奈良好きなら揚州は行ってみるべき都市
昨年11月初旬の旅行記です。
そろそろ上海に行かなければと思っていたところ、春秋航空のセールの案内が届いた。
ん?関空から揚州行き片道2,900円?
上海から近く時間もさほど変わらないので即決定。住んでいる奈良から関空第二ターミナルまで直行バスが2,100円なのでバランスがあきらかにおかしい。
揚州と言えば天平時代に奈良に招かれた鑑真和上の出たところで、奈良市とも国際友好都市の関係。これはなにか導かれている気がする。
それにしては直行便が飛んでいるわりにネットに情報が薄い。ググっても東京の中華料理チェーン「揚州商人」の情報ばっかりだ。
関空から揚州泰州空港へ
春秋航空の日本国内線は2度ほど使ったことがあるので悪いイメージはない。関空第二ターミナルなのでだいたい予想はついたけど搭乗客は自分以外みな中国人団体客だ。最近京都とかで見かけるちょっと富裕層タイプではなくあか抜けない元気のいい人たち。久々に下りる順番をめぐってつかみ合いのケンカをするおばちゃんを見た。
現地に着いて入境審査に進むとさすがに外国人がこの便に乗っているのが珍しいのか、ちょっと待てという感じで最後に回される。そこから1時間も尋問されるとは...。
双方拙い英語とgoogle翻訳を使うせいでもあるけれど、ビジネスじゃないのか、なぜひとりなのか、ここの空港を選んだ理由はなどなど。揚州は中国でも有数の観光地じゃなかったの?
そんなこんなで30kmほど離れた市内中心部のホテルへは予定よりだいぶ遅く、バスはあきらめてタクシーで移動。
鑑真和上の大明寺
揚州に地下鉄はないので移動は基本的に市内バスだ。高徳地図を使うと行き先に応じたバスの番号もでるのでとてもわかり易い。料金もスマホ払いなので気にする必要はないのが中国旅行のいいところ。漢字の恩恵もあって日本人が世界で一番旅行しやすい国のひとつではないかと思う。
大明寺は日本の寺のような鄙びたものや台湾の龍山寺のようなものを想像していたが、そのどちらでもなく境内は緑地を含めて広大でありながらも禅寺的な清らかさのあるお寺だった。
一度廃れていたのが再興されたらしくそれほど古い建物は残っていないよだけど、かと言ってピカピカでもなく落ち着いた風情の建物群だ。鑑真和上の記念堂は唐招提寺の講堂を模している。
偉業を称えた説明板などもあちこちにある。最近の唐招提寺も中国人観光客が多かったわけだ。
京杭大運河
揚州と言えば米と塩の集積地として呉の時代からにぎわっていた都市だ。その結果として名物料理は揚州炒飯になっている。
ただしこれは美味くなかった...。だいたい一人旅でいい中華料理店にはなかなか入れないのだ。
揚州が集積地になったのは運河が張り巡らされていたからで、市内にはその古運河がまだ遺っている。かの煬帝が拓いた京杭大運河もここを通過している。
ここから様々な商業の歴史が南北に展開したかと思うと感無量。ホントの揚州商人はここにある。
東関街とカフェ通り
中国の都市には老街と呼ばれる古い繁華街がよく見られるが裏手はコンクリートビルだったりする。ここ東関街はほんとうに古い建物が残っていて雰囲気がいい。
横にそれると民家だけじゃなく塩商人の邸宅も。邸宅は改装されてホテルにもなっているようだった。
さらに南に歩くと学校があるせいかカフェの多い通りに。台南に行ったような雰囲気。
インセプションの世界 鍾書閣
鍾書閣はいま中国各地に展開中の新進書店チェーン。中にカフェがあって台湾の誠品書店や日本の蔦屋書店のような感じだけど特徴的なのはそのインテリア。ここ揚州はその最初の店舗らしい。
街の雰囲気
最近はずっと大都市かその郊外ばかりだったので、ここは地方都市の雰囲気があって、とくに夜は若者たちがバイクに大音量スピーカーをつけて走り回っている。電動バイクだけど。
監視カメラもまだほとんどないので自由な感じ。まさに北関東のヤンキーたちがチャラついてる。ちょっと埃っぽいし10年前の上海郊外のような懐かしい感じだ。
次はいつ行けるのだろう。