10月26日 読書会報告
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
2024年10月26日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!
この日はご新規様が1名、リピーター様が4名の計6名で朝活×読書会。神保町の古本まつりの真っ只中、本を持ち寄る素敵な時間。
本を通じて仕事や将来のことを考えることは、非常に大事であるものの、疲れた時には絵本を紐解く夜だってあるさ。
紹介して頂いた本
ガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」新潮社
マコンドという架空の街を開拓する、ブエンディア家の7代にわたる孤独の物語。
戦争や大量虐殺、突然の産業革命などの現実と、その一方で全てが夢物語だったのではないかと思える幻想が入り交じる「マジックリアリズム」が、妙に惹きつけられます。
「孤独」をテーマにしているけれども、心理描写が少なく、淡々と物語が進んでいくため、それが読みづらさを感じる気持ちは、皆同じそうで一安心。
まだお読みでない方は、新潮社発行の「読み解き支援セット」(制作 池澤夏樹)を活用してみてはいかがだろうか。
田中ロミオ「犬と魔法のファンタジー」小学館(ガガガ文庫)
ここはエルフやドワーフが生活するファンタジーの世界。主人公 チタン・ホネクダキは就職活動に励んでいた。
こんな世界においても、国家に仕える騎士や、志を持って現場に出る戦士になるためには、就職活動をしなければならない。嘘と建前を使い分けられないチタンは、何度も内定を貰えずにいた。
そんなある日、人間のように振る舞う(あまり美しくない)エルフと出会い、チタンは「無理して頑張る」ということをやめる。
公務員のように騎士になるか、会社員のように戦士になるか。でもその道でもない、自ら道を切り拓く「冒険者」という選択肢もあるのだと。
著者の熱狂的なファンの友人から勧められた本。全然ファンタジー要素はなかったし、まさか将来のことを考えるとは思ってもなかった。
ちきりん「未来の働き方を考えよう」文藝春秋
「ゆりかごから墓場まで」勤めれば安泰だった時代は、近年はすでに崩れつつある。
40〜50代という中年期、仕事にも飽きが出ており、かと言って昔のような体力や活力も減退している年代に、どう生きるかを考える。
証券会社に就職後、アメリカの大学院で学び、外資系企業に勤めるといった経歴を持つちきりんさんのアンサーは、「人生は2回生きられる」こと。
1回目をパッケージツアーで旅行したのであれば、2回目からは自由に行きたいところに旅行するように、最初は会社勤めで基礎を学び、その後、自分が伸ばしたい方向を伸ばすべきなのだと。
もっとも、これはちきりんさんのアンサーであって、必ずしもこの方法が最適解というわけではない。
学生起業する人もいれば、本業と副業の両軸で働く人もいる。自分の生き方・働き方に合った道を選ぶことが大事である。
八木詠美「空芯手帳」筑摩書房
職場で雑用やセクハラなどを受けていた主人公は、キレて上司に「妊娠しました」と嘘をついてしまう。
最初こそ偽装妊娠がバレないか不安だったものの、おかげで残業がなくなり、タバコの後始末を押し付けられることもなくなった。
調子づいた主人公は、妊娠期間中に取るべき栄養素を気にかけ、マタニティヨガに参加して妊婦さんと仲良くなったりしていた。
出産予定日は近づき、最後は病院で出産した、ことになっている。
読者からしても、本当に出産したように思えてしまうのが奇妙で、終わりが想像つかないところがまた惹かれます。
浅田次郎「大名倒産」
江戸時代 丹生山松平家の当主は多額の借金を抱えていた。
その責任を取らせるために、当主である父は、四男の小四郎に大名家の当主を継がせて隠居を決める。当時の責任の取り方は、腹切である。
「父さんが倒産した」ことに腹を立てた小四郎だったが、当主として金策に励む。しかし一向にして事態は改善されることはなく、焼け石に水状態。
実は、丹生山松平家に金がないのは、「貧乏神」のせいであったという、急なファンタジー展開。果たして、小四郎の運命やいかに。
ストーリーを楽しむと言うよりは、語彙力を増やすために読んだという紹介者。
上司の部下の関係とか、会議のために会議をする辺りとか、歴史は繰り返すものだとしみじみ思う。
2024年11月の読書会スケジュール
11月2日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会
11月16日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
11月23日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
11月30日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE!
ご興味ありましたら、コメントや各告知ページにて是非お待ちしております。皆沢に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)
・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催していますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。
お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。