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11月2日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年11月2日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日はご新規様が3名、リピーター様が2名の計6名で朝活×読書会。あいにくの雨模様でしたが、楽しく語らう会になりました。

自分の根底となる本があるのは、とても素敵なこと。自分だったら、何の本を挙げるかしらん?とふと考える。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」早川書房

おそらく核戦争が起こった後の終末世界。とある親子は寒い場所から、暖かい南の国へ向かってただただ歩き続ける。

道中では父がヒゲを剃ったり、荷物を運んでいるカートが壊れてまた直したりと、とにかく事件などが「何も起こらない」作品。

マッカーシーの「あらゆる事象・風景を公平に描く」文章が、読み手に異常なほどの透明感を与え、心を癒やしてくれるのです。

エラ・フランシス・サンダース「翻訳できない世界のことば」創元社

国が違えば、文化が違う。文化が違えば、当然言葉も違う。言葉というものは、常にその国の文化が反映されている。

たとえば、イタリア語『Commuovere』は「涙ぐむような物語に触れたとき、感動して胸が熱くなる」意味があるのだと。

ある概念に対して美を求めている、イタリアの文化が根付いているのかもしれない。

そんな言葉は、世界中にたくさんあるのって、とても素敵。絵本のように軽く読めるので、寝る前の1冊としてもおすすめです。

二村ヒトシ「なぜあなたは『愛してくれない人』を好きになるのか」イースト・プレス

タイトルのとおり、「何でこんな人を好きになってしまったのか」「恋愛で苦しまねばならないのか」に対するアンサーを、AV監督である著者が述べるエッセイ的な作品。

著者曰く、原因は「心の穴」にあると言う。主に家族から受けた心の傷を通じて、その穴を埋めてくれる人を好きになってしまう(好かれようとする行動をしてしまう)のだと。

だけど、心の傷を刺激してくれる相手と付き合ったとしても、到底長続きはしない。なぜなら、相手の心にも傷を付けてしまうから。

まずは「自分の心には穴がある」ことを受け入れる。相手に依存するのではなく、相手にも傷があるのだと認めて、共に生きること。

これは恋愛のみならず、人間関係全般に言えることなので、おすすめです。

ユン・ホンギュン「どうかご自愛ください」ダイヤモンド社

精神科医である著者が語る、「自分を愛する(自愛)」を取り戻し、自己肯定感(自尊感情)を高めるポイント満載の1冊。

たとえば、恋人に対して「あなたのここを直して欲しい」と言ってしまいがちであるが、それは『他人』に自分を満たしてもらおうとする現れだったと。

そんな、相手に依存するような「悪い依存」ではなく、相手の考え方に一理あると、お互いに支え合う「良い依存」を目指したい。

最近とても嫌なことがあったと語る紹介者。まるで自分の片腕が失くなったような感覚に陥った際に、「これはダメだ!」と紐解いたという。大変効果があります。

横溝正史「犬神家の一族」KADOKAWA

犬神財閥の創始者が亡くなった際に、1通の遺書を遺していた。それは「珠世と婚約した人間に、財産をすべて与える」というもの。

当初から反目し合っていた親族たちは、当然血で血を洗う殺し合いに発展する。まさに「人間の業」を描く作品。

ときに「昭和のミステリーなんて安っぽいのだろう」と高を括っているそこのあなた!きっとこの本を読み終えても、この作品の「トリック」はわからないだろう。

よく「金田一は全員殺されないと犯人が見つけられないダメな探偵」と語る人もいるけれども、それは相手(横溝正史)が悪いのだと。トリックが見破られないからこそ、解明までに時間が掛かってしまうのだと。

その点、同じ作家の「悪魔が来りて笛を吹く」もおすすめです。人間の業(カルマ)が嫌と言うほど感じられるのだと。

カフカ「城」新潮社

とある設計士が、城の建設のために設計図を書いて欲しいと依頼を受ける。遠くに見える城へ向かうけれども、一向に城へたどり着くことができない。

城下町などで城への行き方を聞いてみるも、てんであやふや、むしろ困っているから助けてくれと、頼み事ばかりされる。

こうして設計士は城へ向かっては、足止めをくらい、、、物語は終わる。そんなカフカの未完の作品の1つ。

目指すべき場所はあるのに、他人や不条理に振り回されてしまう。そしてその目的にたどり着けるのか、はたまたたどり着けないかもわからない。

人生ってそういうものだよなと、中学生の頃に読んで考えたそうです。

2024年11月の読書会スケジュール

11月16日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
11月23日(土) 13:00~17:00
文学×ボードゲーム会
11月30日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK & BOOZE!

ご興味ありましたら、コメントや各告知ページにて是非お待ちしております。皆沢に会えるのを心よりお待ちしております(*^^*)

・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催していますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。

お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。

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川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家
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