【オルタナティブスクール実践・テーマ探究】小学生、お店(レストラン)を開く①
24年度の4月から神戸にあるオルタナティブスクールのラーンネット・あーるにて「テーマ学習(コンセプト探究)」の時間を担当させていただいています。
実際に子どもたちに関われる時間をいただけることは本当に楽しいです。
そんな日々の中で、子どもたちは思いがけない変化を見せてくれたりします。
今日はこの4月から7月まで実施してきた「テーマ学習」の内容と、その実践の中でみられた子どもたちの様子を書いていきたいと思います。
🔸テーマの時間とは?
ラーンネットのホームページにてこんな文言を見つけました。
まさに、僕が今回目指したテーマ探究もこの文言の通りです。
オープン探究と違い、テーマ探究※では子どもたちにとってある程度の縛りがある状態で学習活動を行います。
※「オープン探究とテーマ探究の違い」についてはこちら
この「縛り」は子どものモチベーション低下ややらされ感(主体性の低下)につながる場合もあるのですが、子どもの可能性を広げるためには必要不可欠な要素でもあります。
子どもが普段の生活の中で触れられる物事には限界があります。
例えば両親の職業が歯科医だとすると、子どもは歯医者という職業について一定の知識(たまに経験)を得ることができますが、他の職業について知る機会は多くありません。
クラスメイトがピアノやバレエを習っていれば、それらの知識は得られますが、乗馬やモルックなどについて知る機会は多くありません。
子どもの置かれた環境によって触れられるテーマは異なります。
そのため保護者の皆さんは週末や長期休みを利用して自然に触れる機会を作ったり、旅行先で違う文化に触れる機会を作ったりされているのではないでしょうか?
テーマ学習では普段の生活ではあまり触れることができないテーマ(トピック)を、可能な限り「実物・本物」を使って学ぶことを重視しています。
しかし「実物・本物」に触れることで「知識・スキル」を体得することだけが目的ではないんです。
体験学習やPBLを通して知識・スキルを得ることで、
子どもたちのモチベーションをある程度担保しつつ様々なテーマに触れることができます。
しかしそれと同じかそれ以上に重要なことは、その体験を通して得られる「概念的な学び」だと考えています。
国際バカロレアでは、この概念のことを下記のように表現しているそうです。
また、『思考する教室をつくる概念型カリキュラムの理論と実践』ではこのように表現していました。この本でいう概念を複数まとめて明文化したものを「一般化・概念的理解」と言ってます。
ちょっとわかりづらい表現かもしれませんが、僕は概念を「この世の真理」「生きていく上で本当に大事なこと」みたいなものと勝手に理解しています。(正確には多分違うのでしょうが、、)
このように、「実物・本物」に触れられる体験学習を通して、
知識・スキルを身につけつつ様々なテーマに触れ、興味を持てるものを探し、
「大事なこと(大事だと勝手に思っていること)」に気づいてくれたらいいな。
という想いでテーマ学習をしています。