【ケトジェニックダイエット】って何?をパーソナルトレーナーが語ります
こんにちは。パーソナルトレーナーの助政桂多です。
ここまでの記事で生理学と栄養学をそれぞれ2回に分けて、お伝えしてきました。
ここからはいよいよその知識をフル活用して、健康的に痩せるダイエット方法をご紹介致します。
皆さんはいくつぐらいダイエット方法を知っていますでしょうか?
以下はたくさんある方法の中の一部です。
・ケトジェニックダイエット
・アトキンスダイエット
・ファスティングダイエット
・レコーディングダイエット
・置き換えダイエット
・糖質制限ダイエット
・脂質制限ダイエット etc.......
その他、グルテンフリーダイエット、黒酢ダイエット、酵素ダイエット.......
上げればきりがない程、多くのダイエット方法があります。
しかし、これらのダイエット方法の殆どが、科学的根拠もなく有用性もはっきり分かっていないのが現状です。
調べれば調べるほど、何が正しくて、何が自分にあっているのか、混乱してしまいますよね。でもご安心下さい。
これから説明致しますケトジェニックダイエットの食事法は、科学的に認められている様々な良い効果があり、しっかりと知識を持ったトレーナーの食事管理の下行えば、安全にかつ効果的に痩せることが可能です。
では、ケトジェニックダイエットを行うとなぜ痩せるのか?具体的には何を食べればいいの? などなど。
気にはなってたけど、やり方が分からない。
そんな方に向けて、今回はケトジェニックダイエットについてまとめてみました。
1,ケトジェニックダイエットとは
1920年代に癲癇(てんかん)の療法として研究が進められてきた食事法で、近年ではさらに医学的にもそのその効果が認められ、「ケトジェニックダイエット(通称ケトダイエット)」として知られるようになりました。
仕組みはこうです。人間のガソリンでもある糖質を控えて、糖質の代わりに脂肪をエネルギー源に変えることで、脂肪の燃焼が促され痩せることができます。
つまり、第三のエネルギー回路を活性化させ、エネルギー源として脂肪に含まれるケトンを使用するのです。ケトン自体は、少し絶食をしたり激しい運動したりすると血中濃度が上がりますが、この状態(※ケトーシス)を常に作り出すというわけです。
※ケトーシスとは
糖質の代わりに脂肪から合成されたケトン体が代替えエネルギーとして供給されている状態のこと。
ケトジェニックダイエットは「何をどのくらいの比率で食べると、ケトン体がどのくらい増えるのか」が重要になります。
糖質を控えることに抵抗感や、不安を感じる方が非常に多くいらっしゃいます。おそらく、糖質が足りず低血糖状態になってしまうのではないか、糖質の代わりに脂質を多く取って逆に太ってしまったり、体に害があるのではないか、このあたりを疑問視されるのではないかと思います。
ケトジェニックダイエットの食事法を勉強して理解し、実践するまでは、私自身も皆さんと同じ疑問や不安が大きくありました。
ですので、ぜひこの記事を一読して頂き、少しでも不安を解消してケトジェニックダイエットを実践して頂けたらと思います。
2,ケトジェニックダイエットのポイント
ここではケトジェニック食事法のポイントをお伝えします。
大きくわけて5つのポイントがありますので、詳しく見ていきましょう。
①糖質コントロール
ケトジェニック食事法の1番の特徴であります、糖質のコントロールが重要です。この食事法を始めると筋肉量が多く、早い方で3日目あたりから、筋肉量が少なく、遅い方で7日目あたりから1~2㎏程体重が落ちます。
これは肝臓や骨格筋に貯蔵されていたグリコーゲンがなくなったことで、この現象が起きます。グリコーゲンは糖質:水が1:3の割合で貯蔵されています。
肝臓には約100g、骨格筋には約300gのグリコーゲンが貯蔵されており、それぞれグリコーゲン1gに対して3gの水分が含まれます。
つまり肝臓には300g、骨格筋には900gの水分が含まれるので、先ほどのグリコーゲンと合わせて合計で1,600gの体重減少が起こるのです。
ケトジェニックを始めることで、グリコーゲンを構成する糖が少なくなって、水分も一緒に少なくなります。このことによって、7日目あたりから1~2㎏体重が落ちていくのです。
この7日間以降に、体脂肪が減少していきます。(ケトーシス状態)
具体的にどのくらいの糖質を控えるかといいますと、1日の摂取量は
約60gが目安で、1食20g以下が目標です。
主食の糖質量の目安が
白米約150g(お茶碗1杯)➡50g
コンビニのおにぎり1個➡35g
パン1枚60g(1食分)➡45g
スパゲッティ約240g(1食分)➡75g etc...
こうして見るとほとんど主食は食べれないことが理解できると思います。
また、こちらはの数値はあくまで目安であり、体の大きさや筋肉量によってはこれ以上に糖質を控える必要がある方もいます。
どちらにせよ、いかに糖質を控えることができるかが鍵となります。
最後にNG食材とOK食材を参考までに記載します。
NG食材
炭水化物、果物、砂糖、砂糖の入った飲料水、ジュース、野菜の根菜類、でんぷん質の多い野菜 etc...
OK食材
肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品、でんぷん質の少ない野菜、海藻類、きのこ類 etc...
②タンパク質の摂取
タンパク質は栄養学の記事でも詳しく触れましたが、人間にとって非常に重要な栄養素ですので、少しだけおさらいしましょう。まだの方はぜひ読んでみて下さい。
なぜ、タンパク質を摂る必要があるのかですが
体の組織を構成する
酵素やホルモンの材料になる
代謝を上げる
ここでは一つ一つ詳しく触れませんが、どれだけ重要な要素であるか再確認して頂けたと思います。
ケトジェニックダイエット中は糖質を控えるため、筋肉が分解されやすい状態となります。
その他にも体の組織を構成するのに欠かせない栄養素と成りますので、しっかりとタンパク質を摂りましょう。
続いて1日の目標摂取量についてです。こちらは体重の重さにより変動があります。計算方法はこちらです。
1日のたんぱく質摂取量=体重(kg)×1〜2g
例えば60kgの体重であれば1日
60(kg)×1〜2(g)=60g〜120gと計算します。
男女でも摂取量は変わりまして、男性の場合は上記の通り、女性の場合は×g量を1〜1.5gで計算します。
どちらの場合も最低限の目安ですので、足りないよりも多めに摂取するぐらいがいいでしょう。
タンパク質を多く含む食材は
肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品 etc...
タンパク質量の目安が
肉・魚100gあたり➡20〜30g
卵1個あたり➡6〜10g
納豆1パックあたり➡8g
豆腐100gあたり➡4〜7g
牛乳100mlあたり➡3g
特に意識して摂取しないと不足してしまうのもこのタンパク質の特徴です。
筋肉、血管、骨などを作ったり、脂肪燃焼や疲労回復までサポートしてくれるこの大切な栄養素を、ケトジェニック中はさらに積極的に食べましょう。
男性は逞しい肉体を、女性は美しいボディラインを手に入れて、いざかっこいい体を目指しましょう。
③良質な脂質の摂取
良質な脂質は栄養学の記事でも詳しく触れましたが、タンパク質と同様に非常に重要な栄養素ですので、少しだけおさらいしましょう。まだの方はぜひ読んでみて下さい。
なぜ、良質な脂質を摂る必要があるのかですが
第2のエネルギー源である
脂溶性ビタミンの吸収促進
体温の保持
便秘改善
デトックスによるアンチエイジング
美肌効果
生活習慣病予防 etc...
ここでは一つ一つ詳しく触れませんが、どれだけ重要な要素であるか再確認して頂けたと思います。
悪者扱いされがちな脂質ですが、良い油と悪い油がありますので
良い油を積極的に摂取することで、上記のような効果の恩恵を受けることが出来ます。
続いて1日の目標摂取量についてです。
1日の摂取カロリーの約60%(※おおよその値)
※詳しくはこのページ下記に記載しています。
良質な代表的な油は
オメガ3脂肪酸➡αリノレン酸、DHA、EPA、えごま油、あまに油
中鎖脂肪酸➡ココナッツオイル、MCTオイル
オメガ9脂肪酸➡オリーブオイル、、米油、アボカド、アーモンド
これらの脂質は別々で食材に含まれているというわけではなく、日々口にする食品の中にミックスされた状態で存在してます。
大切なことは良質な油を含む食材は何かという知識を持ち、それらの食材を満遍なく口にする機会を意識的に増やしていくことです。
④食物繊維の摂取
食物繊維も栄養学の記事で詳しく触れましたね。炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。また、3大栄養素でありながらエネルギーになりづらく、吸収できない糖質の塊と言われています。
とはいえ、健康のためには重要な役割を果たしており、第6の栄養素ともいわれ注目されています。
食物繊維の摂取による効果は以下のものです。
糖質の吸収を緩やかにし血糖値の上昇を抑制する
脂質の吸収を妨げる
便のかさ増しをする
腸の蠕動運動を促す
続いて1日の目標摂取量についてです。
1日約20gで両手一杯分の野菜と覚えましょう
食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化によって便秘になりやすくなります。食物繊維は低カロリーで肥満の予防にもなるので、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果があります。
食物繊維を多く含む食材は
野菜類、穀類、豆類、きのこ類、海藻、いも及びでん粉類
ケトジェニック中は炭水化物を控えるため、食物繊維は不足しがちになります。3食毎の食事に上記の食材を追加して、不足しないようにしましょう。
⑤ビタミン・ミネラルの摂取
ビタミン・ミネラルも栄養学の記事で詳しく触れておりますので、今一度ご一読お願い致します。
ビタミンは体をつくる材料やエネルギーそのものにはなりませんが、3大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)がエネルギーに変わるとき、筋肉や骨、皮膚に変わるときに潤滑油として手助けをします。
ミネラルは、体の構成成分になったり、機能を調節したりする健康維持、体調管理には欠かせない栄養素です。
また、ケトジェニックダイエット中は、トレーニングを同時並行で行うため、通常時よりも多くのエネルギーを必要とします。つまり、エネルギーを供給し続けるために、ビタミン、ミネラルをより多く補給しなければないということです。
ビタミン・ミネラルが不足しがちな人は
牛肉、豚肉、鶏肉、魚、大豆製品をバランス良く摂取する
間食でナッツ類や乳製品を摂る
海藻類を積極的に摂る
サプリメントを活用する
発酵食品を摂取する(納豆、ぬか漬け、キムチ、チーズ、味噌汁 etc...)
ビタミンとミネラルはほとんど体内で合成できないので、毎日の食事からコンスタントに摂取することが大切です。
思うように摂れない場合はサプリメントで補うのも1つの方法ですが、ビタミンAなど一部の脂溶性ビタミンやミネラルは、摂り過ぎるとかえって健康を損ねてしまうことがあるので注意しましょう。
また、ビタミン、ミネラルをいくら多く摂っても、肝心の3大栄養素をきちんと摂らなければ無駄になってしまいます。栄養はあくまでもバランスよく、過不足なく摂ることを心がけてください。
3,基礎代謝とは
基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことを言います。私たちが1日に消費するエネルギーのうち、約60%を占めています。
基礎代謝は、ケトジェニックだけでなく、ダイエットをする上で大事な数値になっていきます。基礎代謝を使って、ダイエットの目標数値などを決定していくためです。
また、筋肉量を増やして脂肪量を減らすとこの数値は上げることができます。しかし、筋肉が占める割合は、全体の2〜3割程度ともいわれ、肝臓などの他の内臓等に比べ、エネルギー代謝量が少ないのも事実です。
ただし、筋肉を増やして運動量を上げることができるので、活動時のエネルギー消費量を増やすことができる大事な器官です。
上記の写真の基礎代謝基準値を使って基礎代謝量を計算します。ここででた基礎代謝量をもとに、1日に必要なエネルギー量や1日の目標摂取量など細かい数値まで計算して、食事の量を決定していきます。
ダイエットの基本は摂取エネルギー<消費エネルギーです。
アンダーカロリーにすることで、体重は減少していくので、糖質が制限されているからといって、たくさん食べ過ぎてしまうと、オーバーカロリーになり、体重が減少していかないのです。
翌日の体重・体組成系の数値の変化や、鏡を見たときの体型の微妙な変化を観察しながら、食事のボリュームやタイミング、食べ合わせなどを随時調整していき、ご自身にあったケトジェニック食を作り上げていきましょう。
4,PFCバランスとは
PFCバランスとは、摂取カロリーのうち三大栄養素の「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示した比率のことです。
このPFCバランスを整えることによって極端な栄養の偏りを防ぎ、栄養バランスを整えながら健康的にケトジェニックダイエットすることができるのです。
おさらいですが、各栄養素のカロリーを覚えていますでしょうか。
P=たんぱく質1gあたり➡4Kcal
F=脂質(脂肪)1gあたり➡9Kcal
C=炭水化物1gあたり➡4Kcal
通常の健康的に生活をして行く上で理想的なPFCバランスがこちら
全体の食事量を100%とすると
P=25%
F=15%
C=60%
このPFCバランスをご覧になって頂くと、通常時は炭水化物の量が50%以上占めていることが分かります。炭水化物がメインのエネルギー源になっているということですね。
しかし、ケトジェニックにおいては、糖質を控えて、脂質をエネルギーに変えなければなりません。そのため、たんぱく質、脂質を多くし、糖質を抑えていきます。そのため、数値は以下のように変更させます。
P=30%
F=60%
C=10%
脂質とタンパク質で全体の9割を占めており、糖質は必要最低限に抑えて、脂質をメインのエネルギー源としていることが分かります。
体から糖質が枯渇して、脂質からケトン体を作り出す状態にすることが、ケトジェニックダイエットを成功に導く鍵となります。
そしてこのPFCバランスこそがダイエットやバルクアップにとても重要なのです。
お食事を管理してカロリーは抑えられてるはずのに、なぜか体重が減らないと感じている方はこのPFCバランスを見直す必要があります。
5,ケトジェニックの実際の方法(計算の仕方など)
ケトジェニックでダイエットを実施するにあたり、1日にどれくらいのカロリーを摂取して良いのかについて述べていきます。1日に必要なエネルギー量(Kcal)を推定消費カロリーと呼びます。
推定消費カロリーを計算で算出するには
まずはご自身の※基礎代謝量と身体活動レベルを知る必要があります。
※体組成計の数値を活用しても問題ありません
推定消費カロリー=基礎代謝量×身体活動レベル
基礎代謝量は【3,基礎代謝とは】で説明しておりますので、身体活動レベルの求め方をお教えします。
身体活動レベルとは、日常生活の平均的な活動の強度を表したもので、その人が1日でどのくらいの活動をするのかを示した値です。
次の3つのレベルに分けることができます。
低い(1.5)➡生活の大部分が座位の場合
普通(1.75)➡座位中心だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
高い(2.0)➡移動や立位の多い仕事への従事者。あるいはスポーツなどの活発な運動習慣も持っている場合
ダイエット中トレーニングも並行して行なっている方が多いと思いますので、参考までに以下に判断基準を示しておきます。
①60分以上のウエイトトレーニングや10km以上のジョギングなどをほぼ毎日行なっている方であれば、高いレベルで計算します。
②それ以外の週2〜3のウエイトトレーニングや自宅でのトレーニング、2〜3kmほどのジョギング程度の強度であれば、普通レベルで計算します。
③歩くのが通勤や職場でちょっとした移動のみという場合は、低いレベルで計算しましょう。
ご自身の基礎代謝量や身体活動レベルが把握できましたら、先程の計算式で早速計算していきましょう。
今回は例として、Aさん30代男性、体重70Kg、職業は会社員、運動習慣なし、普段は通勤と職場内での移動のみ、という設定で計算してみます。
まずは基礎代謝量を計算します。
基礎代謝基準値を使います。22.3(Kcal)×70(Kg)=1,561Kcal
1,561kcalで身体活動レベル普通の1.75を掛けると
1日の推定消費カロリーは1,561(Kg)×1.75=2,731Kcal となります。
このカロリーを超える食事内容であれば
体重は増えていき(オーバーカロリー)、下回る食事内容であれば体重は減っていきます(アンダーカロリー)。
とてもわかり易いですよね。ケトジェニックダイエットでは、体重(体脂肪)の減少を目的としているので、2,731Kcalを下回るアンダーカロリーで1日の摂取カロリーを設定していきます。
脂肪1Kg落とすのに必要なカロリーは7,200Kcalが必要です。
ー200Kcal/日 なら36日
ー500Kcal/日 なら14.4日
ー1,000Kcal/日 なら7.2日で脂肪が1Kg減少します。
じっくり期間をかけて体脂肪を落としていく場合はー200Kcalでもいいでしょう。ある程度短期間で、インスリンの感受性が高まる体脂肪率まで体脂肪を落としていく場合は、ー500〜1000kcalを引いて設定するといいです。
ここで注意しなければいけないのが、基礎代謝量を下回るカロリー設定をしないことです。
なぜなら、生命維持に必要なカロリーが不足することで、体内の代謝機能が著しく低下し、体温・熱生産の低下が起こり、逆に痩せない体になってしまう恐れがあるからです。
この時筋肉も減少してしまうので、基礎代謝量も大幅に減少します。
これはホメオスターシス(生体恒常性機能)といって、餓死から逃れようとする防衛反応が働くためです。
それだけではなく、この機能が働いている状態で、通常の食事内容つまり1日の推定摂取イコールカロリーの食事やオーバーカロリーの食事に戻した瞬間、一気に栄養を取り込もうとして、インスリンが大量に放出され、脂肪として蓄えられてしまいます。
その食事内容を続けてしまえば、皆さんご存知のいわゆるリバウンドを起こしてしまいます。
ダイエット以前よりも体重や体脂肪が増えて、しかもさらに痩せづらい体質になるなど、いいことがありません。。。
ですので初期のケトジェニックダイエットでは、最低【基礎代謝+200〜300Kcal】を目標摂取カロリーとして推奨しています。
まずはこの設定数値を基準にして、日々の体組成計の数値を観察し、カロリーの増減を調整していくのが、ご自身にあったカロリーを決定するのには、1番の近道であると思います。
さて、話が飛んでしまいましたので、元に戻しましょうww
まず、Aさんの基礎代謝量が1,561Kcalです。
推定消費カロリー2,731Kcalからー500〜1,000Kcalを引きますと
1,731〜2,231Kcalとなり、【基礎代謝量+300Kcal】=1,861Kcal
で上記の数値の中に収まりますので、これを目標摂取カロリーとして設定します。
そして、今回はケトジェニックダイエットなので
PFCバランスを
P=体重×2(g)
➡70(Kg)×2(g)=140g 140(g)×4(Kcal)=560Kcal
F=目標設定Kcalー {560(Kcal)+240(Kcal)}➡1,861(Kcal)ー800(Kcal)=1,061(Kcal) 1,061(Kcal)÷9(Kcal)=117g
C=60g 60(g)×4(Kcal)=240Kcal
まとめますと
P=140g(560Kcal)
F=117g(1,061Kcal)
C=60g(240Kcal)
となります。
そして、【1.ケトジェニックダイエットのポイント】で紹介したポイント5つを意識して食事をしていきます。
以上が
ケトジェニックダイエットの実際の方法になります。
6,メリットとデメリット
冒頭でお話したとおり、ケトジェニック食事法は科学的に認められている、体脂肪燃焼効果が高いダイエットとされていますが、それ以外にもたくさんのメリットが存在しています。
ですが、逆にデメリットとなる点もいくつかありますので、包み隠さずお話していきます。
【メリット】
①脂肪燃焼効果
エネルギー源が糖から脂肪に変わることで、脂肪の燃焼が促されます。第3のケトン体回路を活性化させることによって、脂肪の燃焼を促すということです。
②むくみ予防
むくみは塩分の摂り過ぎだけでなく、糖質の過多やタンパク質の不足によってもなりやすいです。特に、糖質は1gあたり3gの水分を含み、蓄積するような働きがあります。
ですので体の中に糖質が多く蓄えられている人ほど、重くなりむくみやすくなります。
また、タンパク質には水分を調整する、アルブミンというタンパク質が存在します。それが不足することで、なかなか水分の排出が上手く行かずにむくむ現象が起こります。
③アンチエイジング効果
タンパク質摂取量の増加によるものや、脂質の質の変化によるアンチエイジング効果があります。
酸化した油(悪い油)を摂らないことや、良い油を摂り脳の活性化になりかつ脳のアンチエイジング効果にも繋がります。
④免疫力のアップ
糖を控えることにより血糖値が安定しやすくなります。そうすると免疫を担うホルモンである、コルチゾールやアドレナリンなどが本来の役割に徹することができるので、免疫力が上がります。
また、風邪を引いた時に、無理にお粥などの食事をしようとする方がいらっしゃいますが、実はそういったとき一時的に断食してあげると、自己免疫力が高まりやすくなります。
無理やり栄養を摂取するのではなく、体がデトックスしようとしているので、それを邪魔させないように、水分のみにするほうが免疫力は高まるということです。
⑤短期的なウエイトコントロール
糖質を枯渇させることで、水分が抜けるので体重の減少が初期の段階で起こります。その後に、徐々に脂肪が燃焼されていくフェーズに移行していきます。
数カ月後や数週間後にボディメイクの大会に出場する予定の人や、結婚式などの行事があり、その瞬間だけ絞りたいという人が、ケトジェニックを行うこともあります。
⑥糖化(老化)を防ぐ
糖化現象とは糖を摂り過ぎることで、体の中のタンパク質に結合して、タンパク質の機能を鈍らせてしまいます。これが続くと、AGEsという老化物質が体の中に溜まっていき、脳や体を老化させたりします。
特に分かりやすく現れるのがお肌です。シワやシミができやすくなります。ですので糖化は防いでいきたいですね。
⑦脳の活性化
糖を控えることで脳が働くなくなってしまうのではないか、そう心配される方が多くいます。私もその中の1人でした。もちろん、その考え方は間違っていません。
脳は1番初めにブドウ糖を栄養とするので、糖を摂取するのは効率が良いのですが、糖が枯渇したとしても脂肪からできるケトン体はブドウ糖と同じぐらい分子が小さく、同じような働きをするので、きちんと脳に栄養として行き渡ります。
ですので、脳が働かなくなるということはありませんし、むしろ脳が活性化して、情報伝達がスムーズになります。
⑧食後の眠気を抑える
GI値の高い糖質を過剰に摂取することで、血糖値が急上昇して、過剰なインスリン分泌が起きます。
すると平均よりも血糖値が下がる瞬間があり、一時的に機能性低血糖症になってしまいます。
その事により強い眠気が起こりやすくなります。ケトジェニックでは常に血糖値が安定しているため、食後の眠気が抑えられるのです。
⑨空腹感を抑える
血糖値が安定することで、急激に血糖値が下がることがなくなるので、強い空腹感やイライラが解消されます。
【デメリット】
①食べられるものに制限が多い
基本的に糖質を多く含むものが食べられないため、外食時の食事選びなどが大変です。特に主食である、お米やパン、お餅、うどん、パスタなどは基本食べれないので、初期の頃は苦労を感じやすいです。
②糖新生を起こしやすい
糖新生とは糖以外の物質(脂肪・乳酸・アミノ酸)から糖を作り出すことです。つまり、タンパク質を糖質に変換する反応のことです。
糖新生が行われ条件を満たした場合は、筋肉量の低下に繋がる恐れがあります。
③だるさやエネルギー不足を感じる
特にケトーシス状態への導入期は、一時的に低血糖状態となるためだるさを引き起こすことがあります。
また、トレーニング時には骨格筋にグリコーゲンがストックされていない状態なので、すぐにエネルギー切れの状態になり、パワーが出ないことがあります。
これは逆を言えば、エネルギー源が糖ではなく、脂肪に変わっている証でもあるため、脂肪燃焼効果からいえば、非常に優れているといえますね。
④口臭や体臭がキツくなる
脂肪が分解されエネルギー源となるときに生成される「ケトン体」がツーンとしたすっぱい独特のニオイを放つことがあります。
これを「ケトン臭」と呼びますが、誰にでも起こるものではなく、体質や体調により、なりやすい人、なりにくい人がいます。
他にもメリット、デメリットはあると思いますが、大部分は上記に記したものになるかと思います。
もちろん良いことばかりではないので、メリット、デメリットを理解した上で、かつ知識を持ったトレーナーの食事管理の下、ケトジェニックダイエットを行うか検討するのが大切ですね。
7,まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ケトジェニックダイエットのポイントや
方法について紹介してきました。
正しいやり方で行うことで、短期間で結果を出すことができる良いダイエット方法だと思います。
人によっては糖質制限が合わない方もいると思いますので、期間を決めて一度挑戦してみるといいかもしれません。
次回は「生理学と栄養学を駆使してケトジェニックを実際にやってみた」をお送り致しますので、ぜひともお楽しみにお待ちくださると嬉しいです!
今回も最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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助政桂多