【絵本】『ほんとうのことを いってもいいの?』
あらすじ
感想
「○○くん、臭いときがある」
「あの人、太ってるね」
最近、年長の息子が人の見た目や匂いについてネガティブな言葉を言うようになりました。
良くない言葉だと理解しているのか、相手に直接言わないのはもちろん周りにも言うことはせず、私にだけこっそり言います。
それを聞いて
「そうなんだね。でも、相手や他の人には言わないでね。ママにだけこっそり教えてね。」
と伝えるようにしています。
息子の感情の行き場がなくならないように、私もできるだけ受け止めるようにしていますが、あまりに言い続けられるとうんざりすることも。
「○○くん、こういう良いところもあるよね?」
「人の良いところも見つけようね」
「そんなことばかり言ったらだめだよ!」
次第に私の感情も怒りへとエスカレートしてしまいます…。
それに、
いつか口に出してしまって相手を傷つけたら?
息子が嫌われてしまったら?
親としては心配です。
そこで読んだのが
『ほんとうのことを いってもいいの?』という絵本。
主人公リビーは、母親から嘘をついたことを責められたのをきっかけに、正直者であろうと何でも本当のことを言ってしまいます。
ですが、それは相手を傷つけ、友達から嫌われてしまい…。
嘘をついてはいけない。
だからといって、
何でも本当のことを言っていいとは限らない。
本当のことを言う必要のないときもあるし、
言い方に気をつけなければならないときもある。
こればかりは経験しないと分からないことだし、実際に言葉で傷つけたり傷つけられたりする経験をしてみるのも大事だけれど、こういう大切なことを絵本で優しく伝えてもらえるのはありがたい。
そして、「伝え方」が大事だとこの絵本は教えてくれます。
相手を傷つけるから、嫌われたくないからといって口をつぐむのではなく、思いやりの気持ちをもって本当のことを伝えるのは、大人にとっても必要なことなのではないのかな。
息子にこの絵本の内容が伝わっているかは分からないけれど、いろんな経験や疑似体験を通して、人との関わり方を学んでいってほしいな、と思います。
書誌情報
『ほんとうのことを いってもいいの?』
作:パトリシア・C・マキサック
絵:ジゼル・ポター
訳:福本由紀子
出版社:BL出版
発行年:2002年