天地自然とつながる呼吸
言われてみれば,生まれてから毎日欠かさず続けている唯一の行動が呼吸である.
「緊張したときは深呼吸」というのが母の知恵であるが,それ以上の具体的な解決策を本書は提案する.それが「気の呼吸法」だ.
「気」というとマンガの世界のものに聞こえるが,私たちの気は天地自然の気の一部であり,気はぐるぐると循環している(気が通う)と著者は言う.
昔の日本人がそうした考えを持っていたからこそ,我々の身の回りに「気」を使った概念や言葉(気になる,やる気,天気,電気など)がかなり多いことにも納得できる.
プロローグ メジャーリーガーが知った本当の力
体のどこかに余分な力が入っていたり,何かを意識しすぎたりすると姿勢や立ち方が不安定:心と体が別れている状態(身心分離)となり,パフォーマンスを最大限に発揮できない.
力を抜くために心をしずめる:心と体がひとつである状態(身心一如(しんじんいちにょ))となることが必要である.
気の呼吸法:全身から余分な力を抜いて,臍下(せいか:へそ下)の一点に心をしずめて行う呼吸法
1.気の呼吸法と気の関係
臍下の一点に心がしずまり,四方八方に気が出て,周囲と気が交流する(気が通う).
2.気の呼吸法と心の関係
周囲と気が交流するため,周囲のことを鋭敏に感じ取れるようになる.
心がしずまる.すると心が余計なことに惑わされなくなり,心が動じなくなる.
心を使うべきところに使えるようになり,集中できる.
3.気の呼吸法と体の関係
心を自在に使えるため,体が余計な緊張から解放される.リラックスして本来の力を発揮できる.
気の呼吸法により,心と体が天地と一体となる気が出る.周囲の状況を正しく理解でき,余分な力を抜いて必要なことに集中することができる.
だからこそ,ここ一番ですごい力を発揮できる.
気の呼吸法は鬼滅の刃の全集中の呼吸との類似点も多い.
「周囲のことを鋭敏に感じ取れること」
「心がしずまり心を自在につかえること」
「全身全霊で物事を行えること」
「余分な力を抜いていること」
「目の前のことに集中して力を使えること」
1章 あなたが力を発揮できない本当の理由
緊張することを「上がる」というが,正確には「意識」が「頭」に上がっている.
「失敗したらどうしよう」などの余計なことを考えて,上がってしまう.
逆に落ち着こうと頭で意識すればするほど,意識はまだ頭にあるので,逆に上がってしまう.
何も知らずに落ち着こうとすると,逆に余分な力が入ってしまうだけで逆効果.
どこに下げるのか?意識を本来あるべき場所に下げる.
その場所が臍下の一点で,下げるための方法が気の呼吸法である.
余分な力は取り除き,上がった意識は元の位置に下げてあげることが必要.
見えない意識を下がるためにまず「自然に安定した立ち方」ができているか確かめる(「気のテスト」).
つま先立ちをすることでバランスを取ろうとして足先に気が通った.
安定した姿勢は,物理的に安定した姿勢だけでなく,心が安定し,体が静止した姿勢で,瞬時に次の行動を取ることができる姿勢のこと.
真に正しい姿勢を体得したいなら,繰り返し,つま先立ちを行い,心身が安定した状態を覚えされること.
心を外に向けること.みれらるのではなく,みるようにする.
2章 呼吸を変えて心と体を自在に使う
感情をコントロールをすることは難しいが,呼吸をコントロールすることは可能.
体が整えば,心も整う.呼吸が静まれば,心も静まる.
呼吸では息の吐き方の方が吸い方よりも重要.
どこまでも自然でどこまでも静かでどこまでも深い呼吸,それが気の呼吸.
深く静かな呼吸を繰り返すことで,あなたの気が周囲の気と交流する.天地自然の気と一体化することが気の呼吸法の本質.
手の先についた水を払うような感じで、「ぶらぶらぶら......」と心地よく指先を振る(余計な力みで固くなっているのをほどいていく感じ).
余分な力を抜くと指先を振った動きが全身に伝わっていくのが感じられる.
手の振動が全身に伝わっていくことがポイント.
全身リラックス運動をしてから寝ると良い.寝た時に体が軽く,変な圧迫感がなくなる.
3章 あなたが気づかない「気」の威力
気の性質について先代の藤平光一さん(著者のパパ)は「海の水を手で掬うようなもの」と表現している.
自分の内側にある気は,天地自然の気を自分という枠で囲んでいるわけだが,自分の気と思い込んでしまう.
しかし,海の水を手ですくったときに手の中の水が海の水の一部であるのと同じように,それは天地自然の気の一部であるということを示唆している.
私たちの気は天地自然の気の一部であり,気はぐるぐると循環している.
私の気と天地自然の気は自由に行き来しているのが自然の状態で,気が通わないと,自然の状態でいられなくなる.
いつも気が循環して,フレッシュな状態を「元気」とよぶ.
気が通わなくなり,滞ってしまう状態を「病気」とよぶ.
気が通わなくなる一番の原因は「孤になること」
自分本位になってしまったり,他者への感謝を忘れてしまうような状態がこれだ.
気が滞った時は,外に対して,気を発し,天地自然の気と交流させる必要がある.
例えば,日光を浴びる,スポーツで汗を流す,植物を育てることなどだ.
4章 ここ一番に強くなる気の呼吸法
1.つま先立ちをして,バランスが取れたら静かにかかとをおろしてたつ
2.座る前に全身リラックス運動がおすすめ
3.正座の姿勢を確認する.膝立ちをして,肩を2〜3回上下させ,余分な力を抜く.頭を左右に向けて,楽な位置にあるか確認する.足先に力を入れすぎたり,逆に入れなさすぎたりしない.
4.口を開けて「はあー」と息を吐く.遠くまで息が届くイメージでまっすぐ吐くと,力みなく吐くことができる.体のなかから自然に息が出ていくという感じで吐く.
5.十分に吐いたら,次は口を閉じて,鼻から吸う.鼻先で花の匂いを嗅ぐイメージで,静かに力まずにすうと良い.吸った息が下腹に収まるようにイメージする.
気の呼吸法のコツ
呼吸する時は軽く目を閉じても大丈夫.
呼吸を無理に長くしたり,短くしたりコントロールしない.
吐くに任せ,吸うに任せる.
何秒吸って何秒吐くとかではない.
小さな気の滞りを解消する「息吹きの法」:「ふっ」と力強く息を吹くという方法.短く鋭く息を吹く.マイナスの観念をこれで吹き飛ばす.
ろうそくの火を一気に消すように吹くことがコツ.
5章 臍下の一点に心を静める
臍下の一点を探す方法.
1.正しい姿勢で立つ.
2.臍のすぐ下を中指の先端で触れる.指先はぎゅっと押さず軽く触れるだけ.
3.触れた指先を押し返すように,下腹に力を入れる.
4.指先を低くしていき,下腹に力が入らない位置が臍下の一点.
臍下の一点(点)と臍下丹田(面)は別物.
臍下の一点を確認したら,忘れる.
Keep One Point よりも Set One Point.
Set One Pointを繰り返し,体に覚えさせていく.
運動の前に気の呼吸法はあり.
椅子に座った時の臍下の一点
座った時の臍下の一点は移動して,座面と接するぐらいのところにある.
体のここにあると物理的に固定されたものではない.
確認方法
1.正しい姿勢をとり,臍下の一点を確認し座る.
2.尾骶骨の上にある仙骨が起きていて,かつ胸に余分な力が入っていない.
3.この時に立った時の臍下の一点の真下で,座面部分にある.
臍下の一点を確認(Set One Point)して,横になると寝つきが良くなる.
6章 気の呼吸法を「ここ一番」で活かす知恵
パフォーマンスを上げたいなら力むのではなく,心を落ち着ける.
頑張るときは力みがち,力を抜いてみよう.
対人関係は気の交流だと心えて,Set One Point.
自分が発する気に注意を向ける.ポジティブな気を発する.
気の呼吸法は天地と一体になるためのもの.
大きな存在に守られている.大きな存在と繋がっているという感覚.
緊張は最高のパフォーマンスのための妙薬.
緊張も自分の一部,切ってはなすことはできない.
緊張のもう一歩深く先へ.受け止めて迎え入れる.
気を発し,心が静まっていること.気が通っていれば視野も広く周囲とのつながりもわかる.また,心が静まっていれば心を外向きに使うことができる.
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