不登校と中学受験(26)
お母様が自分の気持ちを誤魔化してはいけない
中学受験の中で思うことがもう一つあります。
それは何となく育てにくくて、ちょっと育てにくいな、発達の特性があるのかな?と疑問に思っていたのに、勉強ができるから、私立中学に行けば何とかなるかも、と中学受験をさせることです。
何となく他の兄弟と違うな・・・
落ち着きないな・・・
しゃべり出すのがちょっと遅かったけど・・・
一人で砂遊びしいてることが多かったな・・・
就学時検診では何も言われなかったけど・・・
じっと座っていないな・・・
すぐに癇癪をおこす・・・
大きな音やうるさいところ苦手やな・・・
肌ざわりの悪いもの着たがらないな・・・
こんなことがあり、お母様自身が、ちょっと育てにくいな、と思っているのに、そこを考えず、学力や成績だけで志望校を決め、中学受験をさせてしまう方が多く、結局、不登校になり、中学を退学して公立中学にもいけずに、ひきこもってしまうことがあるのです。
実は、お母様は気がついていたのだけれど、お父様が「勉強さえできたら他のことは何とかなる」と、お母様がもう少し考えてから受験するかどうかも考えようと言っても、お父様に押し切られてしまうこともあるかもしれません。
小学校に入って、学校の先生からもちょっとこだわり強いですね、とか、あまり友達が怒っていても気にせず嫌がることしてしまう時があります、とか言われたり、お母様も育てにくいと感じたりしているときは、まずは、発達障がいや発達のことを専門にしている精神科医、小児科医、カウンセラーや民間機関にご相談いただくことをお勧めします。
発達障がいではなくても、少し特性があり、苦手なこと、得意なことがはっきりしていることも多いので、その特性にあわせて、まずは勉強の前に、学ぶべきスキル、生きる知恵を身につけてもらうことが必要だからです。
少なくとも学習と同時に、身につけるべきスキルは学んで欲しいと思うのです。
それも中学受験をする前にです。
なぜなら、私立中学のほとんどは、発達特性のある子ども達への対応はしない、できないことが多いからです。
このことは、以前にもお話しました。
最近、私立中学で不登校になり、結局、退学して、公立中学に転校した後も不登校のままで、フリースクールに相談に来られる方が増えています。
今も、数人が公立中学に転校後、通って来てくれています。
私立中学を受験されるのであれば、その前に身につけることを身につけ、少しでも対応をしてくれる可能性の高い中学を探して受験することです。
関西では、圧倒的に公立中学の方が発達特性のある子ども達には対応をしてくれます。
学力があれば何とかなるということは、ないのです。
ここでも、ご家族の覚悟が試されます。
国立大学や関関同立大学を卒業しても、就職できない、働けない発達特性のある若者が増えていることを、知っていただきたいのです。
お子さんが元気に生き生きと自分らしく生きていけるために、今、受験前にどうするかを、真剣にお考えいただきたいと思います。
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