読書記録「ピーター・パン」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、ジェームズ・バリー 本多顕彰 訳「ピーター・パン」新潮社 (1953) です!
・あらすじ
英国 ロンドンはケンジントン公園。閉門時間を過ぎると、ピーター・パンが妖精たちと遊んでいるのを見られるかもしれない。
ピーター・パンはいつからここにいるのか。それは定かではありません。
彼はいつも同じ年齢なので、数日前なのか、あるいは数十年前なのかもしれません。
ピーター・パンは生まれて7日を過ぎる前に、窓から飛んでいってしまいました。
これをピーター・パンだから、と思ってはいけません。皆さんお忘れのようですが、赤子はみんな人間になる前は小鳥だったのです。
ケンジントン公園にたどり着いたピーター・パンは、小鳥や妖精たちと出会い、不思議な冒険が始まります。
去年閉店してしまった地元の古本屋にて購入していた1冊。
サン=テグジュペリの「夜間飛行」と同じタイミングで買って、数年間積読にした後に、ようやく紐解いた次第。
ピーター・パンというと、まずディズニーのイメージを思い浮かべる。
東京ディズニーランドの「ピーター・パン 空の旅」や、ディズニーシーの「ネバーランドアドベンチャー」然り。
しかしそれらの原作は、同じ著者の「ピーター・パンとウェンディ」である。
そのため、本作では「ネバーランド」や「ティンカーベル」は登場しない。
冒頭からロンドンのケンジントン公園の説明から始まったので、「これ本当にピーター・パン?」って何度も確認したほど。
とは言え、かの有名な「ピーター・パンが空を飛ぶ」シーンは、本作品でも登場する。それも素敵なフレーズとともに。
去年(2024年)から始まったディズニーランドのキャッスルプロジェクション「Reach for the Stars」のように。
夢見る心や信じる気持ちを持ち続ければ、きっと「右から二番目の星」までたどり続けるかもしれない。
ピーター・パンのように、いつまでも子どものままでいれたならば。
一方、ピーター・パンは幼いままの純粋さゆえに、ときには恐ろしい側面も垣間見える。
家を飛び出した後、妖精に頼んで本物のお母さんのもとへ戻ったピーター・パン。
彼が飛び出ていった部屋の窓は、今も開いたままでした。
いつも悲しい顔で寝ているお母さんを見て、心が揺れるけれども、結局妖精や小鳥たちのもとへ戻っていく。
それを何度か繰り返すうちに、ついに窓に鉄格子がついてしまい、二度とお母さんに会えなくなってしまうのです。
ある日、閉門時間を過ぎても迷子だった女の子と出会ったピーター・パン。
話しているうちにとても愉快になって、一緒にここで過ごそうと誘う。
ここにいたら、「いつかお母さんから閉め出される」という経験は、秘密にしたままで。
本作を読んだうえで、「ピーター・パンとウェンディ」を読んだら、また世界観をより楽しめるかもしれない。
こうやって読みたい本が芋づる式に増えていくのは、いつまでも子供心を忘れていないからなのさ(?)。それではまた次回!