商人▶️『呂不韋(りょふい)』▶️投資=その2(呂不韋)
こんにちは。
ケイジ4世の歴史の時間です。
今日は引き続きで『天下を取った商人』の話です。
▼前回の記事『商人』はこちらです
秦の始皇帝の曾祖父である昭襄王の時代。
紀元前260年くらい。
(日本では弥生時代ですね。高床式住居で米食ってます。)
奇貨(きか)
昭襄王の太子(跡取りのこと)で安国君(のちの孝文王)には20人くらいの子供がいて、その中の1人に『嬴異人(えいいじん)』という人がいました。のちに改名して『嬴子楚(えいしそ)』ともいうらしいですが、今回は異人として進めます。
ちなみに『嬴(えい)』というのは姓で、『異人(いじん)』の部分が諱(いみな)で、要するにファーストネームです。
嬴異人の母は夏姫(かき)は安国君からあまり寵愛されていませんでしたので、その子である嬴異人も跡取りとしては選ばれていませんでした。
なので、当時は戦国時代ということもあり『趙』というの人質として出されました。
▼その頃の地図です。
左に秦があり、趙は秦のお隣斜め右上です。
これは日本の戦国時代などでもありましたので、皆さんもお分かりだと思います。
攻めたりしたら、殺されてしまうという不安定な立場です。
で、その人質生活として王族なのに見窄らしい格好で街中を歩いているところをを見かけて「奇貨居くべし」といって目をつけたのが、今回の中心人物である『呂不韋(りょふい)』です。
「奇貨居くべし」というのは、「これは貴重なものを見つけた、これを見逃す手はない。手に入れておこう。」ということです。
呂不韋(りょふい)
呂不韋は『韓(かん)』の陽翟(ようてき)という街の出身で、代々商人の家系に産まれました。
(ちなみに出身も諸説あり韓ではなく衛の濮陽という説もあるようです)
各地を渡り歩いて富を築いたようです。
その途中で嬴異人に出会ったようです。
投資
それから呂不韋は嬴異人に近づいて大金を注ぎ込んで交友関係を広げさせました。
交友関係を広げさせ、また嬴異人の有名にすること。人質生活をおくっているはずなのに、後ろ盾を作り色々な交友関係を築き、良い暮らしをしている、というのは普通にはできることではあららません。
当然、その状況や名前は自国の秦にも伝わります。
次に呂不韋自身が秦の国に向かい、安国君の側室であり寵愛を受けていた華陽(かよう)夫人に近づきました。
その華陽夫人には子供がいなかったため、その寵姫の養子に入れたいと考えたのです。
華陽夫人に贈り物をし、会う機会を作り「嬴異人様が貴方様(華陽夫人)を大変尊敬しておられます」と伝えます。
異人の名声は華陽夫人にも伝わっており、喜んで快諾し、安国君に華陽夫人から頼んで了承に至ったということです。
秦の始皇帝『嬴政(えいせい)』
一つの誤算が生まれます。
当時、呂不韋にはお付き合いしている『趙姫(ちょうき)』という趙の豪商の娘がいました。
宴会の席でその娘を見かけた嬴異人が一目惚れしてしまって、自分の嫁にもらえないかと、いうのです。
呂不韋としてはガーン!という感じです。
でも、せっかく手に入れた『奇貨』を今更手放すわけにもいきません。
泣く泣く差し出したということです。
その後、その趙姫を結婚して嬴異人との間には子供が生まれます。
それがのちの『始皇帝、嬴政』です。
しかし、一説によると嫁に出す前にすでに趙姫のお腹には子供がすでにいて、それが嬴政だ。ともあるようです。諸説ありますが。
奇貨の危機
その後、また呂不韋にピンチが来ます。
というか、嬴異人にピンチが訪れます。
母国の秦が趙を攻めたのです。
このままではせっかくの奇貨が殺されてしまいます。
そこで、趙姫と嬴政を知り合いの商人に預けて、嬴異人を変装させ決死の逃亡劇を決行します。
途中いろいろありましたが、なんとか秦まで逃げ切ることがに成功します。
ここでは呂不韋の情報力と機転、人脈、行動力の凄さが際立ちます。
奇貨の大成
秦に着いた嬴異人は華陽夫人の養子であり、名声、今回の行動力などが認められ、太子(後継)候補となることができました。
その後、昭襄王が崩御し孝文王が即位します。
それにより、異人は太子となることができました。それが紀元前252年。
その束の間、なんと孝文王がわずか一年でまた崩御し、嬴異人が秦の王として即位することになります。紀元前250年のこと。
それが秦の第30代の君主であり、第5代の王である『荘襄王(そうじょうおう)』が即位することになります。
その功績を認められて呂不韋自身も丞相(日本でいう内閣総理大臣みたいなものです)に任命されます。
一商人が一国の丞相になる。
ここまでを呂不韋がわかって投資を始めたのかはわかりませんが、投資に対する利益は計り知れないものになったのは事実です。
次回は『投資を育てる商人』をお話し出来ればと思います。
今回は、歴史をつらつらと並べてみました。
もし間違えていたらご指摘下さい。
▼私の歴史好きアピール
▼私の好きな宮城谷昌光さんの著書はこちらです。よかった読んでみてください。
では。