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「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」⑫「聴覚や味覚を刺激する」
初めて読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。
臨床心理士/公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。
いつも読んでいただいている方は、ありがとうございます。
そのおかげで、書き続けることが出来ています。
「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」
介護をされている方にとっては、いつ終わりが来るか分からない毎日が、ずっと継続している感覚だけは、周囲の状況が、今のようなコロナ禍になったとしても、もしかしたら、変わらないのかもしれません。そして、その感覚は、他の方々には、なかなか理解されにくいことだと思います。
ワクチン接種が始まったとしても、まだ十分に行き渡っていない状況でもありますし、ご高齢者と関わる日常を過ごされている場合は、より心配も高まるかと思います。
いつも読んでくださる方には、繰り返しになり申し訳ないのですが、私も家族の介護をしていた時期があります。その時間の中で、家族介護者の方の、こころのサポートが必要だと考え、臨床心理士になりました。
このnoteの記事も、できたら、家族介護者の方のために、少しでもお役に立てれば、と始めて、続けています。この「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」シリーズは、今回で12回目になりますが、「聴覚や味覚を刺激する」ことを考えていきたいと思います。
聴いたこともない音楽、飲んだことのないお茶
ご存知かもしれませんが、オードリー・タン氏は、35歳で台湾の行政に関わり、いわゆるデジタル担当の閣僚となり、マスク不足を防ぐための方法や、現在、台湾のコロナ予防対策に貢献した人です。
テレビなどでも話す姿を見たり、著書を読んだりしたのですが、とても頭がいい人でもあって、こういう人がストレスにさらされた時に、どのように対処しているのかについては、興味がありました。
こうした時は、聴いたことのない音楽をかけたり、飲んだことのない味のお茶を入れたりします。これはとても簡単です。2種類の茶葉を1杯のお湯を入れ、少し待つだけで、新しい組み合わせの味が出来上がります。それから気持ちが少し収まるのを待ち、(中略)お茶を飲み、初めての曲を聴くのです。
怒りを覚えたら、その感情がまだ心に引っかかっていても、自分が楽しいと思うことをすると、感情がシフトする。それがこの方法のコンセプトです。
政府に関わり、かなりの負担や、批判にさらされているはずですが、その対応について、こうした方法を採用しているようです。
台湾はお茶の文化があって、様々な茶葉をブレンドすることについても、おそらくはそれほどハードルが高くないと思いますし、聴いたことがない音楽を聞くについても、それなりに情報へアプローチしたり、何かしらの装置が必要になるかもしれませんので、このやり方を、そのまま出来ないかもしれません。
だけど、ポイントは、感情に直接作用すると言われている、聴覚と味覚に働きかけている、ということだと思います。
気分転換
不快な怒りを感じたり、とても嫌なことがあった場合、そのことによって、大げさに言えば、心が支配されてしまい、忘れられなくなってしまうことで、より負担感が増えてしまうはずです。
それに対して、気分転換をしよう。忘れよう。といったことを思ったとしても、それを実現する難しさは、誰もが知ることだとも思います。
そうであれば、強制的に、今思っていることを一瞬であっても、完全に忘れさせるようなことができれば、それをきっかけとして、気持ちが切り替わり、負担感を減らすことができるかもしれません。
オードリー・タン氏の方法は、聴覚に働きかけるのですから、それだけで、気持ちはそちらへ向きそうですが、さらに、聴いたことがない音楽によって、より聞くことに集中させ、今の不快な感情から目を逸らさせる、という効果がありそうです。
飲んだことのないお茶であれば、味覚はかなり感情に直接働きかけると言われていますし、とても美味しいものを食べた時の、一瞬、いろいろなことを忘れてしまう感覚は、どなたでもご存知かと思います。
さらには、飲んだことのないお茶によって、味覚を刺激し、そして、未経験ということで、より気持ちをそこに集中させる、という作用がありそうです。
聴覚と味覚を刺激する
こうした方法は、介護負担感に、そのまま同じように作用するか分かりませんし、そもそも同じ方法をとるのが難しいかもしれません。
それでも、不快感や負担感に支配され、緊張感が続いている気持ちを、聴覚や味覚を刺激することによって、そこから一瞬でも解放し、ほんの少しでも負担感を減らすことはできるかもしれません。
もしオーディオ装置がないとしても、スマホをお持ちであれば、ご存知のことなので、わざわざ言うのも失礼ですが、それで音楽を聞くことはできます。聴いたことがない音楽に抵抗があれば、昔よく聴いて、今は聞かなくなった音楽も、今であれば、それほどお金がかからずに手に入れることはできます。イヤホンで聞くことにより、より音楽が近くに感じられ、当時の記憶も急に蘇り、そのことで、現在の緊張感を一瞬でも忘れることにより、少しでも負担感が和らぐ可能性はあります。
また味覚を刺激するのであれば、お手数で申し訳なく、またいつもと違うことをするのが疲れに結びつく可能性もあるのですが、少しでも出かけ、買い物をする時に、飲み物コーナーに寄って、普段、飲んだことのない飲料を選び、試してみるのは、いかがでしょうか。
思ったより美味しい場合は、それによって、一瞬でも今の負担感を忘れられる可能性はあります。また、今まで経験したことがないような味に出会った場合は、味覚による驚きで、一瞬、それ以外のことを忘れられる可能性も出てきます。
万が一、おいしくない場合は、負担感が増えてしまったら、申し訳ないのですが、できたら、この時代にまずいなんて、と会社名などを覚えて、逆に感心できれば、少しは違う方向で楽しめるかもしれません。
大変な毎日を過ごされていると、介護以外のことをする気力も体力も無くなっているかと思います。それでも、何かを聞くことは、ひと手間かかるかもしれませんが、新しい刺激になる可能性があります。
また、味覚に関しては、日常的に、飲食はされると思いますので、そこになるべく手間をかけずに変化をつけることで、もしかしたら、負担感を少しでも和らげることができるかもしれないと思い、提案させていただきました。
今回は、以上です。
もし、こうした方法で負担感が減らなかったら申し訳ありません。よろしかったら、他の方法も、気が向いた時にでも試していただければ、幸いです。
勝手なお願いなのですが、もしも、「こうした方法で、少しでも負担感が和らぐ」といったご経験がありましたら、コメント欄などで教えていただければ、本当に助かります。できたら、広く伝えたいと思います。
よろしくお願いいたします。
(他にも介護のことをいろいろと書いています↓。読んでいただければ、うれしく思います)。
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![越智誠 臨床心理士/公認心理師 『家族介護者支援note』](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21599384/profile_27a9e9f53ac8ae2fe25b3275571affff.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)