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#年収の壁

年金周りでの後悔先に立たずの人生選択

年金周りでの後悔先に立たずの人生選択

勿凝学問430
 公的年金に関することで選択ミスをすると、取り返しの付かない話になるために、結構辛い人生になる。たとえば、早い年齢からの繰上げ受給を選択して、長生きしてしまった場合は、後悔先に立たず、という残念な思いをすることは想像できる。

後悔するカマキリ君
 先日、あるところで年金の話をしてきた(依頼は「長期給付の課題と展望」、つまりは公的年金)。後日、事務局の窓口となっていた人から、次の連

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指定労働時間と、年収の見えない「壁」

指定労働時間と、年収の見えない「壁」


勿凝学問429賃金と指定労働時間のセットで提示される就労条件次は、1981年に大学に入学した年の「経済学」の授業で使われていた教科書、西川俊作先生著の『経済学』の一文である。

今の時代、ほとんどの場合、この文章にある「雇われ労働」である。雇われの身の雇用者は雇う側の雇用主によって提示される「賃金と指定労働時間のセット」の就業条件を受諾するか否かを決定する。普通に見られる、当たり前の光景である。

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レントシーキング社会における低い生産性

レントシーキング社会における低い生産性


勿凝学問425 「年金財政における経済前提に関する専門委員会」というのが、社会保障審議会年金部会の下にある。5年に一度の公的年金の財政検証という投影(プロジェクション)を行う際の経済前提を議論する会議である。
第4回専門委員会(2023年6月30日)では、法政大学の山田久先生が招かれ、「スウェーデンの賃金・雇用システムとわが国への含意」を話された。

山田先生の資料

 山田先生の話の核は、「産

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就業調整で失っているものは何か

就業調整で失っているものは何か


勿凝学問424昨日(2023年7月25日)の記事の紹介
2023年7月25日、次がアップされたので、noteでも紹介しておきます。
【一筆多論】年収の壁と厚生年金ハーフ 佐藤好美 - 産経ニュース (sankei.com)

「いくら何でも、無防備過ぎるのではないか。」――いいですね。そして、厚生年金ハーフの説明として次もよし。

そう。厚生年金ハーフは、「手取り減が生じる人たち」しか対象にして

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「厚生年金ハーフ」という話

「厚生年金ハーフ」という話


勿凝学問414いわゆる、年収の壁との関係で、厚生年金ハーフという言葉を、ちらほら目にするようになってきた。
・(有料記事)「年収の壁に対応する「厚生年金ハーフ案」が浮上――「厚生年金フル」との選択制で就業調整を回避」藤森克彦氏『東洋経済オンライン』2023年5月24日
・「いわゆる「年収の壁」問題は「手取りの段差」を埋めるだけで解決するのか?」マネーリテラシ-総研『note』2023年4月2日

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