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吸血鬼と精神医学: 吸血鬼は病人だった?臨床的吸血鬼について〜海外論文の紹介〜(後編)

【前編までのあらすじ】
ハロウィン企画として「吸血鬼と精神医学: 吸血鬼は病人だった?臨床的吸血鬼について〜海外論文の紹介〜」を公開しました。
前編はブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」以前の吸血鬼と、吸血鬼伝説誕生の元ネタと考えられる「病気」を紹介いたしました。
後編はいよいよ吸血鬼を精神医学的に診断したカテゴリー”臨床的吸血鬼(clinical vampirism)”をご紹介します!


【臨床的吸血鬼症: レンフィールド症候群(Renfield’s syndrome)】

「前編」では昔の人々が吸血鬼と勘違いした"病気"について紹介しましたが、ここからは「吸血鬼と精神医学: 吸血鬼は病人だった?臨床的吸血鬼について〜海外論文の紹介〜」というタイトル伏線回収にあたるパートです。

今まで紹介したように、狂犬病、結核、ペラグラ、ポルフィリン症はいずれも吸血鬼と共通の特徴を持ちますが、吸血鬼を吸血鬼たらしめる”特徴1”【血を吸う】という行為には至りません。

しかし、世界中には多種多様な”嗜好”をもつ人がおり、その中には「血を飲みたい」という強い願望を抱くドラキュラ伯爵のようなケースも存在します。

このように「血を飲みたい」と思う状態を臨床的吸血鬼症(clinical vampirism)、別名レンフィールド症候群(Renfiield’s syndrome)と呼びます。

レンフィールドとはブラム・ストーカーの「ドラキュラ」小説に登場する、ドラキュラ伯爵の下僕「レンフィールド」が由来です。

レンフィールドは精神病院に収容されている狂人であり、ハエ、蜘蛛、鳥などを食べることでその命を自分の中に取り込み、その取り込んだ命の分だけ自らの命を長らえることができるという妄想を抱いていました。

そしてこのレンフィールド症候群に関するレビュー文献を見つけましたので、ここで簡単にご紹介いたします。

尚、レインフィールド症候群は精神医学における正式名称ではありませんので、この点はご理解をお願いいたします!


↓ニコラス・ケイジ主演の「レンフィールド」はまさに下僕レンフィールドをえがいたホラーコメディーです!


【研究紹介】

Retrospective Analysis of Renfield: The Reciprocal Relationship Between Mental Illness and Vampirism. Crowley E, JMRT, 2019

https://ojs.trentu.ca/ojs/index.php/jmrt/article/view/312

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現役精神科医がオカルト現象を精神医学の観点から解説。尚、記事の一部はマガジン「マニアック精神医学」に含まれていることがあります。

オカルト...、それは科学では説明がつかない超自然現象の総称。世の中の不思議現象を精神医学の観点から解説。なぜ、オカルトと精神医学?それの…

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