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年下への年齢バイアスを払拭するには?

本日は「年下への年齢バイアス」について語っていきたいと思います。
バイアスとは、「偏見」「先入観」など意味しますので、
「年下への年齢バイアス」とは、その人が自分より年下であるということによって発生する先入観や偏見ということになります。

「この人はXX歳」という情報を知った際、
年齢が近いと親近感が湧いたり、歳が上だと礼節への意識が生まれたり、歳が下だと上から目線で見てしまったりします。

特に、最後の「年下に対する上から目線」には注意しなければならないと考えています。
上司や教える立場の人が年下だったりすると、
「年下から教わりたくない」ひいては「年下に教わることなんてない」
という傲慢とも言えてしまうような考え方に至ってしまう人が稀にいます。

私はこれは非常に危険であると考えています。
というのも、この考え方が自分をアップデートすることへの阻害要因になるからです。

「先生」という言葉の語源は、言うまでもなく、「先に生きる」ということですが、これは何も年齢だけに当てはまる話ではないと思います。

「自分の方が年上だから色んなことをよく知っている」というのは、単なる思い込みであって、
自分が知らないことを知っていたり、自分よりも先に行なったことのある人であれば、どんな年齢であろうと先生である
と私は考えています。

したがって、先生、つまり「先に生きる人」とは自分が知らない、もしくは行ったことのないことを知っていて、それを教えてくれる人であって、それは年齢が何歳だからに限った話にはなりません。

これに関連した、江戸時代中期に日本地図を作ったことで有名な伊能忠敬のエピソードがあります。

伊能忠敬は、50歳から暦学の勉強を始めて、19歳年下の天文学者・高橋至時に弟子入りをして、天体観測や測量の技術を学びました。

ここには、2つの素晴らしい点がありますね。
まず、
 ・50歳から新たな勉強を始めたこと
そして、
 ・一回り以上、歳が下の師匠に弟子入りをしたこと
です。

一つ目の「50歳から新たな勉強を始めたこと」については、昨今言われている「リスキリング」の観点でも素晴らしいと思います。
何歳であろうが学び続けられる姿勢を持つということは本当に尊いです。
(ちなみに私は「リスキリング」という言葉が実はあまり好きでないのですが、これはまた別の機会で記事を書こうと思います)

そして、「一回り以上、歳が下の師匠に弟子入りしたこと」、
つまり、年齢差を超えて学び合うということを200年以上前に行っていたという事実は、賞賛はもちろんのこと、驚きにすら値します。
50歳の人が31歳の人に弟子入りするというのは、たとえこの令和の現代で持っても、相当な少数派になるのではないかと思います。

その後、伊能忠敬は55歳から17年かけて日本地図を作っていきます。
その途中で師匠である高橋至時が亡くなってしまったのですが、伊能忠敬は自身が亡くなる前の遺言で、「高橋先生の隣に葬って欲しい」と述べたとされています。
これだけでとても良い師弟関係が伺えますね。

ではなぜ、伊能忠敬がこのようなことが出来たのかと言うと、
おそらく「年齢バイアス」を持っていなかったからではないかと思います。

伊能忠敬に存在していたのは、
「自分が学びたいことがある、それに詳しい人がいる、だからその人から学ぼう」
という至ってシンプルな考え方で、それは自分が何歳であろうが、先生が何歳であろうが関係なかったということではないでしょうか。

そして、ここに年齢バイアスを払拭することのヒントがあるように思います。

上記でも記載した通り、年齢に関わらず、ある分野やジャンルで卓越した技術や知識を持っている方は何人も存在します。

そこで、まずは年齢バイアスは持たずに、
 ・その人はどういうことを考えているのだろう
 ・その人はどういう過程でここまでに至ったのだろう
というような点で、その人に素直に興味を持つことからスタートするのが良いように思います。

この時点で、「年下だから」「まだ子どもだから」などと一刀両断してしまうのは以ての外です。

それを踏まえて、
 ・この人から教わりたい
 ・この人と一緒に何かをやりたい
と思ったら、年齢に関係なく、その人に飛び込むというくらいの姿勢が大事なのではないでしょうか。

というわけで、最後に纏めますと、
年齢のバイアスを払拭するためには、以下の2点が必要と考えています。
それが、

 「好奇心」 と「向学心」

です。

まずは「好奇心」。
どんな人であろうと、「この人はこの点は凄いなあ」ということに興味を持つこと。
伊藤羊一さんは、「この人すげー!」や「この人やべー!!」と口癖にすることが「好奇心発生装置」になると仰っています。
まずはここからですよね。

そして、もう1点が「向学心」。
相手がどんな年齢であろうが、自分にはなかった視点や気付きを与えてくれたことに対して、「教えてくれてありがとうございます」と素直な気持ちになること、この「向学心に素直に向き合うこと」が年齢バイアスを払拭するもう一つのポイントかと思います。

この2つの心があれば、年下が上司であろうが、師匠が何歳下であろうが、
「何だよ年下かよ」というバイアスを気にすることなく、自分のアップデートをファーストプライオリティとして行動することができるのではないでしょうか。

今回は以上となります。
最後までお読みくださって本当にありがとうございます。
皆様の貴重なお時間をこの記事に少しでもいただいたことに心より御礼申し上げます。
大変暑い日が続いておりますので、くれぐれもご自愛ください。
それではまた。















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