中学生「まちづくり部」、創部して1年半たった現在地とは?
都農町で中学生の地域クラブ「まちづくり部」を創部して1年半。
当初4人でスタート。
その後、新1年生も加わり、2年生5人、1年生2人の7人に。
毎週、月火木金の放課後は、部室であるぼくらのオフィスは賑やかに。
最初からいまでも変わらないのはぼくらの自然体。
なので、この1年半でなにかの成果があるとか、こんなすごいことあったってエピソードは特にない。
あるとしたら7人の仲が日に日によくなったこと
ぼくらとの関係がよりフラットになってきたこと
1.やってきたこと
最初にメンバーでアイデアを出し合った「やりたいこと100」
1位のYouTube
2位のNewのみもの
から、ゆるやかに活動がはじまりました。
①みちくさ市に「Newのみもの」出店
商店街の空き地で、毎月1回、イツノマが企画・運営していた「みちくさ市」に「Newのみもの」を出店
出店に必要な仕入れ代として、ぼくのところへプレゼンにきて、8,000円の出資を依頼されました。
驚いたのが、プレゼンするとき、BGMをかけ、タブレットを使って、必要な理由を説明。「いいよ!」と言ったら、覚書をちゃんと書かされました。
「中川さん、忘れちゃうから」が理由らしく。。
売上も大事だけど、残った利益が一番大事だよ
ちゃんと経費を計算しようね
といって計算してみたら、保健所の臨時営業許可で3,600円かかっていることを知らされ無念の赤字!!
2回目の出店では、より原価を下げるやり方を研究。
わたがしなら、原材料が安く、町から無償で設備を借りれることも判明。
結果は
1年間終わったところで、今まで一番楽しかった活動は?と聞くと、
ほぼ全員が「みちくさ市」と答えていました。
生まれて初めて、自分たちで考えて準備したものを大人が現金で買ってもらったことは、新鮮で刺激的。
ゲームを越えるリアルなエンタメ性もあったのではないでしょうか。
町の人たち向けに開催した活動報告会ではこんなコメントも。
②You Tube「つのさんぽ」制作
もう一つのやりたいこと、You Tube
自分たちでチャンネルをつくり、気軽に都農町を楽しみながら紹介していくコンセプトで「つのさんぽ」とネーミング。
地域部活ネット情報番組の『チャンネルココ』で放映いただきました。
紹介動画は自分たちでつくりました。
企画から構成、撮影、編集などすべて自分たちでつくっています。
最新版の、「まちづくり部新たなメンバー!」では、7人目の部員へインタビュー。中学生らしい等身大な内容でほっこりしました 笑。
まだまだコンテンツは少ないけど、今後の活動を定期的に伝えていくゆるーいメディアになっていければと楽しみです。
2.町外の人たちとの交流
①高校生・大学生
まちづくり部の中学生に、面白かったことは?と聞くと、みちくさ市と並んでよく挙がるのが「高校生との交流」
ぼくらのところには、毎年、東京の新渡戸文化高校と京都の日吉ケ丘高校がスタディツアーで来ます。
新渡戸文化高校の高校生とは、一緒に都農ワインや南国プリン、ヴェロスクロノス都農への提案を考えたり
一番楽しかったのは、夜ご飯食べながらUNOしたこと。
6月に来た高校生は、11月のスタディツアーで再び都農町を選んでくれたのですが理由のひとつは「中学生にまた会いたい!」。相思相愛です。
先週は、オンラインで事前打ち合わせ
京都の日吉ケ丘高校とは、1日約8時間のワークショップを2年連続で体験。廃校活用や耕作放棄地など、都農町の課題解決を考える企画提案です。
京都の高校生5〜6人の中に中学生が1人入って、東京の大学生が進行するワークショップで、ひるむことなく堂々とアイデアを出し、提案書を作成しました。
今年のワークショップでは、「中学生まちづくり部を存続させるためには?」をテーマに、高校生たちと合宿の企画を提案、3チーム対抗で優勝して教育長から賞状をもらいました。
この時、提案した「まちづくり部合宿」が先月、HOSTEL ALAで実現したんです!
たまたま当日、HOSTEL ALAに泊まりに来てくれた建築家、総合診療医、フジテレビマンも一緒になり、大人も中学生もミックスしたまちづくり部らしいカオスな雰囲気の合宿になり一同大満足な2日間になりました。
夜には、日吉ケ丘高校の高校生たちとZOOMで合宿の状況を共有。
裏目標?だった夜更かしも達成??
大学生とは、イツノマのインターン生がまちづくり部の担当のため毎日コミュニケーションをとってます。
3月と9月には、地方創生に関心を持つ東大生地方創生コンソーシアムに所属する東大生と交流。
自己紹介や歓迎イベントにも慣れてきました。
東大生にちゃっかり宿題教えてもらったり、滅多に会えない大学生との交流が、貴重な機会になればいいなと思ってます。
②社会人
ぼく自身が、まちづくり部で一番やりたくて、貢献できるとも思ってることが、町外の大人たちとのセレンディピティー。
過疎地の都農町で暮らしていると、子どもたちは生まれた頃から、家族はもちろん、近所でも気心の知れた優しい大人たちに囲まれて安心してのびのび育っているなと実感します。
一方で、見ず知らずの大人や、親も知らないような職業の人との出会いは少ないことも現実。
外から来たぼくらとして、できることは出会いの場づくり。
まちづくりの仕事をしていること、そしてHOSTEL ALAを経営している利点を活かし、定期的に面白い大人たちがまちづくり部と交流しています。
過疎地だからとあきらめず、東京でも会えないような大人たちと話して、中学生の可能性を拡げることが、ぼくが「まちづくり部」でやりたいこと。
3.やってみて変わってきた目的
当初、まちづくり部をつくったときには、中学校の総合学習「つの未来学」でまちのことを考えてる内容を、放課後も深めたいなと思ってました。
まちづくり部の中学生たちとは、総合学習「つの未来学」の授業でも当然、一緒になります。
授業で気づいたのが、日頃、まちづくり部で見ている様子と少し違うなということ。そのことを中学生たちに聞いてみたら
という趣旨のことを。
彼らにとって、まちづくりとか、仲間とかいう以上に、自分の素を出せる居場所のニーズが大きいということに、改めて気づかされました。
全員が顔見知りで、家と学校の往復だけの中学生にとって、「まちづくり部」は最高のみちくさ場所であってほしいなと。
そして、町外のいろんな大人とのセレンディピティーを通して、自分でも気づかなかった「素」に気づけたら最高だなと。
その上で、稼ぐことに興味が増せば、一緒に起業を考えたり、You Tubeを極めたかったら極めればいいし。結果、まちづくりにつながればそれもよし。
イツノマのミッションを体現する活動にしていきたいと思ってます。