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民間企業社員+副業+大学院生。三足のわらじを履いていた僕がカタリバに来た理由

こんにちは!カタリバ広報部の本田です。

カタリバで働くあの人は、どんな価値感を持っているのだろう?日々どんな想いで働いているんだろう?そんな想いからスタートした、職員一人ひとりにスポットを当てた連載企画「9BOX 〜わたしが大切にしている9つの価値観〜」。

▼前回の記事

今回は、全国にある小規模な高校同士をオンラインでつないで生徒の学びを深める試みに取り組む「学校横断型探究プロジェクト」と「カタリバオンライン for Teens」に所属する中川 玄さん(以下、げんさん*)にインタビューし、カタリバに転職した経緯や背景にある価値観に迫ります。

*カタリバはメンバー同士をニックネームで呼び合う文化があり、中川さんは “げんさん” と呼ばれています!

げんさんの9BOX~わたしが大切にしている9つの価値観~

Q.げんさんを表す一文字は「友」なのですね。この文字を選んだ理由を教えてください。

なんて説明するといいか悩みつつなんですけれど、自分は「不特定多数」の誰かのためじゃなくて、「顔の見える相手」のために何かをしたいという気持ちが強いタイプだなと思っています。それで「友」という言葉を真ん中に書きました。

大学生1,2年生の時に、東京都や神奈川県の小中学校でのボランティア活動に参加していた時期があって。そこで子どもたちや先生たちと一緒に何かを作っていくという経験を沢山したことが原体験になっているのかなと思います。人と人とつながる場を作りたいと思って、学生時代はシェアハウスの運営もやっていました。

ーまさに、9BOXに書いてある「つながる場づくり」ですね。

社会人になってからは「会社の外で何かやりたい」と思っているメンバーで集まって勉強会をやったり、プロジェクトベースで活動したり。活動のテーマは教育に限らずでしたが、あるメンバーがたまたま高校の先生と仲良くなったことがきっかけで、200人くらいの生徒を相手にキャリア学習のプログラムを山梨県の高校に届けに行ったこともありました。今はそれぞれに家族ができるなどの環境変化があり、活動は継続できていませんが、最近も当時の活動メンバーと1泊2日とか泊まりがけで集っています。

Q.そんなげんさんがカタリバに入職したのには、どのような経緯があったのでしょうか?

最初にカタリバを知ったのは学生時代です。東日本大震災の被災地でカタリバが活動していることを知り、学生インターンとして活動しました。

その後は新卒で富士通株式会社に就職して、官公庁へのITシステム導入の営業や、さまざまな行政機関へのDX推進やデータ利活用の提案など、トータルで約12年働きました。

ーその間に大学院にも入学されたんですよね?

そうなんです。前の職場にいた時にコロナ禍が来て。仲間で集まって何かをやるということに楽しさを感じていたタイプなのでオンラインでの飲み会を企画したり、他にも家で読書をして学びの時間を作ってみたりと試行錯誤したんですけどあまり続かなくて……。友達が欲しいなと思ったのと、いつか大学院に行きたいと思っていたこともあり、仕事を続けつつ入学することにしました。

大学院では公共政策を専攻しています。「学校の統廃合」というテーマについて調べていくうちに、少子化の進む地方にある小規模な高校同士をオンラインでつなぐ取り組みをカタリバがやっていることを知りました。

大学院での研究にも活かせたらいいなという気持ちもあって、カタリバで副業を始めることにしたのが2022年のことでした。それが今僕が所属している「学校横断型探究プロジェクト」というチームです。

ーフルタイムの仕事と大学院に加えて副業も…!結構ハードそうですね。

最初は大学院の夏休みがやってきたタイミングで「時間ができたので、2ヶ月くらい副業します」と前の職場に申請して副業がスタートしました。

カタリバでの副業は、学校横断型探究プロジェクトに加えてb-lab(*)でもやることになり、それぞれ週4時間程度コミットしていました。

*カタリバが東京都文京区から委託を受けて運営する中高生の居場所。

ーその後、2024年3月にカタリバに転職されたのですね。

はい。学生時代からNPOに代表されるような公共性のある活動に関心を持っていて、新入社員時代は「今の仕事は3年くらいで辞めて、いずれはNPOで働きたい」と考えていました。でも前の職場で楽しく働いているうちに、気づけば30代も半ば。

会社の先輩の中には、自分が関心のあることと仕事とをつなげて楽しそうに働いている人もいて、そういう道もあるなと考えたこともあるのですが、僕が興味を持っている「教育・行政」というテーマで、前職で学校現場にいる子どもたちの目に見える変化を生み出すことは難しそうで。

教育と行政というテーマで働ける会社はないかなと考えた時に、カタリバなら自分の関心領域に近いところで仕事ができるし、一緒に働きたいと思える仲間もいたので転職を決意しました。

Q.今は、どんな業務を担当されてるんですか?

大きく分けて2つあります。1つは探究学習に取り組む高校生向けのオンラインプログラムを提供している「カタリバオンライン for Teens」の運営事務局としての仕事です。もう1つは、学校横断型探究プロジェクトが提供する「オンライン合同授業」の学校渉外や、運営に関わるスタッフのマネジメントです。

さらに入職とほぼ同じタイミングで、学校横断型探究プロジェクトが文部科学省が推進する調査研究事業に関わることが決まり、まさに「教育」と「行政」の両方に触れることができているなという感覚です。

ー学校横断型探究プロジェクトについて、もう少し教えていただけますか?

生徒一人一人の興味関心に応じた個別最適な学びを目指して、2022年から全国の高校で「総合的な探究の時間」が本格的にスタートしましたが、小規模な高校では、1校あたりに在籍する先生の人数が少ないために、生徒一人一人の興味関心に合わせてサポートすることに限界があります。

学校横断型探究プロジェクトでは、パソコンやタブレットといったICT端末を活用して全国にある小規模な高校同士をつなぎ、不足するリソースを補い合うとともに生徒の学びを深めていくことを目指しています。

Q.ありがとうございます。最後に、「今後こういうことに取り組みたい」ということがあれば、教えてください。

「なんか面白いことやりましょうよ」って声をかけ合いながら、主業務とは異なるプロジェクトも生み出せたらいいですよね。10月に新しいオフィスに移転したこともあるので、オフィスをより良くする有志プロジェクトを始動させてみることとかやってみてもいいかもしれない。1階にあるライブラリースペースをよりよい空間にしていく活動とか。

事業として新しいことを仕掛けていくというのはもちろんやっていきたいですし、もっと気軽に「楽しそう!」という気持ちから始められるプロジェクトもカタリバメンバーと考えていけたらいいなと思っています。


普段仕事で接するげんさんはクールな印象でしたが、話を伺ってみると身近な人とのつながりを人一倍大切にする、熱い一面も持った方なのだなということがわかりました。

「みんなで何か面白いことができたらいいな」「こんなことできないかな?」と思っているカタリバのみなさんは、ぜひげんさんに話しかけてみてはいかがでしょうか?