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早朝の窓辺から~2編の詩を読みながら~

2023.8.3【175限目】

先日、朝早くから目が覚め、本棚から1冊の詩集を持ち出して、2階のベランダの窓辺に座ると、空は青く、セミがにぎやかに泣いて、真夏の景色です。

こんなさわやかな朝も久しぶりだなあと、思いながら詩を読んでいると、しばらくして、庭に水を撒いている夫が見えます。いつもの私はまだ寝ている時間なので、「いつもありがとう!」という気持ちになりました。

そのままそっと眺めて、また詩を読んでいると、心に留まった詩がありました。


「魂のいちばんおいしいところ」  谷川俊太郎詩集より

    あわてなさんな
 
花をあげようと父親は云う
種子が欲しいんだと息子は呟く

翼をあげるわと母親は云う
空が要るんだと息子は目を伏せる

道を覚えろと父親は云う
地図は要らないと息子がいなす

夢を見ないでと母親が云う
目をさませよと息子がかみつく

不幸にしないでと母親は泣く
どうする気だと父親が叫ぶ

あわてなさんなと息子は笑う
父親の若い頃そっくりの笑顔で


子どもの事を大切にしたいと頑張って子育てをしていた頃と、この詩が重なるようなことがあったのを思い出して苦笑してしまいました。子どもの立場から考えると、迷惑なこともあっただろうと思います。


もう一つの詩

相田みつを いのちのことば
「育てたように 子は育つ」  相田みつを 書  佐々木正美 著

 みんなほんもの

トマトがねえ
トマトのままでいれば
ほんものなんだよ
トマトをメロンに
みせようとするから
にせものに
なるんだよ
みんなそれぞれに
ほんものなのに
骨を折って
にせものに
なりたがる


佐々木正美さんが、相田みつをさんの詩についての文章の推敲をした本になっています。

「私たち大人だって、自分に自信がないとき、あるいは自分が子どもだったころに自分の親や教師から、それでいいよと認められ愛されてきた経験がなければ、こういうきわめて当たり前なことばの、本当の意味に気づかないものである。そして、いつもいつもそれではダメ、こうでなければダメと言われ、トマトじゃダメだ、メロンになれと言われ続けてきたのでは、子どもたちに「そのままでいいがな」「トマトのままでいいがな」と言ってやることはできないかも知れない。

でも努力して、トマトのままでいいよ、トマトのままがいいよと、心から言ってやれる大人になりたいと思う。そうすれば子どもたちは、それぞれがほんもののままで輝くから。」
と、ありました。


この詩のように温かい目で人をみることが出来たら、子育ても楽しくなるはずです。子育ての大切な事は、子どもを信じて待つということだと思っています。


【今週のけい先生】*担当:夫(父)

連日熱中症アラートが出る猛暑です。

私(夫)は週3回のペースで高校の部活指導でテニスコートに出て、9年目に入っていますが、流石に今年はレベルアップよりも先に、熱中症予防と健康管理を優先した指導内容になっています。

けい先生は7月29日に元の同僚の方を中心にしたゴルフコンペ、また、8月4日には大阪全体の先生方の集まりのゴルフ大会にも参加します。前回は女子の部で優勝したので、練習にも熱が入っていました。

足首の固定化術、人工関節などで通算2年位のブランクを乗り越えてラウンド出来ることに感謝して、週2-3回練習場に通って頑張っています。

私(夫)は左足を痛めて7-8月は治療に専念して9月にはゴルフのコンペに復帰出来るようにーーーと願って努力しています。


【編集担当より】
「人は誰しも、一度はポエマーになる」

思春期の頃や、はたまた社会人になってから、感傷に耽り、人生で一度はポエムを詠んだことがあるのではないかと思います。もしくは、感情を何か違う創作活動にぶつけたことがあるかもしれません。

最近だと、Twitterなどの短文で、思いの丈を吐露することもあるでしょう。人は誰しも、感情を言葉や形で表現したくなるものかと思います。言霊ではないですが、言葉にすることで、気持ちが楽になることもあると思います。

たとえ中二病と揶揄されても、素敵なことだと思います。編集担当も黒歴史と呼ぶにふさわしいことが、多々あります。

詩の短い文章で、心情や風景を表現するのは、相当な技量がいることかと思います。詩や小説などを書かれる方は、言葉のプロであり、エンターテイナーだと思います。コラムの詩もすっと心情に入ってくる素敵な言葉ですね。

ここ最近では、TwitterからXに変わった際に、俵万智さんが詠んだ短歌が話題になっていました。素敵な言葉で表現できるようになりたいものです。一つ一つの言葉や表現を大事にしていこうと思います。


また詩やポエムが入ってくる漫画は大好物です。最近だと、『BLEACH』の久保帯人さんのスタイリッシュな巻頭ポエムは最高です。


学生の頃は、『テガミバチ』の浅田弘幸さんの初期の作品で『眠兎』に出てくる詩がたまらなく刺さりました。そう、中原中也です。高2病をこじらしていました。


よく考えると、自分の趣味嗜好は、今もあんまり変わっていないですね。

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