          種苗法改正

          果樹農家ですが接木が下手なこともあり、従来から登録品種は苗木屋さんから買っていたので改正されたからといって困りません。野菜、米は専門外で分からないのですが、果物に限って言えば日本の農家の実力を侮り過ぎです。 水代わりに食べる南国や、砂糖を加えて加工する欧州とは違い、日本では水菓子の名が示す通り、干し柿など例外はありますが生で食べて美味しいことが前提です。 甘い物が溢れる現代において果物もより高糖度が求められるようになりました。また日本では果物には贈答品としての側面もあり見