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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(311)-(315)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

10月も中旬が過ぎ、ようやく秋めいてきましたね。

小生は毎週ジョギングをしておりますが、どこそことなく漂う金木犀の香りに爽秋を実感いたします。

そして何よりもジョギングの後のビールは最高ですね🍺(<=季節感ゼロ)

春夏秋冬に関わらず、楽しい休日のひとときを過ごしております!

ご存知の様に、メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。

X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その63)】

311.微笑み鬱病って知っている?鬱病なんだけれど、周囲には全く鬱症状を見せないことだよ。いつもニコニコしている人が、ある日突然自ら命を絶つ…、なんてケースがたまにあるけど、微笑み鬱病だったかも知れないよ。その人の本当の悲しみは、誰にもわからないんだよ…🥲

【メタルのおまけ】
微笑み鬱病はある意味”日本人的うつ病”だと思うな。周囲に迷惑をかけまいと顔色を伺い、次第にメンタル不調に陥っていき、最後まで誰にも気づかれず自死にいたるんだ…。「辛い時は弱音を吐いてもいいんだよ」という当たり前のことを皆んなに知ってほしいな…🥲

↓これではモナリザも微笑ではなく、爆笑ですね!


312.見捨てられ抑鬱は、Masterson JFが境界性パーソナリティ障害の中核的病理として抽出した力動的概念だよ。抑うつを中心として、憤怒、恐れ、罪責感、受動性、空虚感等を含む複雑な感情だよ。親が子供の自立を共に喜ばないと子は見捨てられ抑うつを体験しやすいって。

【メタルのおまけ】
境界性パーソナリティ障害にしばしばみられる「見捨てられ不安」のことを指した言葉だけど、この疾患は親の過干渉、支配的態度が影響とされているよ。あたかも子供が親の一部のようになってるから、人との関係が途絶えることに強い不安を感じるんだ。親離れも大事だけど、子離れも大切だね。

↓親子といえども一緒にいて辛いなら親から逃げたいですよね😖


313.ラプトゥス・メランコリクスって知っている?重度のうつ状態から突然現れる爆発的な興奮だよ。例えば数日間ベッドで寝てばかりの患者が突然窓から飛び降りようとしたりするよ。全てのうつ病患者さんに現れるわけじゃないけど、自殺のリスクが高まるから要注意だよ。

【メタルのおまけ】
ラプトゥス・メランコリクスとはちょっと違うけど、うつ病の治療中に患者さんが興奮状態になることが時々あって、「抗うつ剤による躁転」である場合が多いよ。治療初期のうつ病患者さんは注意深い観察が必要だね。ちなみにラプトゥスは「熱中」や「発狂」を意味するラテン語だよ。

↓小生の母親がこのドラマ好きでした。


314."うつ病性自閉"って知っている?統合失調症の妄想内容が時代や環境に左右されるのに対し、うつ病の妄想内容は普遍的かつ私的なんだ。つまり統合失調症の妄想は外へ、うつ病の妄想は内へ発展するから、この点において統合失調症よりうつ病はより「自閉的」なんだって。

【メタルのおまけ】
うつ病の妄想は古今東西、微小妄想(貧困、罪業、心気)だけど、統合失調症の妄想は時代背景に左右されるよ。例えば、”電波体験”なんかはラジオが発明される前にはなかったし、”盗聴妄想”も盗聴器がない時代にはなかったと思うよ。ちなみに最近では、SNSや携帯の位置情報で監視されているという訴えの患者さんが時々くるな…。

↓ご存知「スキャンダラス・レディース・シリーズ」!なんでもありますね、このシリーズ😅


315.抑うつ症状よりも身体症状が前景となる鬱病を"仮面うつ病(masked depression)"というけど、ドイツの精神医学者カールバウム(Kahlbaum KL)は同症状をラテン語で「鬱なき鬱病(depressio sine depressione)」と呼んだよ。こっちの方が詩的でカッコいいね。

【メタルのおまけ】
日本の精神科医である新福尚武は、自律神経症状を主とする身体症状が前傾に立ち一般医(内科など)受診する軽症うつ病を仮面デプレッションと呼んだよ。Lemke Lは中年女性が自律神経症状領域の心気症状を訴えうることを「植物神経うつ病: vegetative Dpression」と呼んだけど、これも同義だね。

↓「植物」で癒されたいですよね。


【メタル君の考察】

今回は「うつ」に関わる精神医学用語についてツイートしたよ!

“うつ”という概念は昔からあり、そのため”うつ”に関連するさまざまな言葉があるよ。

しかし、鬱病の概念も時代と共に変化したため、今ではほとんど使われていない用語も多いよ。

今回紹介した用語のうち”微笑みうつ病”以外は、はっきりいって死語にちかいかも…😅

それでも、かつてあった用語から当時の鬱病への考え方を窺い知る可能性もあるため、こういった死語を紹介することも意味があると思うよ。

(ちょうど化石を発掘するような感覚に近いかもね…🤔)

これからもマニアックな精神科ネタをドンドン紹介していくぞ😉

↓ハロウィンのコスチュームにドラクエはいかがでしょう?


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精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ)
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