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川村のどか
2021年3月5日 14:46
自分の側に社会秩序や規範があり、正しく悪を裁こうとしているまさにそのとき、人は最も暴力的に振る舞うものである。それが顕著になるのはたとえば居合わせた群衆によって痴漢が取り押さえられるような場面で、加害者が逃げる素振りを見せようものなら群衆は手段を選ばない。群像2020年6月号に掲載された著者のエッセイ『記憶』ではその場面が次のように描かれている。 作者は取り押さえられる痴漢の加害者を集団リン