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〈読書〉コンビニ兄弟2ーテンダネス門司港こがね村店ー
町田そのこさんの著作『コンビニ兄弟ーテンダネス門司港こがね村店ー』の続編を書店で見かけ、早速、購入して読みました。
・コンビニ兄弟2ーテンダネス門司港こがね村店ー 著者:町田そのこ
九州の地域密着型コンビニチェーン・テンダネス。
テンダネス門司港こがね村店の店長・志波三彦(ミツ)は、独特のフェロモンを発する人物です。
店には三彦のファンが多く訪れます。
その兄で廃品回収兼なんでも屋をしている二彦(ツギ)は、謎の人物ですが、テンダネス門司港こがね村店の常連で、コンビニの店員や、他の常連客とも知り合いです。
そして、前作の最後の方に登場した、二彦、三彦の妹・樹恵琉も、門司港に住み、働いています。
今回も、テンダネス門司港こがね村店に関わる人たちの目線で、話が進んでいきます。
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失恋した女子高生・詩乃。
元カレは新しい彼女と付き合い、学校で詩乃はすっかり『フラれた女』になってしまい、気分が悪い日々を過ごしていました。
そして、詩乃の家族と最近同居を始めた祖母・満江が、ある日、急におしゃれになり、家族を驚かせます。
その後、学校をさぼって、門司港を観光していた詩乃は、テンダネス門司港こがね村店で、祖母・満江と遭遇します。
満江は、店長・三彦のファンクラブに入っているとのことでした。
また、同じクラスの梓とも、偶然出会います。
この日、満江や梓と打ち解けることができた詩乃。
味方を得た詩乃は、失恋して憂鬱だった状況から、抜け出せそうです。
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テンダネス門司港こがね村店でバイトをする大学生・廣瀬。
高校時代は野球部員で、それなりに輝いていました。
しかし、大学では平凡な学生となり、高校時代から交際していた彼女・椿とも別れ、自信をなくしていました。
その廣瀬が、自分は今のままでいいと、少し自信を取り戻します。
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そして、女子高生・美月は、高校の友人グループになじめません。
幼なじみも、他校に進学してしまいました。
また、自身の態度が原因で、中学時代の友人たちにも避けられてしまいます。
孤独を感じていた美月を救ったのは、テンダネス門司港こがね村店で、偶然会った、同じクラスの志摩でした。
新しい友を得た、美月は優しさを他人に渡そうとします。
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コンビニの店長・三彦とその兄、妹も、キラキラしていて独特の存在ですが、皆、人を繋げていく才能があるようです。
短編の各主人公も、テンダネス門司港こがね村店に関わる人たちに助けられています。
救われた主人公たちも、他者を理解し、救おうとしています。
孤独を感じていても、きっと誰かと繋がれるという希望が、この作品から感じられます。
また、ためらわずに、少しづつ手を伸ばして、人と繋がることの大切さも描かれています。
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さて、エピローグでは、テンダネス門司港こがね村店に、謎の女性客が登場しています。
二彦の知り合いなのでしょうか?
さらに物語は続きそうです。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
こちらは、コンビニ兄弟シリーズです↓↓↓
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