読書記録「スタンド・バイ・ミー」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、スティーブン・キング 山田順子 訳「スタンド・バイ・ミー ー恐怖の四季 秋冬編ー」新潮社 (1987) です!
・あらすじ
私がはじめて死体を目にしたのは、やがて13歳になるという12歳のとき、1960年代、夏のことである。
私が少年時代を過ごしたキャッスル・ロックは、お世辞にも風紀のいい町ではなかった。不良のたまり場のような、何かしら家庭環境に問題がある家族が多い地域だ。
夏休みも終わりに差し掛かる頃、ゴーディ(ゴードン・ラチャンス)は悪友のバーンから「森の奥に子どもの死体がある」という噂を聞く。
保安官らは必死にその子の行方を追っている。もし死体を僕らが発見すれば、第一発見者としてテレビに出れるだろうと。
一緒に話を聞いていたクリスとテディの4人で、死体探しの冒険に出る。
最初は好奇心から始まった旅だったが、今振り返って思えば、その旅は子供から大人に変わる通過儀礼だったのかもしれない。
映画は大分前に、一度だけDVDを借りて観たことがあったため、大筋は理解していたけれども、やはり原作も味わってみたかった。
夏の京都は下鴨納涼古本まつりにて、3冊500円コーナーにて見かけ、「1冊買ったら何冊買っても同じだろう」精神で購入した次第。
映画版は少年たちの「青春ドラマ」として、綺麗に仕上がっている感じがした(大量のヒルに噛まれる不気味なシーンもあったが)。
原作だと、映画版だと最初と最後くらいしかなかった、ゴーディが大人になってから当時を振り返るシーンがたびたび交差する。
また、一緒に死体探しの旅に出たバーンやテディ、そしてクリスがいかに彼の人生からいなくなったのかも記されている。
私自身で言っても、小学生時代には小学生時代の、中学時代には中学時代の、高校時代にはまた高校時代の友達ができては、いなくなっていった。
もとより友達が多い方ではなかったが、歳を重ねていくうちに、古い友人は新しい友人に置き換えられていく。言い方は悪いが、おそらく誰もがそういう経験はするものであろう。
さて、「スタンド・バイ・ミー」に戻る。
死体探しの旅は、12歳のゴーディにとっても、作家として生計を立てている私にとっても、大きな影響を与えていた。
12歳のゴーディにとっては、大人への一歩のようでもあり、少年時代への別れのようでもあり、とにかく人生の分岐点の最中にいた。
なによりその時には、クリス・チェンバーズという親友がいた。
ゴーディの作家の才能を認め、将来のためにも俺達のような悪友から離れるべきだと、本気で諭してくれた友がいた。
そんな親友がかつていたと言っても、それがどれだけ私にとって心の支えになったのかを、言葉にするのは難しい。
私自身、ゴーディとクリスの2人と同じくらい、お互いに影響し合う友がいたかどうかと問われたら、正直思い浮かばぬ。
少なくとも、様々な人の影響を受けて、今ここにいる。
入っては出ていく友人たちに、良き面も、悪い面も、影響を受けて、今ここにいる。
あいつらは、元気にやっているかな。