発達障がいの子どもの不登校(11)
関わる大人の責任
発達障がいの子どもの療育について、「無理しなくていいよ」という風潮があることに対して、ここ数回、本当にそれでいいのか?ということをお話してきました。
特に思春期の子ども達を中心にお話してきたのですが、実は、もう小学生でも、そんな簡単にいかないということが、この1週間にご相談をいただいたケースでした。
一人は小学校低学年。男の子。発達障がいの診断を受けています。
自分の強いこだわりから、以前に学校の友達とうまくいかず、周りの友達を怒らせてしまって、いろいろきつい言葉を投げかけられてしまったことがありました。
そのことがきっかけで、登校しぶりがあり、だんだん学校に行きたがらなくなっているとのことです。
今は少しずつ療育も受けているのですが、最近、急に友達に言われたことを思い出して、すごく辛くなってしまっているようです。
学校に行けても、教室から飛び出そうとしたり、机でガタガタと大きな音をさせたり、かなり、周りの子ども達も怖がっていたり、心配したりしている状態になっています。
学校でも、突然、そうなるために、担任の先生もかなり心配もし、対応にご苦労されているようでした。
もう一人は小学校高学年。男の子。
診断は受けていませんが、一緒に来てくれているご本人を見ていて、特性があると思いますし、ご家族もその点には異論がないようです。
発達検査を受けさせようとは思っていらっしゃるとのことでした。
この男の子は、すでに学校には行かなくなっているのですが、自分のやりたいように過ごせているので、ストレスなく生活をできています。
ただ、勉強しようという話になると、嫌がってしようとしません。
それも難しい勉強ではなく、漢字を書く、計算をするといった小学校2・3年生の内容です。
特に漢字を書くことを特別に苦手としているので、タブレット使ってでも、少しずつ覚えていこうということで、やっているようなのです。
しかし、書けないまでも読むことができるかというと、もう小学校3年生内容の漢字でも読めない、意味がわからないし、書くことはさらに難しいのです。
特性からそうなっていることもあるので、かなり、難しい判断ではあるのですが、漢字以外のことも一切したくない、プログラミングやゲームならするという毎日になっているとのことです。
1日に全く何も勉強しない日もあるので、それではいけないと、個別指導塾にも通っているようですが、その塾でも誰も彼に厳しいことを言わないために、自分の思うようにできなかったり、少し厳しく勉強するように言われたりすると、もうイラついて勉強するように言った大人に対して、文句を言う、無視をするという態度になっているとのことでした。
この小学生の2人の状態に対して、できることがたくさんあるのですが、まず、ご家族が相当な覚悟で、しかも、淡々とやらないといけないことをやらせることが必要になってきます。
もちろん、特性上、難しいものについては、内容・やり方は考えないといけないとは思います。
しかし、辛いから周りに迷惑をかけて自分を心配してもらう態度になっているのも、そもそも、なぜ、嫌なことを言われたのかを淡々と教えないといけないのです。
嫌だからしないし、やらそうとする大人に文句を言うというようなことに対して、最低限のことはやらないといけないし、それを偉そうに文句を言うことは違うし、そういうことを言ってはいけない、やってはいけないということを、淡々と教えることが必要なのです。
そうしなければ、いつも、自分のこだわりから周りとの問題を作り、認めてもらえなければ、いろんなことをやらかして、心配してもらい配慮というなの特別扱いを要求する大人になります。
嫌なことがあれば、とことん文句を言う大人になってしまうのです。
そんなをしていては、生きていけるはずはないのです。
大人が淡々と教えていても、いや、淡々とやるからこそ、子ども達には苦痛や痛みが伴います。
それは、子ども側からしたら、当然なのです。
自分は悪くないと思っていますし、嫌なことをやらされているのですから、やりたくないのにやらされるために痛みが伴います。
子どもが辛いとわかっていても、教えないといけないことは、心を鬼にしてでも教えていかなければいけないのです。
教える側にも痛みが伴います。
教えている方がずっと辛いのです。
子どもの痛みがわかるからなのです。
ご家族ならなおさら辛いのです。
それでも、淡々と教えないといけないのです。
それを、「かわいそうだから、無理しなくていい」と言ってやらせようとしない大人は、結局のところ、自分は痛みが伴ってまでやりたくないし、子ども達の将来がどうなろうと構わないと、子ども達の将来に何の責任も負わないということを宣言しているのだと、私は思っています。
子ども達が生きていけない、辛い状況になるということは、子ども達の命がかかっているのです。
その命を守らないと、関わる大人が宣言してしまって良いとは、私にはどうやっても思えないのです。
厳しいことを言うことがかわいそうなのではなく、できることを教えず責任逃れをして、何もしないことの方が、子ども達には、よほどかわいそうなことだと私は思うのです。
子ども達はご家族が亡くなっても、生きていかなければならないのです。
生きる知恵を、生きる力をつけてあげることが、関わる大人の最も重要な責任なのではないかと、私は強く思うのです。
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