誕生日と精神医学(前編): 誕生日は御用心?日本における"誕生日ブルー効果"〜国内文献の紹介〜
皆様こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。
唐突ですが、誕生日って特別な日ですよね🎁
小生も子供の頃はケーキを食べたり、プレゼントをもらったりで、誕生日は1年の中で最も嬉しい日の一つでした。
しかし最近は誕生日を迎えると喜び反面、「また一つ年をとったな...」という切なさを感じるのも事実です😣
...さて、今回は誕生日にまつわるちょっと気になる研究論文を紹介したいと思います。
この研究によると、何と「誕生日は自殺のリスクを高める」という歓迎できない内容となっております。
実を言うと、この「誕生日効果(別名: 誕生日ブルー)」は海外では半世紀前より指摘されておりましたが(参考文献3)、日本でも同様の現象が起こるかは不明でした。
しかし、7年前ほど前より日本の研究グループが日本における誕生日ブルー効果について詳細な研究を行い、二つの論文を発表しております。
今回の記事では、日本の誕生日ブルーに関する研究をご紹介いたしますが、記事の量が多くなったため前編・後編に分けて解説いたします。
またデータが多いため、今回も論文の一部のみをご解説いたします。
少し長い記事になりますが、お付き合いいただければ幸いです☺️
↓海外のドラマでは、誕生日にこんな飾り付けをしますよね。
【研究紹介1】
<目的>
日本において誕生日に死亡者数が増えるか否かを検討する。
<方法>
1974年から2014年における人口動態調査の死亡者を解析。
分析対象は死因が自殺、交通事故死、溺死、窒息死、転落死のケース。
死亡日と誕生日が同一であれば”0”とし、死亡日から誕生日が離れるほど0から離れた数値とする(-182日〜+182日)。
死因別に誕生日からの日数と死亡者数の関係をポアソン回帰分析により解析した。
<結果>
全死者数は2,073,656人であった。死因は自殺が48%、自動車・車両事故が11%、歩行者・自転車事故が10%、事故による転落が11%、溺死が9%であった。
誕生日に死亡したのは約8000名であり、誕生日以外の死亡者数の一日あたりの平均は5700名であった(図1: 大阪大学プレスセンター記事より引用)。
これは誕生日以外の日の1.4倍の増加である。
死因別によると、自殺が最も誕生日と関係があり、誕生日以外に自殺した人数の50%増加することが明らかになった。
さらに、交通事故、溺死、転落死も誕生日には20-40%ほどの上昇を認めた。
記事作成のために、書籍や論文を購入しております。 これからもより良い記事を執筆するために、サポート頂ければ幸いです☺️