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薄暗い向こう側、出会いにときめいて

おはようございます。
今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

突風が凄かった昨日。
温かいみそ汁に朝晩助けを求め、何とかしのぎました。

今日は大好きなアニメーション、「耳をすませば」からインスピレーションを勝手に受けて、妄想の域を超えそうになったhappy野郎のお話。



今日の食日記

いつも耳をすませばのような出会いを妄想してしまう。

何を言っているんだ、と思われるだろうが、つまりはただの耳をすませばオタクであると言う事実だけが残るわけだが。

しずくが朝からバタートーストを口に咥えて外の気球を見上げ、「なんだかいい日になる気がする」なんて決して思ってもなかなかいえなかった一言を代弁して言ってくれる(そんなことを当たり前に言える世界線に居たい。思っても発することの難しさよ)シーンを、晴れの日になればふと思ってしまうほどに好きだ。

あの映画には憧れの全てが詰まっている。あれほどまでにキラキラしていない、でもキュンとしてありそうな日常を描いた映画はないと思う。
なんてことのない映画だからこそ、容易に妄想ができ、いつもいつまでも青春に没入させてくれる。

そんな映画で、しずくと猫の人形(いかん、名前を忘れてしまった)が出会うあのシーン。外からジロリと店内をあやふやな気持ちで覗くしずくの目に光るエメラルドグリーンの光源。見てるこちらもドキッとして、何か始まる兆しにワクワクしてしまうのだ。

前を通るとやっているのかいないのか、お昼なのに薄暗いお店を見つけると、なんだかそんな出会いを誠に勝手に妄想してしまうのだ。

名古屋の今池少し歩いた静かな住宅街にも、薄暗く寂しいお店があった。

一旦気づかず目の前を通ってしまったことは内緒の話しで。

物語りの始まりが込み上げてきた。




今日のお店

煉瓦造りと、決して目立とうとはしない質素な造り。
やっているのか?と覗いてみたくなってしまうのが、このお店のトラップのようだった。

なにかが始まる予感がする。


だから、やっぱり入ってみないと、と言う気になる。いわゆる僕は運命を信じている系男子だ。

僕の恋愛観も運命的な出会いを信じているので、友人からそんなの信じているからいつまで経っても恋人ができないんだよと言われたことがある。まあ、そうかもしれないが、それなりに運命の魅力を語れる自信があるのでまあ、まだ問題にしていない(なんの話だ)。

中を見ようと、日差しの逆光を掻い潜って覗く。ぼんやりと見える。手前の席の客と目が合う。早く入店せねば。

入ってみるとカウンター囲むようなテーブルがいくつか。

ごうごうと心地よいコーヒーを温める音が聞こえてくる。
一杯一杯のコーヒーが丁寧にドリップされている姿を見て、「マスター!」とそのかっこよさが尊いのだ。

それにしてもこのお店は薄暗い。昼間だというのに見事に明かりを遮っている。

なんだか物語が始まりそうな予感がするのだ(勝手ながらに)。
バイオリンの音楽が奏でられ、昼間にも関わらずどんより薄暗い。でもその静けさがある意味休日を忘れさせ、平常な平穏心をくれるのだと落ち着くのも事実だ。

あたたかすぎる暖房はぼーっと。気づけばオレンジ色のぬるい照明を凝視してしまう。
それがこのお店なのだろう。寝ていいのだ(おい)。

ぼんやりと意識が遠のき始めそうになると、淹れたてのドリップコーヒーとキャロットケーキがややってきたのだ。

初のスタンディングキャロットケーキ



見事なスタンディングに、どう扱えば良いのかあたふたしたが、それは慎重に。

のんびりと待つ。一回一回の焙煎の音がゴーっと心地よくて。

淹れたての季節限定ブレンド。
ナッツのような香ばしい風味。
軽やかな酸味がふわっとくるのだが、そこにあるアーモンドなのような香ばしさと味わい、ほのかなコクが相当落ち着くのだ。

それをわかっていたかのようなキャロットケーキ。


口に運ぶ過程でシナモンの香りが優しく香るキャロットケーキ。
しっとり優しい甘味。そして濃厚なクリームチーズは、酸味が少なく、ねっとり味わう。これぞ滋味を味わうキャロットケーキという感じ。

やっぱりほっくりナッツと珈琲の可能性は銀河系だ。
ただただ薄暗い中の灯りに皆が魂を集めるように、見事な静寂と安らぎの店内だった。

秘密の安らぎを見つけた気分に、大冒険の始まり。
とんだ妄想が進むのも、勝手な妄想癖と耳をすばせばで培った寛政の賜物。

のぼせそうなほどに頭はヒーヒー。素敵なカフェに期待してよかった。



美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:Saita Cafe(愛知県名古屋市東区筒井3丁目15-18)



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