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豆花は優しさそのもの

こんにちは、今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

すっかり台風が過ぎ去った晴れ間が顔を出していますね。
どんな気分ですか。
もう初夏だし、素麺でも啜りたいですね。

そんな涼しげなお話を。



今日の食日記

甘いものは人々に幸せをくれる。

そんなことはもう多くの人がわかっていると思う。
仕事から帰ってきて はぁ、とひと息ついた時、最近はコーヒーを淹れてその香りに癒されながら残りのクッキー缶から2、3枚だけちょこっとつまめばそれは今日を労わるに十分なご褒美で、頑張ってきてよかったと心から思える(最低限そんな癒しを毎日に与えてあげてほしい。人はそんなに強くない。自分には誰よりも甘くしてあげないと)。

甘いものがもたらす幸福と癒し、自分を褒めるエッセンスまで多くのものが詰まっていて、すると甘いものを頂くという時間は心身を保ちまた明日から頑張ろうと思うためのエネルギーなのだ(甘いもの自体も、甘いものを食べるというその時間でさえも活力になる。もはや甘いもの何を食べようと想像することさえもだ)。

その日は疲れていたのか(というか休日いつも疲れている)優しさを味わいたいと。
新天地での生活、相変わらず友達はいないし、優しさに触れる機会はほとんどなく、僕の友達に等しい食べるという行為こそが優しさをくれたらなー、なんて本気で思っているわけだ。

そんな優しさをくれるスイーツを想像すると、新しくできた豆花のお店を思い出した(台湾プリンのようなもの)。そう多くは口にしたことはないが、勝手ながら優しさスイーツだと思い込み早速お店に向かってみた。

あまりにもシックで落ち着いていて、台湾の暑さを探してしまうほどにアップデートされているように感じその空間にときめいた。



今日のお店

透明感がすごいこちらのお店(透明感とは、そもそも女性に対しても透明感という言葉、分かりそうで分かりにくい)。

まだ食の物語は始まっていないのに、踏み入れる勇気が少し必要で、緊張感を胸に抱きながら店内にお邪魔した(サラッとしている肌に、色味に。落ち着きと洗練さがあり飲み込まれてしまいそうな静けさがグッときたのだ)。

まさか豆花に出会えるとは、なかなかのギャップに心を奪われ、席にもじもじ落ち着かずさぞ緊張していたであろう。

のんびり音楽が流れ、目にも優しいグリーンの健康的な店内が身を包んでくれているようだった。

シンプルだがこの空間の使い方というのがなにか思わせ気で、何かが始まりそうな予感さえもする、そのくらいの謎めいた雰囲気がまたちょっと寂しげで僕は居心地が良いと思えた。

するとふと、店員さんが謎めいた一皿を運んできた。
そんなマシュマロ注文してないぞ?

ってマシュマロではない。

すると、魔法をかけるかの如くお水を垂らし始めると、驚いた。
ぶわっとその白いマシュマロは解け一瞬にしてお手ふきに。それもまた静かで。

僕が感じていたこのお店、この空間にある静けさのような空気は、間違っていなかったようだ(もはや僕が知っている台湾ではない、行ったことはないが)。

そのすぐ後に、今日の優しいおやつがやってきた。
ここは台湾だった。


神聖な豆花なこと

小豆の豆花、なんて美しい配色。神聖な泉を見ているようだ。

プリンよりもみずみずしい豆乳のプリンは、誰よりも優しい味わい、口溶けで。一粒一粒炊き立ての風味を感じる大粒の小豆。きな粉が上品な甘さで、レンゲの上でしっとりと溶け合い、優しいのどごしのまますっとあっという間に身体に消えていく。
あまりにも優しく癒されたその瞬間に、ため息をつきながら一言「美味しい」それしかいえなかった。

食べ終わると、さっきまでの謎めいた静けさが、途端に身近に感じられるように僕もこのお店もお互いを受け入れたのだ。

もうこれ以上は知ろうとはしない。
優しさをくれた小豆の豆花がいるのだから。
もうそれだけでまた来たいのだから。

優しさをありがとう。そう言わせて頂きます。


美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店;月白茶菓(群馬県高崎市並榎町147−7)



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