介護について、思ったこと⑧今後の「コロナ対策」について。
いつも読んでくださる方は、ありがとうございます。
そのおかげで、こうして書き続けることができています。
(この「介護について、思ったこと」を、いつも読んでくださっている方は、『「世田谷方式」について』から読んでいただければ、繰り返しが避けられるかと思います)。
初めて、読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。
臨床心理士/公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。
自己紹介
私は、元・家族介護者ですが、介護中に、介護者への心理的支援が足りないと思い、生意気かもしれませんが、自分でも専門家になろうと考え、勉強し、学校へ入り、2014年に臨床心理士になりました。2019年には公認心理師の資格も取りました。
さらに、家族介護者の心理的支援のための「介護者相談」を始めて、ありがたいことに8年目になりました。
(よろしかったら、このマガジン↓を読んでもらえたら、これまでの詳細は分かるかと思います)。
介護について、思ったこと
このnoteは、家族介護者に向けて、もしくは介護の専門家に対して、少しでも役に立つようにと考えて、始めました。
もし、よろしければ、他の記事にも目を通していただければ、ありがたいのですが、これまでは、現在、話題になっていることよりも、もう少し一般的な内容を伝えたいと思って、書いてきました。
ただ、今回は、今はやや落ち着いているのですが、新型コロナウイルスの対策について、政府発表を聞いたり、書籍を読んだことによって、お伝えしようと思ったことがあります。
よろしかったら、読んでいただければ、幸いです。
「世田谷方式」について
2020年から、コロナ禍になり、気がついたら、高齢者施設で感染者が多数発生してしまい、犠牲者も多く出てしまいました。
その頃は、検査抑制論を聞くことが多く、だけど、特に高齢者が重症化しやすいのは分かっているのだったら、少なくとも高齢者関連の施設や関係者や、もちろん高齢者自身も、もっと積極的に検査をして、無症状の感染者を隔離することが大事なのではないかと思っていました。
ただ、そういう対策が進まない中で、「世田谷方式」という言葉を聞き、どうやら世田谷区では、感染対策がうまく行っているらしい、といった噂を聞きましたが、詳細を知らないまま、今は、感染が落ち着いているため、さらに分からないままでした。
それが、最近、この書籍で、世田谷区長の話を知り、「世田谷方式」が、どういうものか。恥ずかしながら、初めて少し具体的に理解できたように思いました。
定期的に介護施設等を巡回する検査に加えて、介護施設で感染者が出たら、周囲にいる濃厚接触者だけでなく、施設にかかわる職員や利用者など関係者全員にPCR検査をかける。そうして無症状の感染者を探し出し、クラスターを未然に防ぐ。そんなプロジェクトを世田谷区として実行することになりました。
このプロジェクトを、検査抑制論が大勢のように見える時に行うのは、おそらくは勇気もいることだと思うのですが、そのことを、世田谷区長である・保坂展人氏は、こう語っています。
世田谷区はかなりの数のPCR検査を積極的にやってきました(2021年6月10日までで、約5万2000件)。そのため感染の確認数も、ほぼずっと都内で一番です。世田谷区は人口が多いこともありますが、PCR検査を拡大したことで、陽性者数も大きな数字が出続けました。この数字だけを見て、「世田谷区は何をやってるんだ」とおっしゃる方がいたのですが、人口一人あたりで換算すると東京23区の中位の発生率となり、他の区よりも人口や検査数が多いことを理解してもらいたいと思いました。
新型コロナで大切なのは、早いうちに見つけ、治療して重症化させないということです。
様々な非難を受けることも前提として、感染者数を減らすためという目標を見失わずに、実施し、成果をあげたとするならば、国の方針として、これを取り入れ、実行し、これからも、犠牲者を、一人でも減らしてほしいと思いました。
新型コロナウイルス感染症対策
この約2年、コロナ対策に関して、国の政策が納得いった記憶がほとんどありません。後手後手に回ってしまった印象が強く、オリンピック開催にこだわったために、(どうしてもそう見えましたが)犠牲者が増えてしまったように思えました。
「多くの救えたはずの命が放置され、失われた。同じ目に遭う人を出してはいけない」
そうしたことがあったために、コロナ自宅療養者での死亡遺族会が発足しています。まだコロナ禍が続いているのですから、感染が落ち着いている今のうちに、感染対策をきちんと取ることが、こうした声に応える事になる、と思いますが、先日、これからの「コロナ対策」が発表されました。
政府が発表した、この対策が、コロナ自宅療養者での死亡遺族会の声に対しても、本当に応えることになるのか。本当に詳細な検討は、私には難しいと思いますが、この目標通りに実現すれば、かなり状況は変わってくるのだと思います。
ただ、ワクチンはいつまで効力が続くのか。飲める治療薬が順調に効果を発揮するかどうか。今のところ、本当には分かりませんから、「第六波」がこないとも限りません。
PCR検査について
この「官邸ホームページ」での対策の中で、検査に関して、こうしたことが書かれています。
検査も抜本的に拡充します。健康などの理由でワクチン接種できない方が、予約無しに、無料で検査を受けられるようにするとともに、感染拡大時には、ワクチン接種者を含め、無症状者でも無料で検査を受けられるようにいたします。
「検査の拡充」という言葉をきくと、昨年の「検査抑制」の流れは何だったのだろう。と思いますし、方針を転換するのであれば、説明をしたほうが不安も減少しますし、信頼も増すとは思うのですが、それを望むのは難しそうです。
この中で、気になるのは、この部分です。
感染拡大時には、ワクチン接種者を含め、無症状者でも無料で検査を受けられるようにいたします。
感染拡大してから検査を増やしても遅いのではないか、と素朴に思います。
それよりも、世田谷方式の成果を改めて検討した上で、特に高齢者施設では、もっと頻繁に検査をして、無症状の感染者を見つける努力は、感染が落ち着いている今の状況から、全国的な規模で、ずっと続けるべきではないでしょうか。
そうであってこそ、ここまでのコロナ対策の失敗も含めて生かせるはずです。
繰り返しになりますが、前出の「この政権なら乗れる」の中の、世田谷方式を、今からずっと、全国で続けることは、そんなに難しいことなのでしょうか。
定期的に介護施設等を巡回する検査に加えて、介護施設で感染者が出たら、周囲にいる濃厚接触者だけでなく、施設にかかわる職員や利用者など関係者全員にPCR検査をかける。そうして無症状の感染者を探し出し、クラスターを未然に防ぐ。
これを継続すれば、これから「第六波」が来たとしても、高齢者施設などでのコロナ感染による犠牲者は、少しでも減らせると思うのですが、どうでしょうか。
現在の状況
今は、今年に入って、最も感染が落ち着いているかもしれず、そんな時から、病床の拡大や、ワクチン接種3回目や、治療薬のことに加えて、特に高齢者を中心に、検査体制も万全にしていくべきではないでしょうか。
本当の意味での治療薬ができて、感染が収まるまでは、それらを、地道に続けるべきではないかと思っています。
(他にも、介護のことを、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでいただければ、うれしいです)。
#介護相談 #臨床心理士
#公認心理師 #家族介護者への心理的支援 #介護
#心理学 #私の仕事 #臨床心理学
#家族介護者 #介護者支援 #家族介護者支援 #介護の継続
#介護の専門家 #在宅介護