器用貧乏に悩んだ若手社員が、”チャーム”でヤリタイ仕事を引き寄せた話
前回は、ホワイト化が進んだ社会で、一人一人がどうキャリアを考え、切り拓いていくべきか?について書いてみました。
今回はその続編として、『どうやったら周囲に評価されつつ自己成長も実現し、やりたい仕事を掴めるのか?』という話を書きたいと思います。
手前みそですが、私は戦略ファーム勤務時に割と早期昇格しており(約半年で1階級ずつ昇進→2年未満でM昇格)、その時大事にしていた考え方をオープンにしてみます。かなりドキドキしています!笑
企業内でのやりたい仕事の引き寄せももちろんですが、私自身、現在事業立ち上げに向けて色々な人のお知恵を拝借していく際にも大事になる実感がある能力。
それは、”チャーム(愛嬌・可愛げ)”です。
『器用貧乏で専門性も無いし、やりたい仕事は今後も見つからないし、できないのではないか。』そう思っていた私ですが、このチャームのスキルが救ってくれました。
私も過去通ってきた、こんな方々に届くメッセージなれば嬉しいです。
・会社員で、なんとなく今の仕事に物足りなさやモヤモヤを感じる人
・頑張っているのに、会社があまり評価してくれないと感じる人
・器用貧乏で色々できるが、軸がないと悩んでいる人
・部下の育成やマネジメントに苦しむ中間管理職の人
・個人で仕事をする上で、頼れる人がいなくて心細さを感じる人
はじめに:チャームとは何か?
コンサル業界では、新たに入社した社員に対し、「チャームあるね!」みたいな言葉が飛び交います。
可愛げがありついつい教えたくなっちゃう人。という意味で使われることが多く、入社後スタートダッシュを切る社員が共通して持っている特性です。(それか、めちゃくちゃ頭キレるかのどちらか)
ただこの言葉、定義が曖昧で、人によって捉え方が異なります。
「また精神論かよ」、「はいはい明るい人が有利ってことね」と思う人もいるかもしれません。
が、私はこれは歴とした ”スキル” と捉えています。
スキルなのだから、後天的に身に着けられます。逆に言うと、斜に構えてチャームをないがしろにする人は、損をする。
私なりに定義を分解していくと、以下の要素になると考察しています。
・『チャーム』=周囲がついつい指導し、引き上げたくなる可愛げ
・『チャーム』=『①素直さ』x『②やり切る姿勢』x『③視座の背伸び』
構成要素を、もう少し定義してみます。
・『①素直さ』=これまでのやり方やプライドを捨て、教えを乞い、正面から受け入れ血肉にしていく。
・『②やり切る姿勢』=与えられた仕事を死守すること。上司には、口は出させても手は出させない(もちろん頼るときは頼る)。
・『③視座の背伸び』=意思決定者(上司や顧客)に憑依し、必要な情報/作業/分析を先回りして実施したり、同じ目線で改善点を提示する。
チャームが”ある”vs”ない”で何が変わるか
今回も、コンサル現場を引き合いに出してみようと思います。
コンサル入社する人の大多数は、大きな壁に直面します。
新しく覚えるべきこと、情報処理のスピード、概念抽出の難しさ・・・等々、これまで経験したことがないレベルの業務が必要になる。
やや誇張表現をすると、
新卒入社は、『社会人なんぼのもんやねん!半年で先輩超えてやります!』という淡い幻想は、プロジェクト初日に打ち砕かれる。
中途入社は、『実績を活かして爪痕残してやります!』という前職で身に着けた自信は、木っ端みじんに打ち砕かれる。
無理もない。コンサルは累積経験がモノをいうゲームなのです。
(事業会社でも同じだったので、「仕事は」と言い換えられそう)
上司部下で知識レベルに大きな差があり、そもそも思考のスタート地点も応用力も全然違います。クライアント側もプロなので、同じ土俵で正面衝突して勝てるわけがありません。
(たまにジャイアントキリングも起きるが、再現性はない)
そんな時に必要になるのが、”チャーム”です。
できない自分を受け入れ、「成長を想って指導されやすい存在」になれるか?が、職場での機会獲得を大きく左右します。
ぜひ思い出してほしいこの方程式。
『チャーム』=『①素直さ』x『②やり切る姿勢』x『③視座の背伸び』
これまた誇張表現ですが、イメージを掴んでもらうため、チャーム有無別のメンバーに対する上司の本音を見てみてもらえればと思います。
■チャームが ”ない” メンバーへの本音
「即戦力では使えないな」→「①何度言ってもどうせ聞かないし疲れるな」→「②難しいことお願いしても最後はどうせ私が巻き取るし」→「③自分の仕事しか考えていないから方向性のズレも気づかないし」→「であればやれることだけやってもらって異動を待つか」
■チャームが ”ある” メンバーへの本音
「即戦力では使えないな」→「①でも考え方を伝えたらまずその形でやってくれるんだよな」→「②やり切る前提で上司のリソースを使ってくれるし」→「③同じ目線で考えてくれるからズレにくく、先回りもしてくれる」→「今回もきっと成長してくれる。一個上の仕事を任せてみようか」
上司側のマネジメント・育成スキルももちろん重要ですが、日々忙しく、かつ仕事を振りにくくなった現代では、マネジャー側も育成より効率を追求する思考が働きがちです。
そんな中、チャームの有無で上司部下の関係性は大きく差が生まれ、与えられる機会は圧倒的に変わり得ます。
私のスタンスは常に、「組織や上司に運命を委ねない」こと。必ずしも組織も上司もあなたの成長に献身的ではないので、上記のリスクを少しでも感じるならば、行動を変えてみるのも一手では、と考えています。
特に重視される”視座”の要素
ズバリ差がつくのは、『③視座の背伸び』をしているかどうかです。
マネジャーや管理職からすると、自分と同じ目線で物事を考え行動してくれるメンバーの存在は、本当に貴重でありがたいものです。
目の前のことに全力を出してくれるメンバーももちろん尊いのですが、それだけだと、目線や方向性がずれたり、アウトプット品質が要求に満たなかったりする。
また、視座が合わないと、毎回同じような指摘を受けてしまったりします。何故そんな指摘を受けたのか?の本当の意味もわからないからです。
組織形態や日々の仕事上、近視眼になるのは仕方ない。
でも、だからこそ、思い切ってマネジャーと同じ視座に立ち、一個二個上の役職になったつもりでやるべきことを広げていく。
すると、グッと視界が開けて、目の前の業務の意味もクリアにわかったりするので、必然、パフォーマンスも上がる。
また、常に役職を上がる準備ができているとPRすることで、任される仕事の範囲も広がり、自分が本当にやりたい仕事を引き寄せる/作ることをサポートしてくれたりもします。
では実際、日々どう行動していくべきか
以下は、私が実践してみたことです。
最初は途方に暮れますが、一歩踏み込んで息を止めて頑張ると、1か月くらいで仕事の進め方や周りの評価が変わっていきました。
※他にもできることはあると思うので、是非コメント等でシェア頂けると嬉しいです!
例えば、こんな質問を自分の中で繰り返してみるといいです。
・マネジャーは、日々誰からどんな指示や期待を受け、どのような責任を負っているか?
・自分に最低限期待される成果は何か?
・それは、部署やチーム全体で、どういう意味を持つか?
・指示に先回りし考えておけることや、調べておくことはないか?
・部署全体を俯瞰して、ポテンヒットになりそうな仕事はないか?
・マネジャーの管理業務が楽になるような仕組み作りはできないか?
そして、考えだけでは変わらないので、思い切って行動も変えてみて、前向きな失敗をしていくこともおススメです。
・マネジャーへの報告の際、「このタスクの、プロジェクトや部署全体における意義」に対する自分なりの理解を伝えすり合わせる
・指示内容に加え、もう一歩必要と思うことに思考を巡らせ、たたき台として提供する(実際に進める前に)
・もらった指摘事項を踏まえ、実行まで責任をもってやってみる
・実施したうえで、組織に還元できるような提案を合わせて報告する(例えば実施に適した仕組み作り等)
めんどくさ!!と思うかもしれませんが、こうしたアクションを繰り返すことでマネジャーから”あなたへの信頼”が貯まり、指導のモチベーションが湧いたり、やりたいと言っていることを実現させてあげたくなる。
そして、自分も全体が見えるようになることで、「自分が本当は何をやりたい、やるべきか?」が見えたりもします。
そのタイミングで信頼が貯まっていれば、組織と個人のWin-Winが成り立ち、あなたにその仕事をやらせない意味がなくなり、チャレンジの機会は広がっていきます。
機会を待つのではなく、主体的に作っていく実感もあるので、何かに不満を言う無駄な時間も無くなり、心も軽やかで健やかになっていきます。
もちろん仕事は大変になりますが、この動きを早い段階で実施すればその後の可能性が大きく広がることを考えれば、十分にペイする投資だな、と考えています。
まとめ
今回は、機会を手繰り寄せるための”チャーム”についてご共有しました。
これが唯一解とも思わないので、是非コメント欄などでお考えをシェア頂ければ嬉しいですし、各職場の状況に合わせてカスタマイズしていってもらえれば本望です。
私の想いは一貫して、『仕事の機会は自ら作り出すこと』にあります。
人から与えられるのを待つのは、今の時代何も起こらないリスクがあるし、何より、自分で作り出した仕事のほうが想いが乗って楽しい。
また、今回シェアした考え方は自分ひとりでやるべきことでもなくて、上司や周囲の方のサポートを得ながら進めていけばいいことです。
ドンドン、周りに頼っていきましょう。
そんな機会を作っていきたい!と思う方をご支援していきたいので、もし身近な人には相談しにくいな・・・という人がいれば壁打ちにお付き合いするので、是非お気軽にメッセージなどでお声かけください!
ではまた!