空間とは何か(番外編) 「方程式は環である」について
「方程式は環である」というのは、いわゆる「佐藤幹夫の哲学」と呼ばれているもの(の前半分)である。このモットーは現代数学のさまざまな分野の諸相において見出せる、ある種の普遍的な構造を捉えたもので、その含蓄は思いの外深い。佐藤幹夫にとってこの哲学は、代数解析学を含めた彼の多岐にわたる仕事と関係したものだと思われるので、ここでいう「方程式」は微分方程式をも含んでいる。
「空間とは何か」という連載の一つの番外編として、ここでは今後スキームという空間概念について考えていく上でのヒント