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「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」㉕「コロナ禍」の介護について。

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 初めて読んでいただいている方は、見つけていただき、ありがとうございます。

 私は、臨床心理士/公認心理師越智誠(おちまこと)と申します。家族介護者の心理的支援を仕事にしています。

家族介護者の負担

 コロナ感染対策の緩和が言われるようになりましたが、ご高齢者に関わることが多い家族介護者の方にとっては、それほど不安の大きさが変わっていないかもしれません。それに、もともと、介護が始まってから、いつ終わりが来るか分からない毎日が、ずっと続いているかと思います。

 その気持ちの状態は単純ではなく、説明しがたい大変さではないかと推察することしかできないのですが、それでも、ほんの少しでも負担感や、ストレスを減らせるかもしれない方法は、お伝えする努力はしていきたいと考えています。

 時間的にも余裕がなく、どこかへ出かけることも出来ない場合がほとんどだと思いますが、この「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」シリーズでは、お金も時間も手間もなるべくかけずに、少しでも気持ちを楽にする方法を考えていきたいと思います。

 ただ、今回は、こちらから「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」を具体的に提案するというよりは、コロナ禍の中で、どのように対応してきたのか?を、改めて振り返って、考えてみたいと思っています。

ウイズコロナ

 2022年の秋になり、それほど感染状況は変わっていないのに、コロナ禍という言葉はあまり聞かれなくなり、「ウイズコロナ」などと表現される場合が多くなってきた印象ですが、それでも、特に高齢者と関わることが多い、介護をされている方々にとっては、その緊張感は、あまり変わりがないかもしれません。

 2020年に新型コロナウイルスの感染が広まってから、高齢者施設ではクラスターが発生することもあり、そして、このウイルスは、特に高齢者が重症化しやすいことが明らかになり、さらにワクチンが接種されるようになっても、その傾向が軽くなったと言っても、今も新型コロナウイルスによって死亡される方は、高齢者が多い傾向は変わりません。

 ただ、そのこともあまり報道もされなくなりましたが、今も、介護をされる方々のコロナ感染への警戒心はそれほど変わらず、周囲が「ウイズコロナ」などという言葉とともに、感染予防への注意が減ってしまったとしたら、かえって負担感は増えているかもしれません。

コロナ禍での変化

 コロナ禍と言われるようになってから、この2年半の家族介護者の方々は、安直な言い方をするのは失礼だと思うのですが、とても大変だったと推察します。何しろ、未知のウイルスですから、その対応も分からないままで、高齢者施設にクラスターが発生したり、いつも利用しているデイサービスやショートステイが突然、閉まってしまったこともあるかと思います。

 その時は、コロナ感染に対しての不安が膨らむ上に、介護負担も増大し、しかも、これがいつまで続くか分からないので、より負担感が大きくなったのではないでしょうか。

 病院や施設に入所されているご家族がいらっしゃる場合は、突然、面会禁止になることも多かったと思います。その時は、会いたくても会えず、施設や病院に任せるしかないとしても、いつもとは違う不安によって、さらに負担感が増したかもしれません。

 そして、そんな大きな変化に対して、今は少し慣れてきた、という感覚になり、そのことで、ほんの少しでも気持ちが楽になった、ということはあるのでしょうか。

対応

 私は家族介護者の心理的支援をしていて、直接関わっていないので、何かを言う資格もないのですが、特にコロナ禍が始まった頃の、介護に関わる専門家の方々の大変さは、想像しにくいほどです。

 感染することで重症化し、亡くなることもあるわけですから、その感染予防にはどれだけ神経を削るような思いをされたのかを、推察するしかないのですが、それでも、デイサービスやショートステイは、ワクチン接種もありますが、それ以上にさまざまな対策の徹底によって、コロナ禍が始まってからしばらく経つと、再開する話もよく聞くようになりました。

 さらには、面会ができなかった施設や病院でも、ガラス越しだったり、タブレットを使ったリモート面会などが可能になってきたと聞くようになりました。それは、スタッフの方々の工夫や努力のおかげだと思っていますが、そのことで、介護者にとっても、それまでの面会とは違うとしても、随分と不安が減ったのではないでしょうか。

 2年半が経って、コロナ禍の介護の変化については、まだどうなるか分からない点が多いとはいえ、ある程度は、落ち着いてきた、というか、全く先が見えないわけではなく、それこそ、新しい常識が少し浸透してきたような状況かもしれません。

コロナ禍の介護体験

 急にこれまで利用していた介護サービスが使えず、全ての時間を家で介護しなくてはいけなくなった時。

 今まで会いたい時や、不安になった時は、通えていた施設が、突然、面会禁止になった場合。

 感染への恐怖や、実際に感染されてしまった時。

 この2年半の介護は、これまで経験していなかったことが頻繁に起こったと思います。今もコロナ禍は収束までは遠いようですが、それでも、この2年半で、その未知の出来事に対して、どのように対処してきたのか。そんな貴重な体験談が、はっきりと見えなくても、膨大に蓄積しているはずです。

 それは、まだ続そうなコロナ禍での介護にとって、どうすれば少しでも負担感や負担が軽くなるのか。そんなことに通じる重要なデータであると思います。

体験を話すこと

 無理のない範囲で構いませんで、そうした貴重な体験をされた方々は、どうやって乗り切り、もしくはそんな時、どのようなことが自分の気持ちを少しでも軽くしたのか。そんな話を、周囲の方に伝えていただけないでしょうか。

 もしくは、よろしければ、同じようにコロナ禍で、介護をされている方々と、そうした会話をしていただくことは出来ませんでしょうか。その時に気持ちの共有が少しでもできれば、それで、大変さがやわらぐかもしれませんし、同時に、会話をすることによって、介護の負担や負担感を和らげる知恵が、蓄積されていく可能性もあります。

 さらには、今も日々接していられる介護の専門家と、現在進行形ですから、落ち着いて振り返るのは難しいとは思うのですが、それぞれの立場で、どういったことが大変だったのか。その際に、どのようなことが自らの助けになったのか。

 そんな会話ができれば、それ自体が、これからの介護者にも、介護の専門家のためにもなるのでは、と思います。

 さらには、こうして共通のコロナ禍での体験は、新しい困難も多いので、それについて、似た体験をされたことを話し合う自体が、もしかしたら、ゆるやかな自助グループのような働きになり、負担感を和らげることにつながる可能性もあるとも考えています。

 そして、もし、さらに余力がありましたら、よろしければ、私のような人間にも無理のない範囲で、そうした体験を少しでも伝えていただければ、ありがたく思っています。


 今回は、介護負担感をやわらげる方法について、こちらから提案することはできず、申し訳なかったのですが、コロナ禍での、介護者としての様々な経験を少しずつでも伝えることで、誰かが負担感を和らげることにつなげれば、と思いながら書きました。

 疑問点、ご意見などをお伝えくだされば、とてもありがたく思います。よろしくお願いいたします。




(他にも、介護のことを、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。





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越智誠  臨床心理士/公認心理師  『家族介護者支援note』
 この記事を読んでくださり、ありがとうございました。もし、お役に立ったり、面白いと感じたりしたとき、よろしかったら、無理のない範囲でサポートをしていただければ、と思っています。この『家族介護者支援note』を書き続けるための力になります。  よろしくお願いいたします。

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