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「不登校の私が、学校に行けていない子たちに伝えたいことー」動画選手権で最優秀賞をとった中学生のインタビュー

こんにちは。カタリバ広報担当のみさみさです。カタリバでは学校に通うことが難しい児童生徒(とその家族)をメタバースを活用して支援するオンライン不登校支援「room-K」を運営しています。

そこに通う中学生「レイマさん」が、TikTokが主催する「不登校生動画甲子園」で最優秀賞を獲得しました!このコンテストは、気持ちを語ったり、絵を描いたり、風景を撮影したり、自由な表現方法で「不登校」経験を活かした動画投稿を行うというものです。

レイマさんの夢は「3DCGクリエイター」。中学生とは思えない卓越した表現力をもつレイマさんに、今回の受賞に至った経緯や、今後の夢について聞いてみました。

受賞作品のスクリーンショット。ぜひ以下のURLからご覧ください。

▼レイマさんの作品
https://youtube.com/shorts/l7FOkGuwKiQ?feature=share

Q: なぜ「不登校動画選手権」に応募しようと思ったのですか?

A: TikTokから通知が来て、内容を読んで、すぐに「やろう!」と思いました。もともと映像編集が得意だったので、自分の強みを活かせるチャンスだと感じたんです。自分自身がいま学校に行っておらず、そのことが一番話しやすいかなと思ってテーマに選びました。得意なことをメインにした作品を作りたいと感じて、他のアイデアは考えずにこれでいこうと決めました。

Q: 作品の制作プロセスについて教えてください。

A: まず、自分が伝えたいことを文章にまとめて、それに合う映像や背景を考えました。映像はもともと持っていたものをつなぎ合わせたり、小学校の教室のシーンは、6年生の時に卒業制作で作ったものを使いました。フォントや文字も映像に合わせて工夫し、全体的に一つの作品としてまとめました。

Q: レイマさんは3DCGクリエイターを目指しているそうですね。こう思ったのはいつからですか?

A: 小学校4年生くらいの時からオリジナルキャラクターを動かしたいと思って、アニメを作ることに興味を持ち始めました。小学校6年生の時には実際にキャラクターを動かすアニメーションを作りました。その頃からデジタルで絵を描くことが多くなり、3Dを扱えるようになってからはさらに楽しいと感じました。小6の時には「この道に進みたい」と思うようになって。SNSで他のクリエイターがどうやって作業しているのかを見て、独学で勉強してきました。

レイマさんの作品

▼レイマさんの作品
https://youtube.com/shorts/c83r0jROvo0?feature=share

Q: 「room-K」での活動について教えてください。

A: room-Kではメンターさん(*1)と作品についていろんな話をしたり、みんなの前で作った作品を発表することでモチベーションが上がりました。自分の想いを強くするきっかけにもなったと思います。学校には行っていないですが、英語の学習などをroom-Kの中で無理せず自分のペースで進められているので、自分にとっては安心できる場所でした。

*1:メンターとは、週に一度1対1で面談を行うスタッフ

Q: 今後の活動についてはどのように考えていますか?

A: これからは静止画だけでなく、ショートアニメも作っていきたいと思っています。コンテストにもたくさん応募するつもりです。自分が作ったキャラクターや世界が動き出すのはとても感動的で、その成果が目に見えることが嬉しいんです。

Q: いま、レイマさんと同じように学校に行っていない不登校の子どもたちに伝えたいことはありますか?

A: 学校に行くことが全てではないので、自分のペースで無理せずに頑張ってほしいです。みんなで勉強することも悪くはないけれど、私は一人で進めるほうが自分に合っていると感じました。自分のペースで好きなことを見つけて、それを伸ばすことが大切だと思います。


インタビュー中に実際にレイマさんの作品を鑑賞させてもらったのですが、大人顔負けのクオリティに脱帽。これを独学で作ったんですか!?と思わず身を乗り出して質問してしまいました。今回の受賞をきっかけに、レイマさんの作品がさらに多くの人に鑑賞してもらえたことをカタリバスタッフもとてもうれしく思っています。

room-Kでは、子どもたち一人ひとりの個性に合わせて、学習や生活のサポートを行っています。レイマさんは勉強や作品を発表する場所として、room-Kを活用してくれていました。学校に行きづらさを感じていたり、何かしらの困難を抱える子どもたちが、このように自分の「好き」を追及することを後押しすべく、これからもroom-Kをはじめカタリバ一同活動を続けて行きたいと思います。