見出し画像

14歳からのアンチワーク哲学

まとも書房様から『14歳からのアンチワーク哲学(ホモネモ 著)』をご恵贈頂きました。ありがとうございました!

ホモネモさんについて
1991年生まれ。大阪府出身。
労働の廃絶を目指し、アンチワーク哲学を提唱している。
哲学者。

あらすじ
少年は学校に行くことが嫌になってしまい公園でサボっていた。すると、突如大阪弁のおじさんが少年に話しかける。少年は警戒するが次第におじさんの話を聞くようになる。おじさんは少年に労働廃絶を訴えアンチワーク哲学を少年に教え込んでいく。


この本から学べること

・貢献欲について
貢献欲とは「誰かに貢献したい!」と思う欲のこと。そして人々は誰しもその欲を持って生まれてきたと考えられている。しかし、貢献欲は本当に存在するのだろうか。というのが哲学での考え方である。
誰もが持っている貢献欲。しかし、それが今では労働化してしまっている。どうして役に立ちたいという称賛に値する欲望が人々を苦しめる労働化に変化してしまったのか。

・強制について
誰かに命令されると私たちは「強制されている」と感じてしまうもの。
どうして「強制されている」という気持ちが私たちに生じるのか。そこには私たちが物事を知るうえで感じなければいけない感情が欠如するためだった。その感情とは?

政治活動と経済活動
著者(物語ではおじさん)は労働には二種類存在すると指摘する。それが政治活動と経済活動。政治活動とは具体的にどんな活動を指すのか。経済活動とは具体的にどんな活動を言うのだろうか。
ちなみに政治活動とは政治家が行う街頭演説や選挙などのことを言うのではない。
 また、興味深いのは高学歴の人は政治活動に従事する場合が多いということ。

・お金が測定しているもの
「お金はその企業への貢献度に見合った額が支払われている」
私たちがかつてお金とは貢献度によって収入が決まると教えられ続けてきた。しかし、著者はお金は貢献度を測定しているのではないという。
では、お金が私たちのなにを測定しているのだろうか。

いじめが蔓延る原因
今、学校などでのいじめ問題が後を絶たない。その原因として著者は日本の学校独特の教育システムが原因だと指摘する。私たちは学校に通うことで自然といじめ体質が身についてしまっているのかもしれない。

お金を支えている驚きのもの
 
お金の成立過程は諸説あるものの、支えているものはお金がこの世で誕生した瞬間から現在まで長い間変わっていないという。
何がお金を支えているのか。その正体を知った途端、その考えを否定したくなるかもしれない。だってあってはならないことだから。
でも、世の中の仕組みを再考するとすべてソレによって支えられていることが明確になるため納得せざるをえなかった。

・もし人間が働かなくなったら生きていくことは可能か
もし、私たちが労働から解放されたとしよう。それで経済は回るのだろうか。私たちの衣食住は保障されるのだろうか。
その考えが普段私たちの衣食住を保障してくれている人々を支配しているのと同じだと著者は考えて、はっとさせられた。
私たちが生まれつき持っている欲望はなんだったか。それをもう一度考えてみると自然とこの疑問の答えが出てくる。

終わりに
このアンチワーク哲学という考え方に賛成する方もいれば反論したくなる人も出てくる書籍だと思う。でもそれでいいのだと著者はいう。
この本の考え方に疑問を持つことで世の中について考えるきっかけにつながり、よりよい社会へつながるきっかけになるのだから。

↓書籍についてはコチラ↓


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集