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ネパール8日目:ズーズーダウ、体調不良、王政

11月14日(木)
ネパールに来て曜日感覚が全く掴めないのですが、今日は木曜日です。
今日は授業がないのでゆっくり過ごす予定でいましたので、午前中はいつも通りに近くのお店でコーヒーと揚げパンを食べに行きました。ここのところあまりヨーグルトを食べていなかったので、「ヨーグルトありますか?」と尋ねると、「カード?」という感じで答えが返ってきました。お互いの考えていることを擦り合わせるようなやり取りがあり、店主さんに任せてしばらく待っているとやってきました「ヨーグルト」みたいなやつ!大きさも見た目もなかなか美味しそうで、食べてみても本当に美味しい!毎日食べたくなる感じ!

帰り際に「あのヨーグルトの名前って呼ぶんですか?もしかしてどこかへ買いにいってくれたんですか?」と質問したら、「ズーズーダウっていうやつだよ。そうそう、あっちの方に買いに行ってきた。」と笑顔で答えてくれました。しっかり値段まで教えてくれて、「ここでは手数料入れて70NPRだけど、お店だと60NPRだよ。」と教えてくれました。

ネパールコーヒー(50NPR)、揚げパン(10NPR)、ズーズーダウ(70NPR)で合計130NPR…あれ?今気づきましたが、120NPRの請求しかなかったような気がする…まあ、また行って確認しよう~!

お店を出ると道の反対側で、テーブルと椅子を出しておばあちゃん達が血圧を測ってもらっていました。普段、体重や血圧を測ることが日課になっていましたが、ネパールに来てからまだ一度も測ることができていません。なので、血圧だけ測ってもらえるか聞いてみると、快く測ってくれるということで、測ってもらいました。

路上で血圧や血糖値を測っている様子

「153-104」めちゃくちゃ高い… 朝食食べた直後だからかな?カトマンズの高度に慣れてないからかな?とかが頭を巡りました。

この健康診断はネパールの製薬会社USVの出張サービスみたいで、血圧以外に血糖値も測ってくれるようでした。ただ、血糖値の方は指に針でちくっと血液の採取が必要とのことでしたので、やめておきました。

さて、さっきのズーズーダウが気になっていたので、店主さんが買ってきたズーズーダウのお店を探してみるためにちょっと散策をしました。言われた場所まで行ってみましたが、わざわざここまできたの?っていうくらいの距離で、この距離をあの速さで往復して買ってきてくれたんだ、しかも手数料10NPRって。これがネパール人の純粋な心の感覚なのかな~と思いを巡らしました。ただ、残念ながら言われた場所でズーズーダウのことを聞きましたが、たどり着くことができませんでした。

そのまま歩き続け、その後はホテルまで戻り、noteの執筆。

お昼頃になり、お腹も空いてきたので、ランチを食べに外へ出ましたが、同時になんか消化系の様子がおかしい。胃に血液が集中して、頭の方に血が回ってないような感じ… 食べたものがしっかり栄養として体に吸収されてない感じがあったので、今日はネパールのローカル・フードではなくサンドイッチにすることにしました。
最近は裏路地にいい感じのローカルな店があることを知ったので、なんとなくさまよって入った店なのですが、やさしい口調のお店のおじさんにメニューのことを聞いたり、自分の体調不良のことを話したら、「上で寝てもいいよ」と言ってくれました。

「上?」この店、上に言っていいの?って感じだったのですが、この辺りの店はだいたい上の階はお店の座席になっています。よく知らないと初めは勇気が入りますが、入っていけばかなりユニークで面白い!

「屋上に行ってもいいよ!タンクがあるから、それよりも上に行ける。」

上に何かある

ということで一回ずつ雰囲気の違う座席スペースやキッチン、誰かの家っぽい玄関ドアを通りすぎて、屋上階に近づくと、半屋上。テラスっぽくなっている階層が続き、確かにタンクがありました。地元のお客さんもちらほらいたのですが、恐る恐る上がってきた私には対して目も向けず…ちょっとは声かけてくれてもいいのにと思いながら、最後はハシゴを2階ほど登り、タンクの上の最上階ルーフトップに来ました。

人工芝生のルーフトップ。昼寝に最適!


ルーフトップというか、展望所みたいな装いの場所で確かに人工芝踏みたいのが敷いてあったので、寝ることもできます。一通り見渡してみましたが、ちょっと日差しが強いのと、やっぱり体調が良くないので、ホテルへ戻ることにしました。

戻ってみるとハウスキーパーの方がまだ部屋の手入れが済んでいないとのことで、しばらく外で待つ必要があったので、フルーツジュースを飲んで待ちました。

その後は部屋に戻り次の予定の時間までベッドに横になって休みました。

3時過ぎに起きたころには多少回復していましたが、まだ万全ではありませんでした。その後、ワタル・オイカワさんとSanjeep教授と合流し、Patan Museumに行きました。実はこの辺りは歴史文化観光保全地区のようになっていて、外国人の入場や見学には1,000NPRを支払う必要があります。地元の人は20円くらいとかなんですけど… で、なんとかネパール人を装ってみましたが、無理でした。当たり前ですが…

さて、早速中に入り、10年ほど前に来た時にKCACというアート団体のレジデンスや事務所があった記憶を話してみると、Sanjeep教授がすぐに案内してくれました。敷地内を通って少し奥のエリアに行き最中は本当にここだったかなという感じでしたが、行ってみて記憶に残っていた建物や立地を目の当たりにした時に、確信しました。と同時に改めて、この立地で現代美術のレジデンスができた時期があったと考えると本当に優遇されたプログラムがあったのだなと思いました。旧王宮の敷地内。

KCACのあった場所を案内してくれているSanjeep教授とワタル・オイカワさん

Patan Museumの館内にはたくさんの歴史的な文化遺産が展示してあり、ヒンドゥー教や仏教の歴史的に重要な作品がありました。細かく細工されたり、装飾されたりした作品の一つ一つには意味があり、そう言ったシンボルのことに詳しいSanjeep教授が丁寧に解説までしてくれました。本当に奥深いネパールの世界観や宇宙の広がりが一つ一つの作品や装飾、物語などに込められているのがよく分かりました。

2時間ほど鑑賞していたと思いますが、本当にあっという間でした。

その後、Sanjeep教授は他のミーティングがあるとのことで別の場所へ歩いて向かいましたが、ミーティングがキャンセルされたとのことで、夕食を食べることになりました。私はまだ体調が良くなかったので、食べるのを控えましたが、Laphingという食べ物を出すお店へ行きました。

食事中の会話で、私がこれまで見聞を深めたネパールの現状に関する話題を振り返りながら、政治、若者の流出、先ほど見た歴史遺産や王室の存在などを話していると、Sanjeep教授から興味深いお話を聞くことができました。

2007~8年くらいにネパールの王室は途絶え、別の王室が受け継いだけど、うまくいかず民主化されたのですが、その後、いくつかの政党や政治家が台頭し、入り乱れるカオス状態が続いているのが現状。この間に生まれ教育を受けた現在20歳前後の若者達にとっては、ネパールの政治に関して無関心になるのは当然で、同時にyoutubeやinstagram世代でもあるからアメリカのトランプのことは知っているけど、自分の国の政治家の名前すら知らない。こう言った状況だから、海外を選ぶ選択の方が彼らにとっては的を得ているみたい。

逆に日本の若者は海外へ行く興味が薄れている状況に思いが巡るとともに、日本とネパールの経済的な規模の違いを考えると海外への選択は本当に人生や家族をかけて一大決心だなと痛感しました。先日もどなたかと話していましたが、子供を海外に送り出すために土地を売って送り出すということを聞いていましたし、Sanjeep教授から彼の教え子の大半が海外に留学や移住しているとも聞きました。ただ、同時に海外を経験してネパールに戻り、社会課題に取り組むさまざまな事業展開をする人材も育っていて、海外流出が一概に悪いとは言えず、むしろ建設的な選択肢となっているようで、社会も少しずつ良くなっている感覚があるとも教えてくれました。

この時点ではまだ夜7時前で、体調が良ければ引き続きお付き合いしたかったのですが、この晩は足早にホテルに帰り、休息することにしました。

月がそろそろ満月です

相変わらず、ホテルの目の前の寺院周辺にはお祭りの縁起を見物に来た大勢の人たちで賑わっていました。ホテルの窓から様子が見えるのですが、今までで一番賑わっていたので、見に行きたかった~。

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Keijiro Suzuki
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