中川敬文|まちづくり・地方創生
まちづくりというとバクっとしてイメージがつきにくいもの。人口1万人のまち、宮崎県都農町(つのちょう)に移住、まちづくり会社を起業して、日々試行錯誤しながら実践している立場で、まちづくりのリアルをご紹介していきます。
町からまちづくり業務を受託するイツノマが、町内唯一の中学校、都農中学校の総合的学習で「つの未来学」を開講。中学生からの提案がきっかけとなり、都農町が「ゼロカーボンタウン宣言」。具体策として小中学生選抜チーム「GreenHope」を結成。町で創設した「ゼロカーボンU-18議会」に毎年政策提言、今年度は予算100万円を可決。「Green Hope」が主催者の一角を担い、花とみどりで商店街を元気にする「みちくさ市」を毎月開催。5月からは、中学生の地域クラブ「まちづくり部」を創部、日常的にまちづくりへ参画する環境づくりを進めています。
地方創生ときくと、東京から見た”地方”、いまなにもない前提の”創生”と捉えてしまいがち。ぼくは地方に住んで起業している立場で、いま地方にいる”ヒト”、ある”モノ”をどう活かして”コト”をつくっていくかという観点から、未来に向けて考えること、全国の面白い事例を紹介します。
民間のまちづくり会社、ベンチャー企業の経営に必要なスキルや、身につけておきたいことについて、自分が20年近く実践してきた経験を踏まえてまとめてます。
「まちづくりの仕事したいんですけど、都市と地方、どちらでやるのがいいですか?」と聞かれることがあります。 20年近く、東京でまちづくりの仕事をしてから、1万人の過疎地、宮崎県都農町に移住して実感するのは、リソースの有無による違い。 都市にはヒト・モノ・カネなどのリソースが多い、地方には少ないと前提をおくと、それぞれで求められる力が違います。 1.リソースがある都市で求められる力都市で規模が大きめのまちづくりの仕事においてはプロジェクトチームをどうつくれるかが成否の分かれ
東京の新渡戸文化高校、5回目の都農町スタディツアー。 毎回、10地域以上の候補地から行き先を選ぶ高校生。 今回、都農町に希望を出した高校生と事前にZOOM 多かったのは 東京でできないこととして、ぼくらが過疎地の都農町で提供できるのは、 との交流を通して、いままで気づけなかった「好き」や、「得意」を見つけて深めること。 もうひとつ裏テーマは というわけで、11月11日から14日まで、高校生8名が、先生の引率もなく都農町にやってきて、海や滝やワイナリーで考えたり話し
今週、地域と宿泊施設の関係づくりについて、講演や質問を受ける機会がたまたま2度ほどありました。 前職UDSで、宿泊施設がどのように地域とつながれるかは重要なテーマだったので、当時の記憶を蘇らせつつ、いつも以上の熱弁に。。 と同時に、ぼくらがいま都農町で「まちづくりの合宿所」をコンセプトに経営している HOSTEL ALAの改善、さらには、来年度から高鍋町ではじまる観光協会のお仕事を踏まえ、宿泊施設と地域の共創関係やあたらしい観光の創造についての考えをまとめてみました。
人口1万人の過疎地、都農町。 高校は廃校になり中学校が1校。 ぼくらが都農中学校の総合学習「つの未来学」をはじめて4年目。 リアルに実践しているまちづくりを探究カリキュラムに落とし込み。 1年生から町を元気にする企画を立ててきた集大成 9月18日、平日の真昼間。 シャッター商店街の真ん中で中学3年生84名が「みちくさ市」を開催 「カフェ」「古着屋」「Dr.YATAI」「巨大すごろく」「みたらし団子」を出店 中学生のためにと、町内の事業者さんが園芸店、ピザを応援出店。 1
都農町で中学生の地域クラブ「まちづくり部」を創部して1年半。 当初4人でスタート。 その後、新1年生も加わり、2年生5人、1年生2人の7人に。 毎週、月火木金の放課後は、部室であるぼくらのオフィスは賑やかに。 最初からいまでも変わらないのはぼくらの自然体。 なので、この1年半でなにかの成果があるとか、こんなすごいことあったってエピソードは特にない。 あるとしたら7人の仲が日に日によくなったこと ぼくらとの関係がよりフラットになってきたこと 1.やってきたこと最初にメン
過疎地域、宮崎県都農町に移住、まちづくり会社イツノマを創業して5年目。 ありがたいことに、ここ最近、これまで4年半活動してきた内容をベースにした講演や研修、ワークショップを開催させて頂くことが増えてきました。 特に、全国の市町村数の半数近くをしめる過疎地域では、人口減少・若者流出・まちづくりの担い手人材の固定化・高齢化が共通課題。 課題解決の鍵を握るのが、Uターンして事業を起こす人たちの育成。 事業に限らず未来のリーダー人材の育成は急務です。 講演や研修、ワークショップ
日本の地方が直面する人口減少や高齢化の課題。その一方で、将来のキャリアや社会貢献の方法を模索する大学生たち。この二つを結びつけ、新たな可能性を切り開くのが「スタディツアー」です。 今日は、大学生にとってのスタディツアーの意義と、イツノマが提供する体験についてご紹介します。地方自治体のまちづくり担当者の皆様にとっても、若者と地域をつなぐ新たな取り組みのヒントになれば嬉しいです。 1.スタディツアーとは?大学生にとっての意義スタディツアーとは、単なる観光旅行ではなく、特定のテ
「まちづくり会社」という言葉を聞いたことがありますか? まちづくり会社の可能性と役割について、子どもたちの声を活かす「こども参画まちづくり」や、未来を描く「グランドデザイン」アプローチなど、現場で実践しているイツノマの事例を交えながら、新しいまちづくりの形を探っていきましょう。 1.なぜ今、まちづくり会社なのか皆さんの地元は、どんな様子でしょうか。にぎやかな声が響き、活気にあふれていますか?それとも、少し寂しさを感じることはありませんか?実は、多くの地域が同じような課題を
観光地でも出張地でもない、小さなまちの小さなホステル(18床)。 自宅も兼ねてるのでほぼ毎日現場。なんとか3年もってます。 基本、だれも来ないところなので、営業は全方位。 当初はコンセプトだターゲットだの言う以前に、とにかく呼び込まなければで、軸もあいまい、散らかった運営でした。 3年目を迎えて、 で、やるべきこと、できること、やりたいことが明確になってきました。 2024年、HOSTEL ALAが目指す理想の姿は まちづくりの合宿所 1.まちづくりの行間を伝えた
「ともに学び、ともに産業を創る。」 起業家を中心に1,200名以上が集まるICC(Industry Co-Creation)サミットに登壇・参加してきました。 ぼくは前回、初参加。 ソーシャルグッド・カタパルト(社会課題解決への挑戦)に登壇、「都農町のこども参画まちづくり」についてプレゼンしました。 ICCサミットは挑む人を応援し、「全員対等、全員真剣」を目指して、4日間、参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。 今回はプレゼンのプレッシャーから解放されて学
人口1万人の過疎地、宮崎県都農町で株式会社イツノマを起業して4年半。今年から、同じ児湯郡の高鍋町のまちづくりにも関わり始めました。 歴史・実績の少ないぼくらにとって、新しい仕事や事業領域の変更があるたびに、会社の軸として、本当に自分たちがやるべきこと、できること、やりたいことを整理するのはとても大事なプロセス。 ぼくがいつも意識しているのは既存の事業の組み合わせ、掛け合わせ。 最近読んた山口周さんの本。 自己プロデュースという観点で組み合わせ、掛け合わせが大事であると書
京都市立日吉ケ丘高校と人の縁でつながって、4回目の都農町フィールドワーク。毎年20人前後の有志メンバーが2泊3日でぼくらのHOSTEL ALAに滞在し、町の人との交流や地元中学生と一緒に地域課題解決案を企画してます。 4回目となると、参加動機が などなど、校内・家庭内口コミによるところが増えていて、継続している意義を感じてます。 初日は、都農町が無償でバスを出していただいて町内案内。今年はぼくがバスガイド。商店街通って都農神社経由で都農ワイナリーに。 ちょうど収穫期で
巨大地震注意、台風を乗り越え、なんとか明日から、京都市立日吉ヶ丘高校18名のスタディツアーを実施できることに! 明日からの主役、インターン生たちと宮崎自慢の鰻で脳と体を活性化! スタディツアーは、今年で3回目。昨年はこんな感じでした。 ハイライトは、2日目の8時間(耐久)ワークショップ。 例年、都農町の地域課題(これまでは廃校活用)にフォーカスして、高校生と地元の小中学生がチームになって、企画&デザイン案をつくり町の人にプレゼンしています。 鍵を握るのは、3-4チー
町長や役場へ新しい企画の提案、自治体のプロポーザル、講演や研修、小中学生の授業からICCや日本まちづくり大賞のようなピッチ・コンテストまで。 地方のまちづくり、というと抽象的ですが、ぼくの場合、その実務の多くがプレゼンを伴います。厳密に言うとプレゼンするコンテンツの企画ですが。 企画・コンテンツを生かすも殺すもプレゼン次第。 特にぼくらの場合、人に伝わり共感を得て、ワクワクを起こさなければ先に進めません。 そんな日常で実践していること、特にプレゼン当日までの準備にフォー
宮崎県都農町に移住し、まちづくり会社イツノマを起業して5年目。 都農町のまちづくりをするために、本社と居住地を都農町に。 最初は、まちのグランドデザインや廃校活用、中学校の総合学習など町や財団法人からの業務委託でスタート。 その後、コワーキングスペースやホステルなど直営事業をスタートし、日々運営中。 まちづくり会社に定義があるわけではありませんが、個人的には事業スタンスと、対象地域拠点の2軸で、進むべきポジショニングの戦略を整理しています。 1.事業スタンス事業スタン
地方のまちづくりに関わる仕事をして約30年。 人生2度目の移住、宮崎県都農町で仕事をして5年目。 と聞かれたら、真っ先に って答えます。 こんな体験からはじまっただけに、地方の仕事は自分の身の丈を超えたチャンスに溢れていると思ってます。 もちろん考えよう、やりようによって、という前提で。 ぼくらの会社で、そんな答えのない問いについて、定期的にビジョンシートを使って話し合っています。 1.ビジョン|Iメッセージの「たい」すでに都市部で学んだり働いたりしている人にとって