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【私の仕事】 忘備録(3)中国合宿から帰国
【私の仕事】 忘備録(2)メンズエステ店からの つづきです。
◆この記事の内容:
中国人メンズエステ店を数日、泊まり込みで手伝った後、久しぶりに帰宅したことを書いています。
モンチッチママさん
メンズエステ店「女神」の中国人ママさんは、当時51歳。僕は60歳以上だと思っていた。なぜ、正確な歳がわかったかというと、後日、警察沙汰になる傷害事件が発生し、その手続きでママさんの診断書(兵庫県の病院が発行)を確認しからだ。
この傷害事件については【私の仕事】 忘備録(5)中国メンズエステ「傷害事件発生」をご参照ください👇
老けてみえたのはママさんも苦労してきたのだろう。
毎日ママさんに会っていると、ママさんの無茶苦茶な日本語に僕も慣れてきて、お互い理解し難いときは、ノートに漢字やイラストを描いた。
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ママさんは、日本に来て30年くらい経っていた。それでもこの日本語能力なのか。。。ちょっと不思議だが、そうだからしょうがない。旦那さんは日本人で、建設現場を転々とする「とび職」だったようだ。もう年金をもらっているが、身体が悪くN市内の病院に長期入院しているとのこと。ママさんとは少なくとも10歳以上は離れているようだ。
ママさんは、その人と結婚していない若い頃、王将で働いていたと言った。王将の餃子をつくるとき苦労したことや、焼くときのコツをジェスチャーを入れながら説明してくれた。
ママさんの興奮して話す中国語交じりの日本語は理解できないが、その仕事は辛かったことは充分、僕には伝わった。
ママさんが当時の状況を説明する中国語の中で、「いらっしゃいませ~」「餃子はいりました~」のこの2つの日本語のイントネーションが完璧なので、これ以外のママさんが話す中国語はわからなくても、僕には充分理解できた。
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「シュウマイ」をつくるのは、また餃子をつくるのと違って、難しいんだよとママさんは、シューマイをつくるしぐさをしながら涙ぐんで話してくれた。
そうか、、王将ってシューマイも有名だったのか。。。
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王将について
自分の仕事と中国人ママさんたちとの関わりをこのnoteで100記事くらいを書く予定ですが、「王将」が出てくることになりそうです。
僕も王将は好きですが、特におススメするつもりはありません。
ただ、中国人ママたちが若い頃(学生で日本に留学していたとき、など「王将」でアルバイトをしていたというのが多い。言葉の関係だろうか?王将は日本の企業ですけどね。
整形手術 顔を取り換える?
毎日、ママさんに会って、店を手伝っていると、いろんなことが起こる。少し前の和風の顔をしたレイちゃん(仮名)、多分30歳。この女性がママさんの店「女神」に時々、来ていた。
顔は美人。ただ、身体は全体的にぽっちゃりだ。
レイちゃんは、「顔を整形したい」といつも言っていた。
でも、レイちゃんの言う「整形」は、日本人の若い子が言う「プチ整形」ではない。自分の顔をすべて取り替えたいのだ。
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毎日、僕はママさんの店にいるので、こちらが聞かなくても、ママさんはレイちゃんのことも含めてなんでも僕に話してくれた。
ママさんは「これは秘密よ。」と言いながら、次の4つを教えてくれた。
●レイちゃんが、日本で顔のパーツを全て整形したら、300万~500万くらいかかると日本の整形外科で言われたこと。
●そんなにお金がないので、知り合いの韓国の整形外科に頼んだら、200万で整形できること。
●そして、本当に韓国に行って整形手術が終わって、今、日本に帰って来ていること。
●でも、今、顔が腫れ上がって大変なことになっていること。
以上4つのポイントは、ママさんの中国語交じりの日本語を何回も聞いて、僕が出来るだけ正確に聞き取った内容だ。
申し訳ないけど、こういう事って、他人事なので「なんか面白い」と思ってワクワクしてしまう。。。
その後、どうなったか????
レイちゃんの顔を取り換えた話は、次のnoteをご参照下さい👇
ママさんの手料理
ママさんの店「女神」は日本橋のある雑居ビルの2F。
そのビルの5Fにも部屋を借りていて、お客さんが多いとき、そこも「施術ルーム」として使うこともあるが、基本は5Fで食事や寝泊まりをしていた。キッチンもあり4畳くらいの部屋が2つあった。
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僕が仕事を手伝った後は、ママさんは食事を作ってくれた。
よく作ってくれたのは、ソーメンに拉麺の味のする汁を入れて、その中へうずら卵と野菜を直接入れて煮込んだもの。
見た目は、日本で言う「にゅう麵(温かい素麺)」かな?
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中国ではなんという名前の食べ物か僕には分からない。今までに食べたことがない味。おそらくママさんのオリジナルだと思う。作ってもらって申し訳ないけどあまり美味しくはない。
ママさん自身も「美味しくない。残していいよ。」とよく言ってた。
ミミさん
お客さんとの通訳兼従業員のセラピストの「ミミさん(仮称)」は、推定年齢60歳。
ママさんもそうだが、ミミさんも僕を子供のように扱うので年上なのは間違いないだろう。
僕は、毎日、ママさんの店「女神」近くの「スーパー玉出」に食材を買い行くとき、必ず、おこづかいとして少しお金をくれる。
子供の頃、お使いをしておばあちゃんから、「お駄賃」をもらったのを思い出す。
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ミミさんは韓国人と中国人のハーフ。若いときはまちがいなく美人だったと思う。元々太らない体質らしくスタイルは抜群。
ミミさんの韓国&中国料理
ミミさんは料理が上手。日本語も上手。日本語の細かいニュアンスを理解できる。ミミさんは以前、韓国で料理店も経営していたようだ。
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ミミさんは「女神」を辞めたら、韓国に戻って、また料理店の商売をしたいらしい。
ミミさんが作る夕食は豪勢。少なくとも4品は作る。
料理のときに色々手伝わされるが、指示は細かい。味付けも慎重だ。火加減のタイミングが大きく左右するらしい。部屋には小さなコンロが1つしかないので、厳しい目で火を見張る。
4品の内、2品は韓国料理、ミミさんの自分用だ。2品は中国料理。ママさん用。僕は、両方食べる。
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こんな感じで韓国と中国の手料理を毎日食べるので、体重が増えてきた。
食べた後は毎晩、店の経営状況について3人で話をする。といってもゆるーい感じだ。ママさんはスマホで中国のポップスを聴きながら、ミミさんはゲームをしながら、僕はそれを見ながら、畳に寝そべりながら話をする。
話はいつも脱線するのでどうしても遅くなる。夜遅く帰るのが面倒になって店に泊まるようになった。
中国合宿
店は夜中2時まで営業しているので、寝るのは2時以降。それにしてもエステ店は快適だ。ベットがあり、シャワーあり、冷暖房完備。洗濯機もある。机もソファもあり、WIFIも飛んで、古いがパソコンもある。店の周りは風俗街で夜は騒がしいけど、コンビニもたくさんあり24時間開いていて便利。
お店の手伝いで身体を動かし、食べて、泊まって、、この繰り返し。
学生時代、部活をしていたときの「合宿」を思い出した。
この状況は、まさに「中国合宿」だ。
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店のお手伝い
エステ店で寝泊まりするのは、まったく苦にならない。この雰囲気を懐かしく感じる。実家の母親が、ビューティーサロンを自宅で30年経営していた。子供の頃、勝手にサロンに入って、美容機器で遊んでよく叱られた。
ママさんの店は、僕の小さい頃に住んでいた家のサロンと雰囲気がよく似ていた。
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ママさんのお店「女神」を手伝い始めたのは、7月中旬の最も熱い時期。店には自転車で通っていたので、暑くない夜中3時に家に向かって帰るのがちょうどよかった。家について朝4時。それでも汗でボトボト。
これが、だんだん面倒になったので、お店に毎日泊まるようになった。こうなると、日数が経つのは早い。1週間はあっという間だ。曜日の感覚がなくなってきた。
毎日、けっこう忙しい。することはいくらでもある。日々、何かトラブルが発生する。予約した女の子が来ない。お客さんが店の対応が悪いとお金を払わない。ヤクザ系の客が凄む。店の物が盗まれる。。。など毎面倒なことが毎日起こる。
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気が付いたら1週間くらい連続で泊まっていた。
さすがにママさんたちも「奥さん大丈夫?心配しないの?」と言い出した。
LINEで居場所だけは妻に連絡しておいたが、自分も久しぶりに帰りたくなった。
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僕と妻の関係は世間の感覚から大きくかけ離れている。これは、後に書ける範囲でnoteに書くつもり。
自転車パンク
さて、今日は帰るかと、ビルの下に勝手に停めておいた自分の自転車を乗ろうとすると、パンクしている! もう夜遅いので近くの自転車屋は閉まっている。
道頓堀のドン・キホーテに行けば、深夜まで開いてるので、そこで自転車パンク修理セットを購入できる。それを買って、パンクを自分で直して、家に帰ってもいいけど、暑いし、面倒だ。
仕方なく、もう1泊させてもらった。
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このとき、いつもの店で泊まるのではなく、ママさんの部屋で、ミミさんとも一緒に布団を並べて寝るようなった。まるで合宿だ。4畳の部屋で3人で寝るのはとても狭い。
なぜ、もう一つの4畳の部屋も使わないか? その理由は、深夜、もし常連さんが電話してきたら、その部屋で対応するため。1つの部屋は常に施術ルームとしておく。
実際、常連さんは深夜にママさんの個人の携帯に電話して来店して来た。真面目そうな30歳くらいの男性だった。
後でミミさんに聞くと、
「あの人、おとなしい感じでしょ。学校の先生よ。よく来てくれるの。」
言われてみると風貌からそんな感じだった。学校の先生もストレスあるだろうなぁ。。
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川の字
ママさんたちと川の字になって寝ていると、ママさんとミミさんが遅くまで喋っている。電話もしばしばかかっている。実際、眠れない。
店の方で寝たいと言ったら、ミミさんに電気代も馬鹿にならないと言われた。確かにそうだ、僕一人のために店の空調を使うのはもったいない。でも、季節は真夏なのでエアコンを切ると、蒸し暑くて寝れない。それに窓を開けると、前が御堂筋線なので車の音がうるさい。それに排気ガスも入ってきてしまう。
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仕方ないので、まんじりともせず3人で一緒の部屋で寝ることになった。結局、僕も疲れていたのか、次の日の朝9時頃まで寝てしまった。
目が覚めたら、直射日光がさして部屋は暑くなっていた。もっと早く起きるべきだった。家に帰らず、泊まり込みで「女神」を数日、手伝っているので疲れているかもしれない。
ママさんは僕の自転車が昨日、パンクしていることを覚えていて、「一緒に自転車屋まで行こう」と言ってくれた。
ママさんが自分の自転車に乗って、僕はパンクした自分の自転車をひきずりながら、店から5分くらいのところにある自転車屋まで一緒に行った。
自転車屋に行く途中、歩いていた3,4人の男性がママさんに「おはよう」と挨拶をした。へえ、ママさんはこの辺りでもやっぱり有名なんだなぁと感心した。ただ、僕を見た人は「誰?これ?」の顔をしていた。
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自転車屋のご主人もママさんをよく知っているようで、何も言わなくてもすぐ、僕の自転車のパンクを直してくれた。そして、パンク修理代を店の主人に支払おうとするとママさんがその代金を払ってくれた。
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「ありがとう、助かったよ。じゃ、俺、今から家に帰るね。」とママさん言った。
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すると、ママさんは「ちょっと待って。お店まで戻って。」と言う。
なんだろう?と思って、「女神」の店があるビルの下まで一緒に戻った。
ママさんは「ここで待って、電話するから」と言う。
しばらく待っていると、ママさんから僕の携帯に電話がかかってきた。
「エレベーターのところまで来て欲しい」と言ってるようだ。
粗大ごみのカーペット
ビル1Fのエレベーターのところまで行くと、すぐ開いて、ママさんが重たそうに店の粗大ごみのカーペットをひきずっている。
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そして僕に早口で何か言っている。もうすでにママさんとの日頃の関わりで、言葉が通じなくてもよく言いたいことはわかる。
「明日、粗大ごみを出す日だから、自転車の荷台に載せて、ごみを出す場所まで、持って行って欲しい」ということだろう。
このゴミ出しの作業は量も多くけっこう大変だ。
そうか。。だから、ママさんは僕のパンク修理代金を支払ってくれたのかな。
ゴミ出し完了したことをママさんに言うと、ママさんはとても喜んで、「以心伝心!」のようなことを中国語で言った。
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久しぶりに家に帰るとき、中国から帰国するような気持ちになった。そう言えば、日本人とほとんど話しをしていなかった。ママさんとミミさんの中国語を1週間聴き続けた。中国語を効率よく勉強するには、中国エステ店を手伝うことかもしれない。
手伝ったと言っても、ほとんど裏方だ。当然ながらメンズエステ店のお客さんはすべて男性なので、僕が「いらっしゃませ」と受付をするわけにはいかない。これをすると男性客は店に入らないで帰ってしまう。受付はママさんかエステシャンの女性でないといけない。
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僕がママさんのメンズエステ店のことで手伝ったことは、新メニューをワードで作成したり、ホームページを修正したり、店の経費関係をコンビニへ支払いに行ったり、郵便物の管理など。
そして、マッサージ用オイルを中国から直輸入しているので、その内容確認と受取り、あとは、掃除だ。洗濯はしなかった。逆にママさんたちに自分の着たものを洗濯してもらっていた。
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帰国
久しぶりに自宅に着いた。家内は開口一番、「お帰り、どこへ出張だったの?」と皮肉を言う。ママさんにもらった中国製のおかしを見せながら「中国に決まってるやん。」と言ったら、
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家内は「パスポートなしで?」とさらに尋問し始めた。
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「とにかく何があったのか後でゆっくり話すよ。」と言って、もらってきた中国製の食べ物やその他色々なものを妻に渡した。
妻に説明するより、一刻も早くシャワーを浴びたい。
炎天下を約50分かけて日本橋から自宅まで自転車で帰ってきたのだ。汗が滝のように流れ、靴下まで汗で濡れている。
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久しぶりに日本に帰ってきた気分だ。やっぱり日本はいいなぁ。。。
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【私の仕事】 忘備録(4)「顔を全部変えるわ!」レイちゃんの『大整形手術』 へつづく。。。
*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。
◆ご注意:一部の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されていますが、すべて18歳以上向けです。
よい子の皆さまは読まないでくださいね。